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2017年12月28日 (木)

筆者の選ぶクソケータイ・オブ・ザ・イヤー2017

本家大元から読者が選ぶケータイ of the Year 2017が発表されました。その結果は後ほど明らかにするとして、いよいよ、2017年に発売された中で最もイマイチな端末である筆者の選ぶクソケータイ・オブ・ザ・イヤー2017を発表したいと思います。

※あくまでも2017年に発表された端末の中で最もイマイチなだけで、ユーザーの技量により問題なく使えたり、何らかの工夫があれば快適に使えるようになります。選出されてしまった端末をご利用の方も引き続き、安心して運用してみてください。

■大賞
Apple iPhone X
(Apple Japan合同会社)
―イノベーションのために犠牲にした操作性と普遍性

Iphone_x2_2

Apple iPhone 8/iPhone 8 Plus
(Apple Japan合同会社)
―iPhone Xの前座に終わってしまった、ガッカリ度ではシリーズ史上最悪の機種

Iphone_8_2

2017年に発表された中で最も不名誉な称号を得ることになってしまったスマートフォンはなんと、2年連続で日本における巨人、AppleのiPhoneとなってしまいました。昨年のiPhone SEの評判のよさとは裏腹に、メインストリーム端末がご覧の有り様とは嘆かわしい限りです。それでもこれしか選ばないユーザー層も相当大概にしてほしいものです。

[選評]
今年はiPhoneが誕生して10周年の節目にあたります。そんな中で発売された機種群がシリーズ史上最悪の機種になるとは誰も予想だにできなかったことでしょう。そのいずれも理由は異なるものの、ため息が漏れるほどのガッカリ度です。

まず、iPhone 8/8 PlusはAppleがかつてほどイノベーティヴなブランドでなくなったことの証左です。むしろ、この機種を出したことでAppleは「攻め」から「守り」に態勢を変えてしまっています。スペック上もSoCやモデムが変わったこと以外はiPhone 7/7 Plusとほとんど同じです。よって、iPhone 8/8 Plusはジェネリックな端末と化し、今までのiPhoneと同じスタイルの端末を求める方々のためだけに存在しているといっても過言ではありません。どストライクにいえば、日本の中高生やF1層を狙った端末です。

ここからが本題です。iPhone 8/8 Plusを売れなくした主犯、iPhone Xです。日本では2017年11月3日に発売され、ちょっとした社会現象になりました。そうです、日本市場ではかつて発売された端末(主に日本メーカー製)への心象の悪さから未だにAndroidへとんぼ返りできていない人がおり、最終的にiPhoneへ固定化されてしまった契約者が多いのです。実際は、心変わりしてAndroidへとんぼ返りした方々からは、Androidがおおむね好意的に見られているようですけどねえ…。

そのため、先進諸国では圧倒的にAndroidが高いシェアを誇っているのに対し、日本ではiPhoneの一人勝ち状態が長らく続いています。これはかつてのメインフレーム市場で一強を誇ったIBMを喩える際の「白雪姫と七人のこびと」と同じ状態で、日本ではAppleが白雪姫、そしてAndroid陣営が小人というわけです。それゆえ、日本ではiPhoneの新機種が注目を集めることを余儀なくされています。実際、iPhone 8シリーズ、iPhone Xの両方とも発売当日にテレビニュースになったほどです。

iPhone 8/8 Plus/Xともいずれも基本的なスペックは同じです。SoCはApple A11 Bionicへ進化しており、むしろSnapdragon 835 MSM8998を大きく凌駕するスペックになっていました。CPU部はSnapdragon 808 MSM8992のように低負荷処理用のクアッドコアと高負荷処理用のデュアルコアの2クラスターで構成されるbig.LITTLE処理を採用したヘキサコアCPUを採用。GPUは長らく採用してきたPowerVRに代わり、Apple自社設計のトリプルコアGPUとなりました。この頃話題を集めているディープラーニングに対応しており、実際にニューラルエンジンと呼ばれるAI処理回路が搭載されていました。シャープのエモパーがソフトウェアでAIを実現したのと対照的に、AppleはハードウェアでAIを実現しています。RAM容量はiPhone 8が2GB、iPhone 8 Plus/Xが3GBとなっていました。年々カーネルが肥大化していくiOSに対応すべく、ストレージ容量は64GBと256GBの2種類となりました。

Iphone_x

とりわけiPhone Xが注目を集めることになった理由はシリーズ初となったそのベゼルレス設計にあるでしょう。本体サイズいっぱいにディスプレイが搭載されています。とはいえ、それ自体は斬新なものではなく、既にGalaxy S8/S8+LG G6/V30などでも採用されていた設計でした。このベゼルレス設計を実現するため、シリーズで初めて有機ELディスプレイが採用されることになりました。iPhone 8/8 Plus/X発売に合わせて開発されたiOS 11も、本格的にベゼルレス設計を念頭に置いた設計になっていました。このような先進性から、株式会社インプレス主催の読者が選ぶケータイ of the Year 2017のトップに輝いた端末でもありました。

iFixitのレポートによれば、iPhone Xは非常に興味深い設計になっており、マザーボードは多層基板となっているうえに両面にびっしりとデバイスが実装されており、その一部はなんとBGA(はんだボール)により固定されていたそうです。バッテリーも、その多層基板を限られたスペースに収めるべく、スマートフォンとしては珍しく2セルバッテリーを搭載していますが、実態としては並列接続となっていました。iPhone Xのこのような高集積化は今に始まったことでなく、MacBookシリーズの基板小型化のノウハウが活かされているようです。

この設計のためにホームボタンが廃止され、様々な操作は後述するようなハードウェアキーの組み合わせや画面操作で代替されることになりました。つまり、ヘッドホン端子に次いでiPhoneの象徴だったものがまた1つ消え去ったのです。また、ホームキー廃止の影響で指紋認証であるTouch IDも廃止され、その代わりに顔認証によるFace IDが新たな認証システムとして組み込まれました。

iPhone Xは非常に凄まじい設計ではありますが、純粋にスマートフォンとしてみた場合はかなり辛辣な見方しかできません。ベゼルレス設計に挑んだのはいいですが、そのために操作性を犠牲にしてしまっています。本体サイズいっぱいの画面を実現するのは現在の技術では限界があったのか、画面上部のパーツの部分に切り欠きができてしまったかような歪な画面になってしまいました。スクリーンキャプチャーではその部分も補完されますが、結局何も映らないようです。

特にユーザーを困惑させることになってしまったのがその操作方法です。Androidならば画面上に表示するナビゲーションバーがあるためにハードウェアキーを最低限搭載していてもこれらで様々な操作を補完できますが、iOSはその搭載すら念頭に入れていないユーザーインターフェイスだったため尚更問題になったのです。一言では説明しきれない操作が非常に多いので、こちらで主だった操作が紹介されていますので参照してください。説明された上で実践して初めてわかる操作が非常に多いのです。

一方で、iPhone 8/8 Plusも主に、深刻な品質問題を抱えていました。特に、iPhone 8 Plusで顕著にみられた現象で、使い始めてから少しも経っていないのにバッテリーパックが膨らみ、画面が装着されたフロントパネルが開いてしまう現象が多発してしまいました。中には買ったその地点で既に膨らんでいたケースもあり、非常にクリティカルな欠陥といえるものでした。そのため、一時ははまぐりスマホと皮肉られていたほどでした。

このようにイノベーションに固執するあまり、iPhone Xは非常に使いづらい端末になってしまったうえ、どのバリエーションも10万円以上という高嶺の花になってしまいました。これによって生じた問題として、分割払いで機種変更しようとしても精密審査で一括払いでの端末代金の清算を求められ、懐具合から敢え無く機種変更を断念した契約者が相次いだことでした。実際、お膝元の北米でもその高さから経済アナリストの評価はかなり辛辣で、本当に買うべきなのか疑念を抱くメディアも少なくありませんでした。iPhone 8/8 Plusもまた、高い価格の割に安作りの目立つ端末でした。iPhone 7で廃止されたヘッドホン端子もとうとう復活することがなく、まさに改善すべき点を放棄したまま斜め上に進化してしまったのが悔やまれます…。

以下は言わずにいられないと思いながらもオブラートにくるんできていましたが、敢えて話したいと思います。

Appleは数多のイノベーションを生むために数多の犠牲を払っています。一時はiPhone特需に沸いていた日本の部品サプライヤーも今や、Appleの経営方針に疑念を抱き部品供給から引き揚げる向きにあります。基幹技術に携わるメーカーであっても容赦なく足を切ってしまう悪態まで働いており、前述のPowerVRのライセンシー、Imagination TechnologiesですらAppleが自社開発GPUを開発する方針に転換したあおりでAppleから切られてしまった企業の1つです。その影響で同社の株価が暴落するなど、切られたサプライヤーに待ち受けているのは地獄そのものです。故に、地獄に堕ちる前に部品供給を引き上げたサプライヤーは賢明な判断をしたといえるでしょう。

極めつけは製造現場。明らかに明るい話題が少なく、製造を受託しているEMS業者の従業員の自殺が今なお相次いでいます。どうも劣悪な労働環境のようで、しかもそれをAppleがEMS業者に強いているらしく、余計タチが悪いです。このような体たらくですので、Appleはクソケータイメーカー・オブ・ザ・イヤー2017にふさわしいといえるでしょう。ある意味日本のそれよりもタチの悪いブラック企業です。こういう事実を包み隠しながらiPhone Xの提灯記事ばかり展開するマスメディアや大手ITメディアにも筆者はかなり辟易されました。これではまるでiPhone翼賛会です。

では、追記にて幸いにも(?)次点とどまりになった端末を紹介します。

[幸いにも次点入りにとどまった端末]

■ワーストサポート賞
NuAns NEO [Reloaded]
(トリニティ株式会社)
―デザインは最高、スペックはまあまあ、だが、サポートは最悪!

Nuans_neo_r

スマートフォンケースメーカーであるトリニティが発売したSIMフリー端末。2016年に発売されたWindowsスマートフォン、NuAns NEOをAndroid化したものといえる。本体はCOREとして発売されているが単体で使用できず、ユーザーは下の画像にもあるようにたくさんある中から選んだバックパネルまたはフリップケースに収めた状態で使うようになっていた。これによって自分だけのカラーリングのスマートフォンが持てることが売りになっていた。

Android対応ということで、おサイフケータイにも対応していた。スペック上はarrows NX F-01Jに近く、Snapdragon 625 MSM8953(Cortex-A53 2.00GHz×8コア)搭載、RAM3GB、ROM32GB、5.2型フルハイビジョンIGZO液晶と過不足のないものだった。

Nuans_neo_r2

[NuAns NEOはバックパネルを自分で選べるのが売りだった、はずなのだが…]

一方で、メーカーサポートの杜撰さがネットに知れ渡ったことで大炎上を起こしてしまった。修理に出したものの長らく戻って来ず、1か月費やした揚句結局本体交換になってしまったユーザー、香ばしい社長のツイート、公約を反故にする、セキュリティアップデート遅延の過程で中国メーカーへのODMが判明など、悪い意味で話題になってしまった。それでも昨年発売の端末でやらかしたプラスワン・マーケティングよりはマシかもしれないが…。

■スイーツ(笑)賞
rafre KYV40
(京セラ株式会社)
―洗えるスマホ再び、しかして…

Kyv40

昨年発売されたDIGNO rafre KYV36の後継機。rafreとはフランス語で「クール」を意味するrafraîchir(ラフレシール)が由来の造語である。この頃、京セラはau向け端末においてDIGNOブランドからの脱却を目指しているらしく、この端末もやはりDIGNOブランドから独立した機種となった。前作と同じくハンドソープでも洗えることやソニックレシーバー搭載を売りにしている。SoCはSnapdragon 430 MSM8937へ進化し、スペック上は底上げがなされた。

しかし、レスポンスは緩慢、2017年発売機種なのに悪い排熱など、前時代的で往年の出来の悪かった時代の国産スマートフォンを彷彿させる挙動が目立った。但し、端末アップデートが長らく放置されていたKYV36と比較すると、サポート面で若干改善の兆しはある。

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コメント

>>マグマ大佐殿
iPhone Xの評価は知人曰く、「ファミ通のようだ」とのことでした。どういうことかはお察しできるかと。
この機種はシンプルさだけでなく、誰でも遍く手が届く価格ではなくなったので「普遍性」も捨ててしまったのだと思います。
コモディティ化した今となってはスマートフォンに10万以上かける時代ではもはやなくなりましたからね。

むしろ、iPhoneはMacBookのように高級路線に傾かざるを得なくなったといえるでしょう。
もう中高生やF1層がおいそれと手にできなくなった代物なのになぜ欲しがるのか、不思議でなりません。

iPhone X購入者のブログ記事はことごとくマンセーばかりで本当はどうなのか全く分かりません。
まぁiPhoneマンセーなブログは前からそうですが。
Androidと両刀使いのブログでもそうだったりはしてますが、高い買い物してますから完全否定にはならないのは致し方ないので割り引いて読んでも、iPhoneのシンプルさを捨てた先にあるものまで書いてるブログは見つけられませんでした。

実際のところ自分で買ってみないと分かりませんねぇ。
高いから買いませんが。
シンプルさを捨てて、いや捨てて無いのかもしれないけど、どこへ向かおうとしてるのか伝わる端末なのかどうか。
iPhoneだからこそそこを期待してしまうのですけどね。

う~会社端末変えてくれんかな。

>>パナ好きっ子さん
iPhone XのFace IDデバイスはなんと、Kinectを開発した企業を買収して搭載にこぎつけたみたいです。技術だけのために買収するのもやり口が隣国のメーカーみたいでなんだかですね。

TORQUE X01はまあ…メーカーが違うから完璧にG'zOneと同じになれないので「代替品」と割り切るべきでしょう。

iPhone Xの顔認証 セキュリティの低さと 顔認証に必要な部品 簡単に
壊れる(;^_^A

京セラ G'oneみたいのガラホ発売したけど 使用しづらい 機能が やっぱりニセモノです(;^_^A

G 'one使用していたから これじゃない感が ありました(・_・;

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