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2016年12月29日 (木)

筆者の選ぶクソケータイ・オブ・ザ・イヤー2016

2016年12月28日、本家大元から読者が選ぶケータイ of the Year 2016が発表されました。今年は4年ぶりにAndroid端末としてXperia XZ SO-01J/SOV34/601SOがキャリア端末部門のトップに輝きました。

Xperia_xz


インプレスによればAndroidが成熟の域に達したことを伺わせる端末であると評されています。クアルコム独自開発に戻った64bitのマイクロアーキテクチャーKryo(クライオ)採用のヘテロジニアスクアッドコアチップ、Snapdragon 820 MSM8996(2.15GHz×2+1.60GHz×2、Adreno 530)によりハイエンド機らしい良好なユーザーエクスペリエンスの提供を実現しています。そのほか、複数のセンサーを併せてより高速なピント合わせを実現したカメラ、放熱プレートも兼ねた新素材のバックパネル、これからの業界標準I/OとなるUSB Type-Cに対応する一方で充電制御を工夫することでバッテリーに優しい充電を実現するなど、ハイエンドスマートフォンならではのこだわりが詰まった1台でした。実のところ、筆者も年明け後にこの機種への変更を予定しています。Xperia X Performanceが想像よりも良かっただけに、実機を手にするのが楽しみです。

いよいよ、2016年に発表された中で最もイマイチだったスマートフォンを発表したいと思います。これまでの傾向を振り返ってみると、こんな感じでした。

・使うのも苦行なのにアップデートする度に充電が必須でなおかつ最長2時間も使えなくなる機種
・理想ばかり突き詰めてスマートフォンの基礎がガタガタになってしまい、最終的にメーカーを自滅に追いやりガラホ開発への望みを潰してしまった機種
・国産LTEモデム計画の挫折とともに儚く散った機種
・単体で安く売れたはずなのにゴミスペックのワイヤレススピーカーとの抱き合わせ販売で高額端末と化したミドルレンジ機
・普及する見込みがないのにGeek向けと銘打って、一般受けしないスペックと戦略をとったことで不興を買ったFirefox OS機

筆者の選ぶクソケータイ・オブ・ザ・イヤー2015の不名誉に輝いてしまったFx0 LGL25は今、大変カオスなことになっています。なんとSIMロックを解除され、海外へ転売されてしまっています! (参考記事) 実際に、参考記事ではカスタムROMを焼いてAndroid端末として運用してみた結果も掲載されています。関心のある方はぜひご覧ください。本来はグレーゾーンの運用法ですが、これによってAndroid端末として延命を図ることもできます。もちろん、公式サイトは放置プレイ状態で、ハッカソンも打ち切りエンドです。

さて、2016年に発表された中で最も不名誉な称号を得ることになってしまうスマートフォンは一体どれでしょうか? 発表はこの木なんの木の後すぐ…ではなく、続きをご覧ください。

※あくまでも2016年に発表された端末の中で最もイマイチなだけで、問題なく使えたり何らかの工夫があれば快適に使えるようになりますのでご安心ください。

[残念ながら…]

大賞: Apple iPhone 7/iPhone 7 Plus
(Apple Japan合同会社)

―日本市場での慢心と海外市場での焦りが顕になった、iPhone史上最低駄作

Iphone_7_family


残念ながら巨星堕つ、ということで、日本におけるスマートフォンの代名詞、iPhoneシリーズの最新機種であるiPhone 7/iPhone 7 Plusがこの不名誉な称号を得ることになってしまいました。かつてのiPhoneシリーズは故・スティーヴ・ジョブズCEOの哲学の塊でしたが、iPhone 6以降はそれを反故にするかのような進化を遂げてしまいました。

[選評]

iPodシリーズで一山当てたAppleのスティーヴ・ジョブズCEOは自身が構想をしたためてきたフルタッチ操作を実現したスマートフォン、iPhoneシリーズも大ヒットに導きました。ジョブズCEOはあくまでも、発売当初のサイズを保ったまま機能を進化させる方針でした。しかし、iPhone第1の集大成かつシリーズ最高傑作との呼び声が今なお高いiPhone 4sの発表を見届けてからほどなく息を引き取ってしまいます。多くのiPhoneユーザーはジョブズCEO亡き後のiPhoneの方向性を心配していましたが、図らずしもその悪い予感は的中してしまうことになりました。

こうしてAppleの経営はジョブズの右腕と呼ばれたティム・クックCEOに委ねられることになりますが…当面の間はジョブズ氏の哲学を守りつつ進化させてきました。iPhone 5ではシリーズ初のLTE網に対応しましたし、iPhone 5sではセキュリティ強化のために指紋センサー内蔵ホームボタン、Touch IDを搭載。複雑なアルゴリズムに対応させるべく、OSやプロセッサーを64bit化していきました。ここまでは、ジョブズ氏の哲学はiPhoneに残っていました。が…

その間、Androidはハードウェアの進歩やOSカーネルの最適化により劇的に安定へ向かっていきました。これは、多くのメーカーが参入して互いに市場競争を繰り広げていった結果であり、まさに切磋琢磨による賜物でした。一方のiPhoneは一匹狼状態。ハードウェア面ではずっとデュアルコアチップと1GBのRAMにこだわり続けていきました。肝心のiOSはバージョンアップを重ねるたびに新機能が追加されていきましたが、一方で不安定さは徐々に増していきました。

それでも日本市場で売れていたのには訳があります。スマートフォンの先駆者としてのイメージ作りに成功したこと、一旦予約したら原則キャンセルできないようにした購入システム、あからさまな通信料値引きによる優遇、そして、Androidにとっては暗黒時代と評された2011~12年に発売されたスマートフォンユーザーを取り込むことに成功したことでしょう。実際、当時iPhoneを扱えなかったドコモはAndroidとともに暗黒時代を経験しており、独り負け状態が続いていました。この難局は、ドコモがiPhone 5s/5cの取り扱いを始めるまでしばらく続きました。

しかし、2014年に発売されたiPhone 6/iPhone 6 Plusからスティーヴ・ジョブズ氏の築いてきた哲学を反故にし始めます。ステンレスシャーシの採用をやめ、切削加工シャーシの採用により画面の大型化や薄型化を図りました。しかし極限まで薄くし過ぎたようで、出っ張ってしまったカメラやその薄さゆえの曲げへの弱さ、画面が大型化してもなお相変わらず1GBしかないRAMのやりくりのために緩慢と化したレスポンスが不評を買ってしまいました。2015年発売のiPhone 6s/iPhone 6s Plusはシャーシの素材変更で剛性が増し、RAM容量の増加により全体的なユーザーエクスペリエンスが改善するなど、何とか評判が持ち直していきました。

こうしてジョブズ没後5年の節目に発売されたiPhone 7/iPhone 7 Plusは無残なことに、ジョブズ氏の哲学を全否定した醜いスマートフォンとなってしまいました。その最たるはヘッドホン端子の廃止でしょう。iPhoneにヘッドホン端子が搭載されていた事は携帯音楽プレイヤーからスマートフォンへ進化していったことの名残でしたが、体よく開口部を減らすためリストラされてしまいました。そのためにLightning-ヘッドホン変換アダプターが付属していますが、わずかながらノイズが載ってしまうことが気になったユーザーも少なくなかったはずです。Appleの目論見としてはBluetoothオーディオを積極的に使ってほしい、ということですが、iPhoneで用いられているAACコーデックは可聴域を全域カバーできていません。これでは、昨今の流行りとなっているハイレゾ音源を楽しむには不向きです。

また、iPhoneのアイデンティティだったホームボタンは表面のカバーガラスとほぼ同化しており、3D touchの技術を応用した感圧式センサーとなりました。強くタップするとフォースリアクターによるフィードバックが与えられるようになっています。これに関連してロック解除操作がホームボタンのタップに変わりました。カラーは従来の4色に加えジェットブラックがラインナップされましたが、光沢あるジェットブラックの仕上げには相当な手間とコストがかかるため、結果として端末価格を吊り上げる要因となってしまいました。今でもジェットブラックに限り、品薄状態が続いています。

今までデュアルコア構成を貫き通してきたチップセットも、時代の趨勢に勝てずとうとうbig. LITTLE処理を採用することになります。Apple A10 Fusionと名付けられ、普段は低負荷処理用のLITTLEコアで動作し、ゲーミングなど高負荷処理のコンピューティングにはパフォーマンスの高いbigコアも用いるようになっています。A10はbig側2コア+LITTLE側2コアと、Apple Aシリーズ史上初のクアッドコアチップとなりました。また、ストレージ容量もiOSカーネルの大型化に伴い16GBモデルが廃止され、32GB、128GB、256GBの三本立てとなりました。iPhone 7 Plusでは画面サイズのほかにスペック面で差別化が図られました。RAMは3GBに増え、カメラも異なる焦点に対応したデュアルカメラ構成となりました。ワンタッチで画角を切り替えられることは非常に便利といえるかもしれません。

特に日本市場で驚嘆の声が挙がったのはApple Pay対応という点です。元々、Apple PayはNFC決済機能を用いて対応するため、NFC用のインフラが整っていなかった日本ではどうしても対応できないだろうとの観測が飛び交っていたのです。その問題点を解決すべく、日本ではFeliCaを用いてApple Payへ対応することになりました。実は読み取り精度や速度では、元々交通系電子マネーでの使用が想定されたFeliCaのほうに分があります。そのためにFeliCaアンテナから強い電波を放出する必要があり、本体背面に「総務省指定」の刻印がなされることになりました。

しかし、これらの要因が重なり、端末価格も非常に高額になってしまいました。10万円を超えると精密審査になってしまうため、いくら分割を望んでも条件によっては一括の一点張りにされてしまう契約者も多く、その高額さから泣く泣くiPhone 7ファミリーへの機変を諦めた歴戦ユーザーも相次いだそうです。また、Apple Payの仕様が災いし、日本市場で発売されるiPhone 7ファミリーは事実上日本専売モデルになってしまいました。FeliCaとNFCを排他対応としてしまったことで(但し両方とも搭載されてはいる)、日本版iPhone 7ファミリーのユーザーは海外でApple Payを利用することができなくなってしまっていました。また、「総務省指定」の刻印も、政府のお墨付きを与えられた端末だという勘違いを招くこともありました。

最もネックになっているのはiOS 10の安定性です。Apple初のbig. LITTLE処理採用チップ搭載ということも重なって非常に不安定な挙動を示すようになってしまいました。また、Apple A10のコア制御がイマイチ練られていないからなのか電池持ちも以前より況して悪化しており、むしろAndroid端末のほうが良好という本末転倒な有り様になってしまいました。Android 6.0では一定期間動作しないアプリを停めるDozeモードにより、自ずと電池もちがよくなっていたのです。

このように、あまりにも日本市場に媚びすぎたことでガタガタになってしまったApple Pay周り、携帯音楽プレーヤーが出自というアイデンティティを否定したヘッドホン端子の廃止、あまりにもAndroid端末を意識しすぎてチューニング不足のスペックという三重苦が、iPhone 7/iPhone 7 Plusを筆者の選ぶクソケータイ・オブ・ザ・イヤー2016として選出する決め手となりました。

今まで、中高生やF1層(20~34歳女性)にとってはスマートフォンと言えば事実上iPhone一択でした。これは、対応ケースやアクセサリーがAndroid端末と比べて非常に充実していたことや、みんなと同じ端末を持っていることで安心感を得てきたからです。逆に、Android端末を持とうとすると疎外されるような風潮があったようです。しかし、このようなユーザーは我に返り、iPhone 7/iPhone 7 Plusへの機種変更を見送ろう、という向きになったようです。

最近のAppleは品質管理が徐々にガタガタになりつつあります。特に深刻なのは最新型MacBookにおけるGPUが原因の画面ちらつきの不具合が目立ってきたことです。それ以外の不具合も多く報告されており、ハイスペックかつ高級感あるガジェットに定評があったAppleらしからぬ失態をやってのけています。それに対するAppleの塩対応もますます酷くなりました。このような対応ではユーザーからの信用が失墜するだけです。Appleには何卒、ものづくりとはいかなるものかを改めて自問してほしいと思っています。

続いて、幸いにも(?)次点にとどまった端末を紹介しようと思います。

■次点

ディストピア賞: Disney Mobile on docomo DM-01H
(シャープ株式会社)

―夢の国にたどり着くまで、修羅の道を歩まざるを得なくなるスマートフォン

Dm01h

(C)Disney

4.7型ながらフルハイビジョン液晶搭載のAQUOS Compact SH-02Hがベースとなったディズニーとのコラボモデル。プリセットコンテンツがディズニー尽くしだったのだが…ユーザーが見たのは夢ではなく悪夢だった。

その独自コンテンツや独自機能が足かせとなって、ハイエンドモデルがベースなのにもっさりとした挙動、オリジナルコンテンツのために残量が足りなくなってしまった内蔵ストレージと、とにかく普通のスマートフォンとして快適に使うには不向きだった。SH-02Hと同一スペックなのにこんなはずでは…。

アンバランス賞: Qua Phone KYV37
(京セラ株式会社)

―コストパフォーマンスもメーカーサポートもガタガタの、確信犯の売り逃げ機種

Kyv37


MONO MO-01Jがキャリアオリジナル端末の成功例ならば、こちらは失敗例というべきだろう。DIGNO rafre KYV36がベースの、auオリジナルスマートフォンだった。当時のミドルレンジ機のお約束といえるスペックだったが…。

安定性がすこぶる悪く、また、ユーザーの大半がスマートフォン初心者ということもあり、キャリア端末の中では圧倒的にサポートの質が悪かった。また、数多の不具合が報告されているにもかかわらず端末アップデートすら提供されることなく放置され、OSバージョンアップも拒絶され、ユーザーを散々イライラさせてきた。やはり、企画・発売元のKDDI株式会社と開発・納入元の京セラ株式会社との間に一悶着あったのではと邪推せざるを得ない。

ベーパーウェア賞: UPQ Phone A02
(株式会社UPQ)

―とうとう発売することなく年を越すことになってしまった見えてる地雷

Upq_phone_a02_2


本来なら、今年中に予備機として手元に置いているはずだったという方も少なくなかっただろう。実は、昨年発売された激安SIMフリー機、UPQ Phone A01Xを巡る問題により発売が延期となってしまった。日本で企画された端末として珍しく、こちらもUPQのセオリー通りデュアルSIM対応となっている。もし、発売されたならAndroid 6.0をインストールし、ミドルレンジ端末のツボを押さえたスペックに仕上がっていたはずだった。

その発売未定となる原因をつくったのが、皮肉にもUPQ Phone A01Xの発火事故。その際に、UPQが発売元ではなく輸入事業者と発表されたことも大きく波紋を呼んだ。その中で、UPQはモーターバイクやディスプレイ、アクションカムなど、携帯とは無関係の製品ばかり発売している。こうしているうちに消費者からの関心や信用を落としてしまっているので、来年こそはユーザーをうならせる製品企画に力を注いでほしいものだ。そして、A02もA01Xを上回るユーザーエクスペリエンスを提供できる端末であることを願ってやまない。

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コメント

あれっ(;^_^A
大賞は SAMSUNGのGALAXY S7 noteだと 思ってたんだけど 違ったかなあ~(;^_^A


最終的に 使用出来なくなる アップデートで 文鎮化してしまったスマホなんけどなぁ~σ(^_^;)?


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