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2016年3月

2016年3月23日 (水)

そんなサイズで大丈夫か?

日本時間2016年3月22日未明、AppleからiPhone SEが発表されました。日本市場では2016年3月24日に予約受付を開始し、2016年3月31日から発売されます。キャリア版はいつも通りNTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンクで発売。それに加えてAppleストア経由でSIMフリーモデルも発売されることになっています。

で、そのデザインですが…

Iphone_se

iPhone 5sそのまんまじゃん!

大方の下馬評ではiPhone 6/6sのような曲面ガラスを採用するデザインになると思われていましたが、実際は見ての通り、5sと全く同じデザインになりました。これに伴い、2年半続いた5sの生産・販売は終了となり、iPhone SEへ引導を渡すことになります。なお、iPhone 5s専用アクセサリーもそのままSEに流用できます。

あまりにも売れず、日本市場でも中古のヌシと化してしまったiPhone 5cの反省は少なからず生かされていると思います。が…、筆者は後述の理由からiPhone SEがiPhone 5cに代わる新たな中古のヌシと化してしまいそうだと懸念を抱いています。iPhoneシリーズは同時期のスマートフォンに比べて下取り相場も高くリセールバリューも高めですからね…。

カラーバリエーションはiPhone 5sの3色にローズゴールド(ピンク)を加えた4色展開。SIMフリー版の現金価格はいずれも税別で16GBモデルが52,800円(税込57,024円)、64GBモデルが64,800円(税込69,984円)となります。キャリア版は(現金価格が)いくらになるのでしょうか…。

iPhone SEを一言でいえば、最新スペックになったiPhone 5sです。但し、iPhone 5sの設計やシャーシを流用しているためなのか、一部機能が5sと共通していたりします。大まかに進化した点は、実はチップセットとカメラ周りぐらいで、それ以外は適材適所の進化にとどまっています。また、通信機能は搭載しているモデムチップの仕様上5sより若干進化が見られる程度で、VoLTEに対応する一方でキャリアアグリゲーション(CA)などを応用したLTE-Advancedには対応していません。細かなところでは、auのWiMAX2+やソフトバンクグループのAXGPにも対応しています。

操作面でもiPhone 6sの特徴だった3D Touchへの対応は割愛されている一方で、これから日本でも展開が予定されているNFC決済サービスの一種、Apple Pay対応のTouch ID(指紋センサー)がホームキーとして搭載されます。チップセットはApple A7+M7からM9統合のApple A9に、カメラが8メガピクセルから12メガピクセルへ進化しています。これに伴い、このサイズのスマートフォンでは珍しく4K動画(3,840×2,160pixel)が撮れるようになりました。画面もiPhone 5sと同じく4.0型Retinaディスプレイで、1,136×640pixelとなっています。この解像度にしてはRAM容量が2GBもあるため、ユーザーエクスペリエンスの面ではiPhone 6s/6s Plusを上回るかもしれません。

Iphone_se_2

iPhone SEを投入するAppleの狙いとしては新興国市場での売上拡大が挙げられていますが、実際には副次的な効果として日本市場で巻き返さんとす下心が見え隠れします。実はノーマルモデルが4.0型から4.7型へ大型化した頃から日本市場では使いづらいとの声が挙がっていました。実のところ、日本のiPhoneユーザーには3.5型または4.0型でなければ欲しがらない保守的なユーザーも少なくないのです。一旦iPhone 6/6sにしたが、やっぱり使いづらく4.0型のiPhoneを切望していたユーザーも少なくないことでしょう。

また、iPhoneはバカ売れしていた当時は円高のあおりを受けていたのですが、円安に突入してしまった今では一部キャリアにて希望するバリアントを選択しても割賦販売法、つまり10万の壁に立ちはだかり審査で落とされて泣く泣くあきらめざるを得なくなる…そんな世知辛い世の中になってしまったのです。一応、ドコモだけ全機種同額に設定して月々サポートを変額させることで、全機種10万の壁をかわせていますが…。

今回の発表会は完全新設計の機種なら盛り上がったでしょうが、見た目はiPhone 5s、中身はiPhone 6sといったスマートフォンや見た目はiPad Air 2、中身はiPad ProのiPad Pro 9.7といったタブレットばかりでは冷や水を浴びせられるのはAppleも判っていたはずです。それを承知で発表したのはやはり、高級路線ではハイコストパフォーマンスを売りにしている中国メーカーにかなわなくなってきて焦燥しきっているからでしょう。それほどAppleは焦りを隠せずにいられなくなっています。

今となってはシャープのAQUOS Compact SH-02Hなど、iPhone SEより一回り大きめで4型台のフルハイビジョン機が手に入ってしまう時代なので、手が小さめなので最近の機種は使いにくいなど、どうしてもこのサイズにこだわりを持つ人でなければお勧めしにくい代物ではあります。本格的に使い倒すのであれば64GBモデル一択になるでしょう。16GBモデルは本格的に使い倒すには不向きで、電話・ネット・メール・ソーシャル中心ならなんとか使えるだろうと思います。

そのため、キャリアにとってはとても扱いにくい案件になるかもしれません。なぜなら、16GBモデルがiPhone 6sとの共食いに発展しかねないためです。64GBモデルもやはり同じことを懸念しています。禁じ手とされる実質0円又は一括0円案件の餌食にされるようでは身も蓋もありません。これでは何のために当局が議論してきたのかが水泡に帰してしまいます。キャリアが販売する際は、ぜひとも適正な価格で取り扱ってもらいたいものです。

今回の発表でAppleはすっかり守りの姿勢に入ってしまったわけで、いつもの攻めのAppleは鳴りをひそめてしまっていました。らしくないですね。一体どうしちゃったのでしょう? 鬼才スティーヴ・ジョブズ氏を失った代償は余りにも大きかったのかもしれません。

[2016.03.23更新]
実は、AppleのiPhone/iPad新機種発表は今回の発表会に付随したもので、実際はAppleの将来のビジョンを明かす発表会となっていました。詳細は以下を参照。

[Impress Watchより]
iPhone SEとiPad Proから見える「アップル40年目の変化」

2016年3月10日 (木)

毒林檎を盛られ、ヒカリ・リセッションへ

株式会社NTTドコモが2016年3月9日にWebサイトをリニューアルしました。これまでは各デバイス専用サイトにリダイレクトされていましたが、リニューアル後はマルチデバイス対応となり、たとえばスマートフォンからアクセスする際にリダイレクトされた[smt/]のパスがきれいさっぱりなくなっていました。これによって、やっとtwitter上に引用してつぶやく際に[smt/]のパスを削除する手間がなくなりましたよ…。

変更点はこれだけにとどまらず、dアカウントを紐付けした端末ならばそれに対応した回線情報が提示されるようになりました。dメニューから直接my docomoへアクセスできるようにもなり、ネットワーク暗証番号を入力して認証するだけでオンライン手続きができるようになりました。ホント、こうした細々とした使い勝手の改善といい、ドコモの気遣いの良さに惚れぼれします。なお、iPhoneを含めた指紋認証対応端末ではそれを使ってログインできるようになっています。最新機能がこうして活きていくのって素晴らしい。

[株式会社NTTドコモより]
ドコモウェブサイトをリニューアルします

ドコモウェブサイトリニューアルのお知らせ

閑話休題。ソフトバンク株式会社も、2016年3月8日にAndroid 6.0バージョンアップ対象機種を発表しました。これで大手キャリアのAndroidバージョンアップへの対応が一通り発表されたことになります。が…

ごらんの有り様だよ!

対象機種ですが…以下、たったの3機種のみでした。それ以外の機種は未定か、バージョンアップを行わないことになります。

Galaxy S6 Edge (32GB/64GB) 404SC
Xperia Z4 402SO/Xperia Z5 501SO

一方で、今回のOSバージョンアップ対象から外れたAndroid 5.x機は以下の通りです。筆者は、間違いなくソフトバンク版Xperia Z3には2度目のバージョンアップが配信されると思っていたのですがねえ…。これはドコモ版(SO-01G)の結果次第、かもしれません。わずかな可能性に賭けるしかありません…。
なお、Android 4.4以前の機種に関しては当然のごとく放置プレイ状態です…。

Lenovo TAB2 501LV
AQUOS ACRYLCRYSTAL 2 402SH/AQUOS Xx 404SH
AQUOS Xx2 502SH/AQUOS Xx2 mini 503SH
Xperia Z3 401SO


この凄惨たる有り様を見ていると、ドコモを別とすればスマートフォンユーザーにおけるiPhoneとAndroidの比率が2:1のauもまだまだマシなほうだなあ、と思います。一説によれば、ソフトバンクのスマートフォンユーザーに占めるiPhoneユーザー率はなんと9割! つまり、ソフトバンクの全契約のうちわずか数百万契約しかAndroidユーザーがいないことを意味します。ソフトバンクはプリペイド契約やモジュール契約の比率も高めなので数百万とは簡単に言いますが、実際のAndroidユーザー数は200万契約を超えるのがやっとでしょう。筆者の身近にもAndroidユーザーのソフトバンク契約者がいるんですが…。やはり、Androidユーザー数が少なかったからこそバージョンアップしにくかったのでしょう。

それもさることながら、全般的にシャープ機の扱いが酷すぎます。auにおける京セラ機よりも酷い有り様です。auはG'z Oneに代わるスマホとして根強い需要があった耐衝撃スマホ、TORQUE G02 KYV35に対してのみながらもAndroid 6.0バージョンアップを実施すると発表して良心を発揮したのに、ソフトバンクはシャープ機のバージョンアップをほとんど拒絶しています。ここまで来ると確信犯だろと思わずにはいられません。

ソフトバンク向けのシャープ機に対しAndroidバージョンアップが実施されたのは2012年冬に発売のPANTONE 6 SoftBank 200SHが最後だったと記憶しています。あちらは発売から4か月ほど経ってからと、異例の早さで実施されていました。一方、同時発表で2013年春発売のAQUOS Xx SoftBank 203SHはバージョンアップされることなくあっさりと捨てられました…。

J-PHONEやボーダフォン時代はシャープ王国と呼ばれたのも今や昔の話になってしまいました。iPhoneを優先して販売しながらもAndroidユーザーに一定の理解があるauとは異なり、ソフトバンクは完璧にiPhoneに毒されているようです。ソフトバンクはiPhoneを使わない奴は客じゃないとでも思ってるのでしょうか? きっと、ソフトバンクはiPhoneが売れなくなってきたらAppleと心中するつもりでしょうね。そして、(主にシャープの)Android機をわざとバージョンアップさせないことでソフトバンクのAndroidユーザーに最新機種への変更を強いる…本当にThis is not good for the marketです。

それに拍車をかけるように、ソフトバンク株式会社はシンプルスタイル(プリペイド契約)やY!mobileを通して売れ残ったAndroid機の在庫処分を進めています。Y!mobileで扱った途端に売れるようになったとの話も聞いたことがあるので、ソフトバンクのAndroid機の売り方がいかに下手くそなのかが伺えます。上記のAQUOS ACRYLCRYSTALシリーズに加え、フラッグシップ機のはずのAQUOS XxまでY!mobileで処分に遭っています。そうです…

ソフトバンクでiPhoneしか売れない
→販売店がAndroid機を売る気がなくなる
→どこも取り扱わなくなるので在庫がダブつく
Y!mobileやプリペイド契約で投げ売りするしかなくなる
→OSバージョンアップも放棄される


という悪循環に陥ってます。実際、国内メーカー各社はどんどんソフトバンクから離れていき、端末の納入を休止または中止するようになってしまいました。目立ってきたのが海外メーカー製端末になってきました。ブランド変更当初から国内勢に色眼鏡で見られていたソフトバンクでしたが、それにますます拍車がかかっています。

実はソフトバンク、Nexus 6Pの日本における独占販売権を獲得しています。そのNexus 6Pは5.7型WQHD(2,560×1,440pixel)有機ELディスプレイ、Snapdragon 810 MSM8994を搭載と贅を尽くしたスペックで、弟分でY!mobileおよびNTTドコモも取り扱うNexus 5Xと同じくUSB Type-Cコネクターと指紋センサーを搭載しています。実は筆者、ソフトバンクもNexusスマホを扱うようになったらAndroid勢への対応が、特にシャープ機の待遇がいい方向に変わると思っていましたが…

やっぱりソフトバンク。ちっとも変わってませんでした。

Nexus 5X発売後に発売機種のAndroid 6.0バージョンアップに向けてGoogle本社との連携をとったり、きちんとキャリアアプリのAndroid 6.0対応に向けた動作検証をやっていたドコモに対し、ソフトバンクはNexus 6Pを発売してもただ売りっぱなしで、キャリアメールへ対応するにとどまっています。元々自社で展開しているサービスが少なめなのか、キャリアアプリのAndroid 6.0対応も疎かにしているようでした。これはいくらなんでもNexusスマホを扱えないながらもある程度バージョンアップ対象機種のあるauとはえらい違いです。

シャープは経営再建案として、いくら作っても売れ残る上にバージョンアップの対象から外されるソフトバンク向けスマートフォンの開発から完全撤退すべきではないでしょうか、とも思いました。が…それでもシャープが完全にソフトバンクとの関係を断ち切るのは非常に困難を窮めます。というのも、35年前(1981年)のソフトバンク創業時から自動翻訳機に関する特許を買い取ってもらう、LCR回路を採用してもらうなど「利用」されてきたことや、この2社の裏で取引関係のある株式会社光通信とともに鉄のトライアングルを作って強引に結束させられているようなので、この2社による優越的地位の濫用さながらの取引によってシャープは不利な立場に立たされているのも事実ですから…。

つまり、シャープはソフトバンク向け携帯電話の納入から撤退しようにも、こうして取引先から束縛されているためにできなくなってしまっています。それどころかソフトバンクはシャープを道連れにするつもりでしょう。大船…いや、泥船に乗ったつもりで。

この有り様じゃ、「スマホたのしい」に矛盾するのではないでしょうか。あからさまなiPhone優遇にAndroid冷遇など、多くの取引先や契約者をコケにしたツケは既に契約者純減などの形でソフトバンクに表れてきています。この頃は得意の広告戦略でも、三太郎シリーズにお株を奪われてしまいましたからね…。それでもなお、ソフトバンクは不利に立たされていることをなかなか認めようとしていません。孫社長も自身の頭髪の危機…ではなく、ソフトバンクグループが借金漬けになっていることによるリスクを自覚してほしいです。

後ほど、各社のAndroidバージョンアップの考え方についてまとめてみたいと思います。

[ソフトバンク株式会社より]
Android 6.0 へのバージョンアップ予定のご案内

2016年3月 4日 (金)

越えられないMの壁

2016年3月4日、KDDI株式会社からAndroid 6.0バージョンアップ対象機種が発表されました。やはり、ドコモに歩調を合わせるように発表してきましたが、auのほうはどうもやっつけ感が否めないチョイスになっています。対象機種は同日現在で以下の通りです。それ以外の機種はバージョンアップ提供時期が未定か、バージョンアップを行わないことになります。

赤字の機種は2度目のバージョンアップが提供される機種を意味します。

HTC J Butterfly HTV31
TORQUE G02 KYV35
isai Vivid LGV32
Galaxy S5 SCL23、Galaxy Note Edge SCL24、Galaxy Tab S SCT21
Galaxy S6 Edge SCV31(32GB/64GB)、Galaxy A8 SCV32
AQUOS SERIE SHV32
Xperia Z4 SOV31、Xperia Z5 SOV32、Xperia Z4 Tablet SOT31


期待がいい意味で裏切られたドコモに対し、auは悪い意味で期待を裏切ってくれました。というのも、バージョンアップ対象機種はほとんど2015年夏以降に発売されたもの、肝心の京セラ機は一部を除きことごとく対象外、最新機種であるはずのAQUOS SERIE mini SHV33ですらあっさりバージョンアップから弾いてしまうというユーザーを小バカにすることを平気でやってのけてます。

ドコモ版で2度目のバージョンアップが決まったXperia Z3のau版、SOL26までバージョンアップ未定です。この機種は2015年夏商戦で売れまくった機種なのですが、それなのにこのザマです。KDDI株式会社の上層部はなぜZ3が夏商戦で売れたのか分かってないですね。au版Xperiaではかなり売れた部類なんですがねえ…。忌々しきStagefright問題への対策をきちんとやってくれたとはいえ、SOL26のAndroid 5.0バージョンアップが大幅に遅れてしまったことも惜しまれます。

なお、今回のOSバージョンアップ対象から外れたAndroid 5.x機は以下の通りです。青字は工場出荷時、Android 4.4以前だった機種です。以下の機種の中でもバージョンアップの可能性がわずかながら残されている機種がないわけではないです。

HTC J Butterfly HTL23
Qua Tab 02 HWT31
URBANO V02 KYV34、DIGNO rafre KYV36
Qua Phone KYV37、Qua Tab KYT31

isai FL LGL24、isai VL LGV31
Galaxy Note 3 SCL22
AQUOS SERIE SHL25、AQUOS SERIE mini SHV33
Xperia ZL2 SOL25、Xperia Z3 SOL26、Xperia Z2 Tablet SOT21


auとしては一部の例外を除きSIMロック解除に関するガイドラインがまとまってから発売した2015年夏モデル以前の機種に関しては原則的にバージョンアップを行わないことで計画的に陳腐化させたいようです。買い替えサイクルが長期化しているのに、それを全く考慮していません。

2015年夏以前のVoLTE対応端末はSIMフリー化ができないし、auがVoLTE商用サービスを開始する前に発売していたスマートフォンは音声通話にCDMA2000を利用していることもあり、CDMA2000を将来的に停波することが既定路線になっているauとしてはVoLTE回線への切り替え及び対応端末への変更を促したがっているようです。2011~12年に発売された3Gスマートフォンが+WiMAX対応機を含め、結局Android 4.1以降へバージョンアップされなかったことを思い出します。

何をトチ狂ったのか、今更HTC J Butterfly HTL23Android 5.0へのバージョンアップを提供すると予告していますしねえ…。これは本当に遅すぎました。「今更かよ…」との声が上がっている一方で、やらないよりはマシだったという意見もあります。実は、これに関しては草の根レベルで署名活動が繰り広げられていたので、それが実を結んだといえます。しかしながら、それを待たずして手放してしまった契約者も少なくないですし…。

auのLTE回線は従来の回線とVoLTE回線との間ではiPhone/iPad以外SIMカードの互換性が全くなく、従来のLTEスマートフォンからVoLTE対応スマートフォンに機種変更するとSIMカードを交換されてしまいます。従来のLTE回線を契約していない場合、旧機種にSIMカードを入れ換えて使う、ということができなくなっています。そのため、アクティブユーザー数が著しく減っている旧機種に対しては更なるOSバージョンアップを提供しにくかったのでしょう。

これだけ、ドコモとauでAndroidバージョンアップに対する考え方が違っていることに驚きました。ドコモはNexus 5Xを取り扱えるようになったことでGoogleへの協力を請うことができたため、電撃的な速さで提供できるようになったのですが、一方のauは国内キャリアで唯一Nexusスマホを扱っていないこともありGoogleの協力を得られず、従来とほぼ同じやり方で行わざるを得なくなっています。

それに、auはスマートフォン契約の6割程度がiPhoneなので、auはAppleに完璧に足をすくわれてしまってAndroid陣営への対応を疎かにしてしまっているのかもしれません。さらに言えば、ドコモはこれによりAndroid重視に傾いてXperiaユーザーへのサポートも盤石にできた一方、auは2015年秋冬モデルとして先にXperia Z5 SOV32を発表するほどXperiaの日本市場における重要性を理解しているにもかかわらず、売りっぱなしでその後のサポートをおざなりにしています。OSバージョンアップを提供するとその傾向にさらに拍車がかかります。

筆者は同じ機種を使う2年間は安心してスマートフォンを使えるよう、可能な限りバージョンアップを提供すべきだと思っていますが、これを確約できそうなのはドコモぐらいになってしまいそうですね…。筆者の手持ちではXperia Z5 SOV32のバージョンアップ提供が決定している一方、果たしてXperia Z3 SOL26もドコモ版とそろって無事にAndroid 6.0にバージョンアップできるのか、わずかな可能性に賭けてみたいと思っています。そう、他機種より半年以上遅れながらもAndroid 5.0バージョンアップのあったHTC J Butterfly HTL23のように…。

[KDDI株式会社より]
Android 6.0へのOSアップデート予定製品について

HTC J butterfly HTL23 OSアップデート情報

[ITmediaより]
Android 6.0は「超特急で」対応
――ドコモに聞く、OSバージョンアップの取り組み

※なぜドコモがAndroidバージョンアップを早急に提供できたのかがこの記事でわかります。

2016年3月 2日 (水)

その時、歴史が動いた

この展開は予想だにできませんでした。

ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社株式会社NTTドコモへ納入しているXperia Z5 SO-01H/Xperia Z5 Compact SO-02H/Xperia Z5 Premium SO-03Hに対し、2016年3月2日からAndroid 6.0へのバージョンアップが提供されました。Sony Mobile Communications ABは2016年3月7日にXperia Z5ファミリーへAndroid 6.0へのバージョンアップを提供すると発表していたため、日本版のバージョンアップがもう少し後になると見ていましたが、実際は日本版への提供が先行する形となりました。すなわち、筆者をはじめとする日本のXperiaユーザーたちは世界最速でAndroid 6.0に触れることができるようになったわけです。

Xperia Z2(ZL2)/Z3のAndroid 4.4.2/4.4.4からAndroid 5.0.2へのバージョンアップの際は操作体系の変化と機能追加が多く文字通り「劇的な変化」でしたが、今回のバージョンアップはそのAndroid 5.xの正統進化といえるもので、後述する機能の変化以外はほとんど操作感が変化しないそうです。ランタイム環境をARTに置き換え、64bit処理に対応したAndroidとしては、6.0.xが第一の完成形といえます。そういった点で、Xperia Z4(Z3+) SO-03G/SOV31/402SOユーザーにとってはバージョンアップによりユーザーエクスペリエンスの大幅改善が期待できると思います。

なお、以下がバージョンアップでの変化点です。ソニーモバイルの関係者曰く、Android 6.0標準機能とXperia独自機能の競合に悪戦苦闘したそうです。

[Android OS共通]
・Google検索がホームキー長押しで起動可能になるNow on Tap
・Android 5.xの悩みの種だった電池持ちを改善するDozeモードの導入
・アプリごとに権限の制御が可能になる
指紋センサーの正式サポート
アプリデータごとバックアップ、復元可能になる
・ネイティヴで4K表示に対応
外部メモリーも内蔵ストレージと同格に扱えるようになる
・MIDIのサポート(USBアダプターを介してシンセサイザーをつなげることができる)

[Xperia独自]
・Xperiaホームのリニューアル。スワイプ時のエフェクトが変更可能に
・POBoxへ学習させないことも可能になる
・アプリ履歴をスクロールしている間、スモールアプリバーがいったん消える
・誤操作した際の救済措置としてスクリーンショットが削除可能になった
・カメラモードをスワイプで変更可能に
SmartBand2 SWR12に対応し、ヘルスケア機能が充実
・前述のDozeモードの導入に伴い、一旦STAMINAモードを廃止(2016年4月中に復活予定)
低バッテリーモードもAndroid 6.0の標準機能となったことに伴い廃止

バージョンアップは設定メニューの「端末情報」→「ソフトウェア更新」から実行できます。Android 4.4までのドコモのスマートフォンには「Androidバージョンアップ」がメニューとして存在していましたが、Android 5.0以降でこれがソフトウェア更新へ統合されたわけです。また、いつも通りPC Companionを用いたパソコンでのバージョンアップも近日提供される予定です。

3機種ともバージョンアップに成功すると、ビルド番号が32.1.F.0.43になります。一応、ビルド番号を32.0.B.0.478にしてからバージョンアップすることをお勧めします。バージョンアップファイルのサイズはおよそ1.3GBで、Wi-Fi接続においてのみ即座に更新可能、Xi(LTE)でダウンロードする場合は事前に予約された時刻にダウンロードした後、端末操作によって実行するようになっています。なお、Xi経由でのダウンロードの場合、バージョンアップファイルのダウンロードに費やした通信量はデータプランのカウント外となります。

今回のアップデートは改善しそうな点もあればXperiaらしさが失われる点もあるため、慎重に考えて実行するかどうかを決めることをお勧めします。筆者はまず、Xperia Z3 SO-01G/Xperia Z3 Compact SO-02Gに対してバージョンアップ提供が始まったら実施して、その結果次第でZ5もやってみようと思っています。Xperia Z5 Premium SO-03Hにおいては今まで普段は画素補完によるフルHD表示でお茶を濁していたところが全部ネイティヴ4K表示できるようになるため、バージョンアップによる恩恵は大きいだろうと思いますが。

今までAndroid OSバージョンアップはサムスン電子のGalaxyシリーズから始まることが多く、Xperiaシリーズ(特に夏モデル)は1度限りでしかも周回遅れまたはバージョンアップなしと散々愚弄されただけにこれは衝撃的でした。逆に、Galaxyシリーズの日本での存在感の低下が目に見えて感じられる結果になったかもしれません。

また、Nexus 5Xの発売もドコモにとってはプラスに働いたとみています。なぜなら、秋冬モデル発売の地点でドコモも既に最新のAndroidに触れることができるようになったため、キャリアアプリやメーカーアプリの検証がかなり捗ったと見えます。これまで、夏モデル発表後にバージョンアップ提供発表、そこから半年にわたりバージョンアップ提供、最後の機種への提供時にはコードネーム単位で周回遅れになっていたなんてこともざらだっただけに、不遇さが囁かれた日本におけるAndroidの待遇が海外並みに改善されてきたなあ、と思いました。

一方、au版Xperia Z5 SOV32に対してもAndroid 6.0へのバージョンアップを実施する予定だそうです。果たして、キャリア版Xperia Z3でOSバージョンアップが提供される可能性が最も低いといえるXperia Z3 SOL26にも提供されるのでしょうか。この機種はデータ通信がLTE、音声通話がCDMA2000方式なので、政策的にCDMA2000を全廃することが決まっているauの方針を考えるとバージョンアップを提供せず計画的に陳腐化させることもあり得ますから…。

こう考えると、ソフトバンク版Xperia Z5 501SO/Xperia Z3 401SOに対するAndroid 6.0へのバージョンアップ提供もほぼ確実といっていいかもしれませんが、まだ公式発表がないのがいかんとも…。一応、ソフトバンクもNexus 6Pを取り扱っているのですが、ドコモと勝手が違うのでしょうか? ソフトバンク版のほうは続報に期待です。

■参考記事

[株式会社NTTドコモより]
「Xperia Z5 SO-01H / Xperia Z5 Compact SO-02H / Xperia Z5 premium SO-03H」
Android 6.0へのOSバージョンアップのお知らせ


バージョンアップとは
※バージョンアップで変化する点をわかりやすく解説しています。

[ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社より]
Android 6.0対応 OSバージョンアップ
※こちらのほうが具体的に変化点を把握しやすいです。

[engadget日本版より]
『グーグルがXperiaに追いついた』
ソニー製スマホのAndroid 6.0アプデは控え目に

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