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2015年12月31日 (木)

Nieuwjaarsdag

激動の2015年もあと数時間で終わりを迎えます。今年の漢字は「安」でしたが、筆者にしてはむしろ「」のほうが似合う1年でした。そうです、このトピックのタイトルはU2のサードアルバム「WAR(闘)」に収録された代表曲、「New Year's Day」のタイトルをオランダ語訳したものです。この曲はポーランド民主化運動の主導者、レフ・ヴァウェンサ率いる独立自主管理労働組合「連帯」[Solidarność]が題材とされており、この曲を聴きながら新年を迎える方も多いそうです。「超」が付く名曲なので、ぜひ聴いてもらいたいです。

今年の国際社会は終始ISILに翻弄された1年でした。特に、フランスのパリで起こった出版社テロ事件は言論の自由や表現の自由を問う点でも重要な事件でした。我々は怒りを込めて、"Je suis Charlie!"と叫びそれを非難するのでありました。更に、ISILの手に落ちた日本人の命を奪われてしまったことを忘れてはなりません。日本はISILに対して非力でした。せっかくの政治工作もむなしく、イスラーム圏との人脈の希薄さを痛感する結果となってしまいました。これが安倍総理を刺激してしまい、21世紀始まって以来口走ってきたテロとの戦いを強調せざるを得なくなったのは言うまでもありません。

また、今年は世界的にナショナリズムの加速を見せ始めた1年でもありました。これはISILへの脅威によるものも多かったですが、特異なナショナリズムとしてはスペインから高度な自治を認められているカタルーニャ州のジャナラリター(州議会)の総選挙の結果が強烈に印象に残るものでした。以前からカスティーリャ(マドリード周辺)との対立が根深かったカタルーニャ州ですが、今年の総選挙では州首相のアルトゥール・マス擁するカタルーニャ民主集中(CDC)を中心として発足したジュンツ・パル・シ[Junts pel Sí, 共にイエスの意]が多数派に躍り出てきました。この政党連合はカタルーニャ独立賛成派という共通したイデオロギーのもとで発足したもので、ヨーロッパ社会にも大きな反響を巻き起こしたのは確かなことでしょう。仮にカタルーニャ州が独立するとスペインへの打撃は計り知れないものがあるため、今後の推移を注視していきたいところです。

日本も、軍拡を続けつつある中国に対抗すべく、集団的自衛権を行使するための安全保障関連法案の策定を迫られました。その過程で、有識者や学生団体(SEALDs)を中心に反発する動きも見られました。そうです、戦後70年を経てもなお日本では法と正義の狭間での戦いが繰り広げられていたのです。結局法案は批准されましたが、この国民の大反発は国際社会でも驚きをもって迎えられることとなりました。SEALDsは年末に入り事実上、政界進出を目論むようになったため、来年の参議院議員選挙で理想と現実のギャップを味わって成長してもらいたいものです。

一方で、国内対立としては沖縄県の普天間基地移設問題が激しい政争の的にされていました。県知事の交替によって辺野古への基地移設が反故にされてしまったことが原因でした。現在、辺野古への移設をめぐり、日本政府と沖縄県が法廷で争う椿事に発展してしまいそうです。それは、地方の事情を顧みず中央の意見を押し付けようとした政府にも非があるといえます。いずれにせよ、沖縄県は日本の国防上、重要な拠点であることは間違いありません。筆者は政府に対し、沖縄県に対し高度な自治権を認めてもらいたいと思っています。

年末は安倍総理の訪韓により従軍慰安婦問題に関して旧西ドイツの東方外交[Ostpolitik]に匹敵する歴史的かつ画期的な政治的解決を実現できました。長年、韓国側が蒸し返すように追求してきたこの問題、とりわけ人権意識が根強いヨーロッパでは日本の恥部とされていたものでした。しかし、安倍総理により日本政府の歴史認識に基づく見解が発表されたことで韓国政府の譲歩を見ることができたわけです。未だ、当事者からは法廷の場で争いたいとしているほか、韓国の世論次第ではこの合意が反故にされてしまう可能性もあり、油断は禁物です。

スポーツに関しては快進撃の連続でした。ゆづ様の愛称で国内外から注目を集めた男子フィギュアスケーター、羽生結弦が歴史的なスコアを残したこと、女子サッカーワールドカップでは優勝こそ逃したものの準優勝に輝いたこと、そしてラグビー発祥の地、イングランドで開催されたラグビーワールドカップでは五郎丸歩の活躍により大会史上の大番狂わせと呼ばれた南アフリカ代表への勝利を実現。1991年大会でたった1度の勝利をもたらした、今は亡き伝説のラガーマンにしてバンカーの宿澤広朗氏に「努力で運を支配した男がようやく表れた!」と報告したくなるほどでした。

来年、2016年は日本にとってもなじみ深いブラジルのかつての首都、リオデジャネイロ市で夏季オリンピックおよびパラリンピック大会が開催されます。この大会は2020年東京大会の将来を占ううえで重要になってきます。日本勢が活躍してくれることを祈りたいです。2020年東京問題においてはエンブレム問題など未解決の問題が残されていますが、とりあえず『国立』の改築問題が決着したことは評価したいと思います。

また、政治面ではサミットのホスト国となるため、伊勢・志摩サミットの結果が日本の政治力が試される舞台といっても過言ではありません。この頃は中国が影響力を強めておりすっかり老大国となってしまっていますが、このサミットの結果次第では日本が再び浮上するチャンスを秘めています。

このblogも開設から5年。au one blog閉鎖に伴い移行いたしましたが、5年も続くとは思いもよりませんでした。今年は月に1度ほどのペースでしか更新できず申し訳なく思っております。来年はもう少し更新のペースを上げられるなら、と思っています。

もうすぐ2016年。みなさんは未練を残してはいないでしょうか? 今年よりもより良い1年を過ごせることを祈りながら、締めくくりたいと思います。

よいお年をお過ごしください。 ¡Hasta luego!

(31 de Diciembre de 2015, shiotama)

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