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2015年12月

2015年12月31日 (木)

Nieuwjaarsdag

激動の2015年もあと数時間で終わりを迎えます。今年の漢字は「安」でしたが、筆者にしてはむしろ「」のほうが似合う1年でした。そうです、このトピックのタイトルはU2のサードアルバム「WAR(闘)」に収録された代表曲、「New Year's Day」のタイトルをオランダ語訳したものです。この曲はポーランド民主化運動の主導者、レフ・ヴァウェンサ率いる独立自主管理労働組合「連帯」[Solidarność]が題材とされており、この曲を聴きながら新年を迎える方も多いそうです。「超」が付く名曲なので、ぜひ聴いてもらいたいです。

今年の国際社会は終始ISILに翻弄された1年でした。特に、フランスのパリで起こった出版社テロ事件は言論の自由や表現の自由を問う点でも重要な事件でした。我々は怒りを込めて、"Je suis Charlie!"と叫びそれを非難するのでありました。更に、ISILの手に落ちた日本人の命を奪われてしまったことを忘れてはなりません。日本はISILに対して非力でした。せっかくの政治工作もむなしく、イスラーム圏との人脈の希薄さを痛感する結果となってしまいました。これが安倍総理を刺激してしまい、21世紀始まって以来口走ってきたテロとの戦いを強調せざるを得なくなったのは言うまでもありません。

また、今年は世界的にナショナリズムの加速を見せ始めた1年でもありました。これはISILへの脅威によるものも多かったですが、特異なナショナリズムとしてはスペインから高度な自治を認められているカタルーニャ州のジャナラリター(州議会)の総選挙の結果が強烈に印象に残るものでした。以前からカスティーリャ(マドリード周辺)との対立が根深かったカタルーニャ州ですが、今年の総選挙では州首相のアルトゥール・マス擁するカタルーニャ民主集中(CDC)を中心として発足したジュンツ・パル・シ[Junts pel Sí, 共にイエスの意]が多数派に躍り出てきました。この政党連合はカタルーニャ独立賛成派という共通したイデオロギーのもとで発足したもので、ヨーロッパ社会にも大きな反響を巻き起こしたのは確かなことでしょう。仮にカタルーニャ州が独立するとスペインへの打撃は計り知れないものがあるため、今後の推移を注視していきたいところです。

日本も、軍拡を続けつつある中国に対抗すべく、集団的自衛権を行使するための安全保障関連法案の策定を迫られました。その過程で、有識者や学生団体(SEALDs)を中心に反発する動きも見られました。そうです、戦後70年を経てもなお日本では法と正義の狭間での戦いが繰り広げられていたのです。結局法案は批准されましたが、この国民の大反発は国際社会でも驚きをもって迎えられることとなりました。SEALDsは年末に入り事実上、政界進出を目論むようになったため、来年の参議院議員選挙で理想と現実のギャップを味わって成長してもらいたいものです。

一方で、国内対立としては沖縄県の普天間基地移設問題が激しい政争の的にされていました。県知事の交替によって辺野古への基地移設が反故にされてしまったことが原因でした。現在、辺野古への移設をめぐり、日本政府と沖縄県が法廷で争う椿事に発展してしまいそうです。それは、地方の事情を顧みず中央の意見を押し付けようとした政府にも非があるといえます。いずれにせよ、沖縄県は日本の国防上、重要な拠点であることは間違いありません。筆者は政府に対し、沖縄県に対し高度な自治権を認めてもらいたいと思っています。

年末は安倍総理の訪韓により従軍慰安婦問題に関して旧西ドイツの東方外交[Ostpolitik]に匹敵する歴史的かつ画期的な政治的解決を実現できました。長年、韓国側が蒸し返すように追求してきたこの問題、とりわけ人権意識が根強いヨーロッパでは日本の恥部とされていたものでした。しかし、安倍総理により日本政府の歴史認識に基づく見解が発表されたことで韓国政府の譲歩を見ることができたわけです。未だ、当事者からは法廷の場で争いたいとしているほか、韓国の世論次第ではこの合意が反故にされてしまう可能性もあり、油断は禁物です。

スポーツに関しては快進撃の連続でした。ゆづ様の愛称で国内外から注目を集めた男子フィギュアスケーター、羽生結弦が歴史的なスコアを残したこと、女子サッカーワールドカップでは優勝こそ逃したものの準優勝に輝いたこと、そしてラグビー発祥の地、イングランドで開催されたラグビーワールドカップでは五郎丸歩の活躍により大会史上の大番狂わせと呼ばれた南アフリカ代表への勝利を実現。1991年大会でたった1度の勝利をもたらした、今は亡き伝説のラガーマンにしてバンカーの宿澤広朗氏に「努力で運を支配した男がようやく表れた!」と報告したくなるほどでした。

来年、2016年は日本にとってもなじみ深いブラジルのかつての首都、リオデジャネイロ市で夏季オリンピックおよびパラリンピック大会が開催されます。この大会は2020年東京大会の将来を占ううえで重要になってきます。日本勢が活躍してくれることを祈りたいです。2020年東京問題においてはエンブレム問題など未解決の問題が残されていますが、とりあえず『国立』の改築問題が決着したことは評価したいと思います。

また、政治面ではサミットのホスト国となるため、伊勢・志摩サミットの結果が日本の政治力が試される舞台といっても過言ではありません。この頃は中国が影響力を強めておりすっかり老大国となってしまっていますが、このサミットの結果次第では日本が再び浮上するチャンスを秘めています。

このblogも開設から5年。au one blog閉鎖に伴い移行いたしましたが、5年も続くとは思いもよりませんでした。今年は月に1度ほどのペースでしか更新できず申し訳なく思っております。来年はもう少し更新のペースを上げられるなら、と思っています。

もうすぐ2016年。みなさんは未練を残してはいないでしょうか? 今年よりもより良い1年を過ごせることを祈りながら、締めくくりたいと思います。

よいお年をお過ごしください。 ¡Hasta luego!

(31 de Diciembre de 2015, shiotama)

2015年12月28日 (月)

筆者の選ぶクソケータイ・オブ・ザ・イヤー2015

筆者の選ぶケータイ・オブ・ザ・イヤー2015に輝いたのはGoogle純正のスマートフォン、Nexus 5Xでした。破綻なく堅実なスペックを求めたこと、キャリアモデルがY!mobileの独占を崩してNTTドコモでも販売されたこと、常に最新のAndroidに触れられる楽しみ、そして指紋センサーやUSB Type-C対応などOSレベルで標準対応した機能やインターフェイスを搭載していたことが決め手になりました。

さて、本家大元はどれがトップに輝いたのか、過去の結果から見てお分かりですね? それは後ほど発表したいと思います。一方で、今度は2015年に(店頭で)発売された中で最もイマイチだった端末を選出してみたいと思います。今まで、筆者の選ぶクソケータイ・オブ・ザ・イヤーは明らかに使用感の悪い端末ばかりが選出されてしまっていました。

・ケータイアップデートに時間がかかりすぎる上にどの機能を使おうにも苦痛というバグの山のREGZA Phone IS04/TSI04

薄くするのにこだわり過ぎてスマートフォンの基本を煮詰めることを怠った結果、暴走やタッチ不良を起こしてしまったMEDIAS X N-07D

ARROWS X F-10Dの失敗から何も学ばなかったうえ、日本製にこだわるドコモが面子を立てるべく国産LTEモデムチップ搭載を強制された結果、通信もパフォーマンスもガタガタになってしまったARROWS X F-02E

ところが、AQUOS CRYSTAL 305SHは端末そのものはきちんと使えるのに、音質がいいのか悪いのか分からないスピーカーとの抱き合わせ商法によりユーザーの評判を落とした新たな形のクソケータイとして評価され、筆者の選ぶクソケータイ・オブ・ザ・イヤー2014を勝ち取ってしまいました。

今年はどの端末がその不名誉に輝いてしまうでしょうか、いよいよクソケータイ・オブ・ザ・イヤー2015を発表したいと思います!

■大賞
LG Fx0 LGL25
(LGエレクトロニクスジャパン株式会社)
―Designed for "Gyiygs", but not designed for "Geeks".

Lgl25

なんと、史上初めてケータイ・オブ・ザ・イヤーとクソケータイ・オブ・ザ・イヤーに同じメーカーの端末が選出される椿事となってしまいましたw 本来は2014年に発表された端末でしたが、年末発表ということで今年の初めに発売されたものです。発売の経緯から一般消費者の眼に触れることなくひっそりと姿を消したことと時が経つにつれてどんどん空気と化していったほどの存在感の薄さ、そしてスマートフォン向けFirefox OSの開発終了で役目を終えてしまったことが決め手となりました。

[選評]
iPhoneやAndroidスマートフォンは高機能化および高性能化に伴い端末価格が高騰してしまいました。それに伴い、安価な端末で抜群なユーザーエクスペリエンスを追究すべく、ポストiPhoneまたはポストAndroidとなるプラットフォームを模索する動きも見られました。その中で、2014年にFirefox OSやサムスン電子が主導するTizen(タイゼン)がポストiPhone、ポストAndroid候補として浮上しました。

特に、サムスンはTizen端末の発売に前向きで、ドコモの欠番となってしまったSC-03FをTizenスマートフォンとして発売しようともくろんでいたほどです。結局、ドコモ側の市場判断によってSC-03Fの発売が水泡に帰すも、Tizenは現在、サムスンのGearシリーズや新興国向けに発売されたスマートフォン用のプラットフォームとして生き残っています。

一方、Firefox OSはHTML5の持つポテンシャルを最大限に秘めていたプラットフォームと言えます。元々、HTML5は様々なプラグインを置換すべく開発された経緯があり、これが普及すればプラグインが一切不要になるとまで言及されていたほどでした。このHTML5の持つ性格を生かして、Webアプリを動かそうとして考案されたのがFirefox OSのランタイム環境であるといえます。そのランタイム環境はFirefoxのレンダリングエンジン、Geckoそのものでした。

実は、KDDI株式会社は2013年の地点で早くもFirefox OS機の開発に意欲を示していました。それは、前述するWebアプリの開発やIoT連携システムを作りやすいことが決め手になりました。通常のアプリはC言語やJavaScriptに習熟していなければ開発が容易ならざるのに対し、Firefox OS用のアプリは比較的習得が容易なHTML言語で開発できたのです。

KDDIはこのFx0の売り込みにかなり力を入れていました。Geek(ギーク)層を意識して、デザインは内部の回路が透けて見えるスケルトン仕様となっており、アンテナやバッテリーまで透けて見えるようになっていました。プロダクトデザイナーにはX-RAYの開発に携わった実績のある世界的なデザインアーティスト、吉岡徳仁氏が起用されました。X-RAYを見かけたことがある方なら、吉岡氏のデザインだと一目でわかったはずでしょう。このデザインは、後述するFirefox OSの理念を示していました。ビスを金メッキしたりホームキーにFirefoxのロゴモチーフにもなっているキツネのシルエットをあしらうなど、ちょっとした遊び心もあるデザインになっていました。実際、この独創的なデザインにより2015年度のグッドデザイン賞を受賞していました。

チップセットはSnapdragon 400 MSM8926(Cortex-A7/1.20GHz×4)、RAM容量は1.5GB、内蔵ストレージ容量は16GBとなっていました。外部メモリーは64GBまでのmicroSDXCカード対応、4.7型HD解像度のIPS液晶をディスプレイとし、8メガピクセルカメラを搭載しており、フルハイビジョン動画の撮影も可能になっていました。この頃発売された端末としては珍しく電池パックが着脱可能で、容量もこのクラスでは平均的な2,370mAhとなっていました。このように、当時の同時期のスマートフォンと比べても遜色ないスペックを誇っていました。販路によっては透明な電池カバーが特典として貰えました。

Fx0専用に安価な料金プランを設けたり、専用サイトを設けて技術仕様を誰でも参照できるようにしたり、Fx0向けアクセサリーの開発支援用データを公開したりと、KDDI側が相当セールスに力を入れていたように見えますが…。

発売の地点で暗雲が立ち込めていました。

というのも、筆者の地元では取り扱いそのものがなかったためです。正確にいえば、販売店側が取り扱いを渋ってしまったのです。auの主要サービスに対応しない、アプリやゲームもiOSやAndroidと比べると圧倒的に少ないか全くない、そして消費者がスマートフォンに求める機能が全くない…これらないない尽くしで転売ヤー大喜びになること請け合いと判断して敢えて扱わないことにしてしまった販売店が続出したようです。

あくまでも、一般消費者はスマートフォンのプラットフォームを選ぶうえで既製のアプリがどれだけ使えるか、どのサービスに対応しているかを重視するので、からっきし対応できていないFx0は魅力がないと見えていたのでしょう。一応、Fx0は「なければ作れ」というGeekの伝統を地で行くモデルデザインになっていますが…。

当然、発売当初はユーザーの間で盛り上がっていたのもつかの間、Web上の特集記事や情報量が少なくなるにつれ、徐々に存在を忘れられてしまいました。一方で、モバイルマニア層はといえば…華麗にスルーしていました。ごくごく一部の層は珍しい端末だからと飛びついていたようですが、それでもすぐ飽きられてしまったようです。この地点で、マニア層からはFirefox OSが見限られていたことが伺えます。そして、一般消費者の認知度はといえば…限りなく0に近い悲惨な有り様でした。その後は草の根でハッカソンが繰り広げられているくらいでした。が…

後に、本丸であるMozillaより、2015年12月9日をもってスマートフォン向けのFirefox OSの開発を終了することが発表され、今後はIoT分野に注力される旨が発表されました。これにより、1年近く販売されてきたFx0の展開に事実上、終止符が打たれることになってしまいました。そうです、Firefox OSはモバイルOSとしてはAndroidやiOSの牙城を崩すことなく儚く散っていったのです。

Firefox OSの開発者の弁によれば、既存のモバイルOSは壁で囲まれた庭のようなもの(=クローズドプラットフォーム)であり、Firefox OSは多くの開発者の存在によって完全なオープン環境を実現しているとしていましたが、実際は想定していたライバル、Androidのほうもオープンソースによって開発されていたプラットフォームであることが伺えます。また、iOSとAndroidの双方ともカーネル単位でUNIX系という点で共通しており、iOSアプリ開発経験があれば容易くAndroidアプリも開発できるようになっていました。一方、Firefox OSは市場が確立される前に消えゆく運命をたどったため、(スマートフォン向けOSとしては)皮肉なことに壁で囲まれた庭のようなものになってしまいました。

今なお、大量のFx0が売れ残っているようで、auオンラインショップで今も容易く手に入ってしまいます。モノホンのGeekなら、カスタムROMを焼いてAndroidスマートフォンにするか、Windows Phoneにして運用すべきでしょう。

何しろ、KDDIがFirefox OSで何をやりたかったのかもいささか疑問に残ります。開発者向けスマートフォンならばNexusシリーズがありますから、それを一般に販売するだけでもよかったのではなかったでしょうか。Nexusシリーズは確かに防水でなかったり日本向け機能がなかったりしますが、それでもAndroid端末なので人気アプリも余裕で対応しているためFx0よりもよっぽどか売りやすかったりするのですが…。auでNexus 5Xを扱えなかったのはFx0をめぐるLGとの軋轢やほぼ同一スペックのisai vivid LGL32との競合を避けたかったことが背景にあったのでしょう。

続いて、幸いにも(?)次点にとどまった端末を紹介したいと思います。

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2015年12月24日 (木)

筆者の選ぶケータイ・オブ・ザ・イヤー2015

お待たせいたしました。本日、2015年12月24日はクリスマス・イヴですが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか? いよいよ、筆者の選ぶケータイ・オブ・ザ・イヤー2015の発表です。本日の正午に投票を締め切った本家大元に先んじて発表したいと思います。

■大賞
Google Nexus 5X
(グーグル株式会社/LGエレクトロニクスジャパン株式会社)
―"未来"がぎっしり詰まった、"最先端"を常に体験できるスマホ

Nexus5x

今回大賞に輝いたのはGoogle純正のAndroidスマートフォン、Nexus 5Xでした。Nexusシリーズとしては初めての大賞受賞となります。

[選評]
2010年より主に開発者向けに販売されていたスマートフォン、Nexusシリーズ。Google純正のスマートフォンとして、キャリア独自の脚色を嫌う一部の一般消費者から熱烈な支持を受けていました。時にはタブレットとしても展開されたこともあり、特に2013年モデルのNexus 7(ASUS ME571T)は7型タブレットの代名詞となるほどの大ヒットを遂げました。時にはメーカーとのコラボレーションで発売されることもあり、日本でGalaxy Nexus SC-04Dとして発売された端末が日本におけるNexusシリーズ初上陸となりました。

このNexus 5XはLG G2と兄弟関係にあるNexus 5の事実上の後継機種です。また、Nexus 5X自身もLG G4の兄弟機という位置づけになっています。つまり、現在auで発売されているisai vivid LGV32とも兄弟関係にあります。スペック上はG4やLGV32とほぼ共通しています。近年のスマートフォンとしては非常に軽く、5.2型フルハイビジョンIPS液晶を搭載しているにもかかわらず136gと軽量化を果たしていました。カメラはイメージセンサーが大判化した代わりに12メガピクセルとなっており、4K動画の撮影にも対応しています。RAMは2GB、G4で着脱可能だった電池は内蔵型と仕様変更されています。なお、Nexus 5に採用されたワイヤレス充電(Qi)への対応は見送られました。

チップセットはSnapdragon 810(S810、MSM8994)の弟分と言える、Cortex-A57デュアルコア+Cortex-A53クアッドコアという変則的なbig. LITTLE処理を採用したヘキサコアチップ、Snapdragon 808(S808、MSM8992)を搭載していました。S810がCortex-A57クアッドコア+Cortex-A53クアッドコアのオクタコア構成で「理想」を求めたのに対し、S808は現実的なスペックとなっており、少ない発熱と安定した動作が期待できました。モデム統合型チップなのでLTE-Advancedに新たに対応しており、キャリアアグリゲーションを応用することで最高で262.5MbpsとヘタなWi-Fiよりも高速に通信できるようになっています。

Nexusシリーズは常に最新のAndroidのユーザーエクスペリエンスを実感できるのが売りですが、Nexus 5Xには工場出荷時からMarshmallow(マシュマロ)のコードネームで知られるAndroid 6.0がインストールされています。Nexus 5/6ユーザーならお分かりでしょうが、毎度提供されるアップデートを適用することで、徐々に完成度を増していくのです。可能な限りAndroidバージョンアップが受けられることは国内キャリア向け端末では容易ならざることなので、なおさらNexusユーザーの特権と化しているわけです。

Nexus5x2

この端末はスマートフォンの未来を示す、非常に重要なマイルストーンとなっています。カメラの下にある指紋センサー、充電や周辺機器接続に使うUSB type-C端子など、今後普及が期待されるデバイスや機能に標準対応しています。また、標準ランチャーとして採用されているGoogle Nowランチャーでは検索バーをタップすることなく「OK, Google」と発声することで音声検索が簡単にできます。筆者も展示機で試してみましたが、音声検索がより身近になった感じがしました。

指紋センサー、USB type-CともにAndroid 6.0で正式対応できるようになった機能です。指紋センサーは今まで独自に対応してきた機種がありましたが、Android 6.0以降では生体認証の手段として正式に採用されました。USB type-CはUSB 3.x相当のインターフェイスですが、USB 3.0 micro-B端子を小型化したものです。USB 2.0(最大転送速度480Mbps)の20倍以上を誇る最速10Gbpsもの超高速転送が可能なUSB 3.1に対応できることと、端子がリバーシブル構造になっているため、誤挿入のトラブルと無縁になっていることが特徴です。

日本では従来通り、SIMフリー版をGoogleから直接購入可能になっていますが、キャリア経由では入手から半年後にSIMロックを解除できることを前提にSIMロックがかかった状態で販売されています。これまで、NexusシリーズはY!mobile独占でしたが、この独占は脆くも崩れ、NTTドコモも本格的に取扱うこととなりました。これも驚きをもって迎えられた一方、キャリア独自カスタマイズが施されるのではないかという不安が付きまとっていましたが、それは杞憂に終わったようです。ドコモがこれまでの方針から一転し、Androidに全力投球できるのか期待したいところです。

続いて、惜しくも次点にとどまった端末を紹介したいと思います。

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2015年12月23日 (水)

筆者の選ぶケータイ・オブ・ザ・イヤー2015 [はじめに]

今年もこの時期に突入いたしました。毎年恒例の、筆者の独断と偏見(?)に基づいて選出するケータイ・オブ・ザ・イヤー2015です。インプレスが実施しております本家大元も2015年12月24日まで投票を受け付けております。

その前に、例によって今年の傾向を見てみようと思います。一言でいえば、MNO(いわゆるキャリア)とそうでない勢力のぶつかり合いになりました。

■MVNO市場の躍進
2014年に各社が提唱した音声定額プランが一部契約者から割高を理由に嫌気され、積極的にMVNO(Mobile Virtual Network Operator、仮想移動通信事業者)の運用を検討する消費者が目立つようになりました。いわゆる格安SIMです。どちらかと言えばサブ回線の維持に向いています。

MVNOは設備を持たないため、MNOから帯域を借りて回線を提供します。そのため、通信にかかる速度や品質が若干落ちますが、維持費は安く済みます。ただし、現在のMVNOはITリテラシーの高い層に利用してもらうことを前提にサービスしているためか、サポート体制に一癖あるのが難点です。また、合理化の弊害でクレジットカード払いのみでしか契約できない場合が多く、クレジットカードを持っていないか審査落ちで持てない場合は渋々あきらめるしかないのが現状です。一応プリペイドSIMタイプや口座振替で料金を支払えるMVNOもありますが…。

MVNOのほとんどはNTTドコモの回線を利用するため、ドコモのスマートフォンがあればアクセスポイントの設定をするだけでそのまま利用できます。また、ほとんどはデータ専用で、2台持ちとWi-Fi運用との併用を前提にプラン設定がされています。最近ではau系のMVNOも徐々に増えており、そちらはauスマートフォンまたはSIMロックを事前に解除した一部のスマートフォンがあれば運用できます。今後はiOS系端末が柔軟にMVNOに対応できることとソフトバンク系MVNOの誕生が課題と言っても過言ではないでしょう。

近年では、MVNE(Mobile Virtual Network Enabler、仮想移動通信サービス提供者)の成長も目覚ましく、MVNOとして活動する傍らで自社のノウハウを活かしてMVNO市場に参入する業者のネットワーク構築を支援する動きも活発化しています。現在林立しているMVNOはMVNEの支援によって成り立っています。

■活発化するSIMフリー市場
以前から子供向けや海外渡航用、そして日本の技適認証を受けたキャリア端末のベースモデルとしてひそかに流通していたSIMフリー端末ですが、今年に入り一気に市民権を得るに至りました。キャリア端末の没個性化やキャリア縛りを嫌う一部の契約者に広く受け入れられました。

SIMフリー端末は主に、必要最低限のスペックを備えた廉価機やキャリアでは扱ってもらえないような個性的な端末など、ニッチを狙ったものが多いです。特に前者は格安スマホと呼ばれています。Nexus 7で一躍有名になったASUSが放ったZenFoneシリーズは本体ストレージとRAM容量を選択できるとして話題になりました。キャリア向けの端末納入を中断しているパナソニックは法人向けSIMフリースマートフォンに注力することで生き残りを図ることに成功しました。耐衝撃機や1型イメージセンサーを搭載した新生LUMIX Phoneなどが印象に残った方も少なくないでしょう。

ただし、気を付けてほしいことがあります。SIMフリー端末は本当にピンキリで、いいものは本当にいいのですが、中にはハズレも紛れ込んでいます。この頃はベンチャーも格安スマホに参入しようと息巻いていますが、ベンチャーならではの青さが目立つ端末も少なくありませんでした。大方のSIMフリー機はこれから普及が期待されているVoLTEに対応しない機種が多いです。キャリア向けアプリも動作は保証されていないため、キャリア回線で運用する方(特にau回線で運用したい方)は要注意。

■SIMフリー義務化は定着なるか?
2015年夏モデル以降、NTTドコモの全機種やソフトバンクの一部機種にて認められていたSIMロックの解除が義務化されました。これは、auが2014年の年末から提供したVoLTEサービスが大きく絡んでいます。auはLTE方式を採用していながらこれまでは音声通話をCDMA2000で行っていたため、他社とSIMカードの扱いが異なっていました。そのため、SIMロックを解除したスマートフォンではデータ通信できても音声通話ができないことがあります。

auのVoLTE回線用のSIMカードはドコモやソフトバンクと同じ扱いで、対応端末も国内では常時LTEのみにつながる仕組みとなっています。また、海外ローミング時もUMTSのみに繋がるようになっており、政策的にCDMA2000へ繋がせないようになっています。強引に見えるかもしれませんが、これで漸くauも同じスタートラインに立てるようになりました。

なお、SIMロック解除は端末の入手から半年を過ぎれば可能になります。無料でできる場合と、3,240円を支払う必要がある場合があります。また、解約してから3ヶ月以内に行わなければなりません。転売対策のためか、対象機種でも中古で手に入れた場合はSIMフリーにすることができません。そのため、中古市場へ下取りしたい場合は事前にSIMロック解除を済ませてしまいましょう。

SIMフリーにするメリットはキャリアを変えても気に入った端末を引き続き使えることにありますが、実際はキャリア独自サービスの壁などもありメリットを享受しにくいです。一方で、渡航先でプリペイドSIMにて運用できるようになることによるメリットの方が大きいです。なぜなら、海外ローミングサービスでは番号をそのままに通話できるものの、割高になってしまうためです。現地でプリペイドSIMを調達してしまった方がよっぽどか維持費が安いケースがほとんどです。そのため、よく海外旅行する方はSIMロック解除を利用すべきと言えます。

■64bit化に伴う「停滞の時代」突入か?

パソコンに次いでスマートフォンも64bitの時代に突入しました。既にiPhone 5sから64bit化は始まっていますが、いよいよAndroidでも64bit化の機運が高まっています。しかし、多くの契約者は口コミから64bit機への変更をモラトリアムするようになりました。

まず、iPhoneファミリーは方々で指摘されているとおり64bit化によってバッテリーリークが深刻化しています。また、搭載しているチップセットがパフォーマンスを十分発揮できていなかったことも一因でした。ところが、最新機種のiPhone 6s/6s Plusはパフォーマンスが大きく改善すれど、悪化したのは端末価格でした。キャリアや容量によっては10万オーバーとなるため、分割払いを希望しても一括払いでの入手を余儀なくされてしまいます。これが原因でiPhone 6s/6s Plusへの機種変更を断念した契約者も多かろうと思います。

Android陣営のほうはAndroid 5.0以降で64bit化を進めていきましたが、チップセット大手のクアルコムが満を持して出荷したSnapdragon 810(MSM8994)がとんでもないじゃじゃ馬でした。同社では珍しいbig. LITTLE処理を採用したオクタコアチップですが、メーカーのチューニング次第では上手くパフォーマンスを十二分に引き出せなかったことも端末の買い控えを促進させてしまいました。Xperia Z3 SO-01GXperia Z3 Compact SO-02Gの白ロムや中古端末がプレミア価格で取引されるようになったこともそれを物語っているといえます。

なんとか秋冬モデルで安定したパフォーマンスを引き出すことに成功したメーカーもありましたが、一方で妥協してヘキサコアのSnapdragon 808(MSM8992)搭載に仕様変更するメーカーも少なくありませんでした。サムスン電子など、一部の中韓メーカーはSnapdragon 810の熱ダレ問題に懲りたのか、チップセットを自社開発することになったようです。また、一部ではクアルコム独自の64bitアーキテクチャー、Kryo(クライオ)を採用したクアッドコアチップ、Snapdragon 820(MSM8996)搭載機種に期待する向きもあります。

■普及なるか? 新たなスマホ、「ガラホ」誕生
一部を除くほとんどのフィーチャーフォン(ガラケー)は2016年以降、事実上使えなくなってしまいます。つまり、乱暴な言い方をしてしまえばガラケーは一部を除いて2016年以降、ただの電話機になってしまいます。その原因はセキュリティ接続に関わるSHA-1問題です。これによって、ガラケー向けコンテンツが閲覧またはダウンロードできなくなってしまうことがあります。既に、Googleやtwitterなど一部のWebサイトではSHA-1を用いた接続を排しているようです。

また、ガラケーはいくら需要があれど、今では十分枯れまくったソフトウェア資産やデバイスを引っ張り出して製造している状況です。ガラケー用ソフトウェアもサポートが放棄されかけているし、部品も枯渇し始め、保守在庫を引っ張り出してでも作らねばならなくなっています。そのような状況下ですから、やがてはガラケーそのものを作れなくなってしまいます。一部報道によれば、2016年度を以てフィーチャーフォンの生産が打ち切られる見通しとなっています。Android製品の開発から完全撤退し、2016年度いっぱいで携帯電話の生産拠点が閉鎖することになったNECこれを以て携帯電話から完全撤退し、Nのケータイの暖簾を下ろすことになる見通しです。以降は貴重な国産モバイルルーターメーカーとして生き残ることになります。

[2015. 12. 25更新]
日本電気株式会社より、携帯電話事業をNECモバイルコミュニケーションズ株式会社からNEC本体に移管することになったとの発表がありました。なお、新機種開発の見通しは立っていませんが、今後も携帯電話事業は継続する意向とのことです。

そこで、操作体系をガラケーそのものにしながらAndroidで動作する端末を開発しよう、ということになりました。それがガラホです。ローエンド機向けのデバイスを応用した折りたたみ型スマートフォンです。今のところ、Google Playに対応しないため、キャリアが用意するアプリでなければインストールおよび利用はできません。しかし、とある裏技を応用することでGoogle Playで配信されているアプリも利用できるようになるため、マニアからはひそかに注目を集めていたりします。また、従来と同じ料金体系で維持できることと、端末購入費用が割安なことも魅力といえます。スマートフォンはキャリア経由で手に入れるとローエンド機でも現金価格が5~6万円、メインストリーム機では8~9万円するのに対し、ガラホは現金価格が4~5万円と格安になっています。

ガラホはその性質上、LINEやtwitterなどのソーシャルメディアとの連携を見据えて設計されています。また、auのガラホならばLTEに対応しているため、データパックを契約の上でテザリング親機として運用する方法もあります。需要、使い道ともに未知数ですが、概ねゲームや動画閲覧をあまりしないユーザーには向いている端末と言えます。

■端末目当ての番ポがなくなるか?
2006年から運用された番号ポータビリティ(MNP、番ポ)。電話番号を維持したままキャリアを変更できるサービスです。手続き上は現用のキャリアを解約したうえで転出し、新規契約扱いで他社へ転入する、というものです。その際に発行される予約番号を使うことで番ポが受けられるようになります。

本来、番ポは料金や通信品質の改善のために利用されるべきサービスでしたが、いつの間にやら実態とは大きく乖離した使われ方をしていたことが判明しました。各社が競って自社の優位点を訴えたうえで番ポの利用を促していたのですが、その過程で廃止されたはずのインセンティブ(販売奨励金)が事実上復活してしまっていたのです。具体的にいえば、番ポに対して各社が潤沢なインセンティブを用意していたのです。これによって、通常は現金価格が新規、機変では9~10万円もする端末が番ポにより1~2万円、場合によっては一括0円で手に入ってしまうのです。かつて問題視された、解約即新規によって安く機種変更する方法を彷彿させます。

なお、大方の場合、番ポによってキャッシュバックを受けられるようで、契約者は一銭も払わずに済むどころかかえって得をするケースもあります。つまり、多少のリスクを負ってでもタダで端末を手に入れて番ポ…を繰り返すことで機種変更し、番ポによってキャリアを渡り歩きながら大金を稼いでいた番ポ長者がこの世にいるわけです。これが政府当局に知れ渡れることになり、水面下で携帯料金の値下げが議論される中で話題に上ってしまいました。これからはそう易々と番ポできなくなることが確定しました。

これのどこが問題なのかと言うと、先に申した通り解約即新規と同じ轍を踏んでしまっていることです。本来はより良いサービスや通信品質を確保するための「最後の切り札」として使われるべきサービスですが、機種変更のために使われる本末転倒の状態に陥っています。もちろん、キャリアにとってはこのような契約者は厄介者であり、同じ回線を機種変更を繰り返しながら長く使っている契約者にとっても社会の迷惑と言える存在です。つまり、番ポでキャリアを渡り歩く契約者はそうでない契約者から見れば不公平の塊そのものなのです。

と言うことで、2015年は携帯業界にとってターニングポイントになり得る1年でした。果たして、2015年を代表する機種はどれなのか、まずはキャリア端末をおさらいしてみることにします。

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2015年12月19日 (土)

スマホとカメラの融合を目指して

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だいぶ久しぶりの更新になります。今年も例のアレを企画しているので乞うご期待。

ソニーのサイバーショット、DSC-WX350を入手しました。今ではすっかり珍しくなった、エントリークラスのコンパクトデジカメです。この価格帯でNFC連携機能やWi-Fiに対応しているうえ、20倍高倍率ズームに対応しているのでスマホと一緒に携帯している方もいらっしゃるのではないでしょうか。「撮影できるがズームできない」で、某H/Oにて市中相場の1割程度(!)で入手できましたw 現行機種なのに激安で手に入ってしまいました。

ちなみに、ズームできない不具合は組み付け不良が原因でズームレバーが機能していなかったためだったようで、組み直した結果解決しました。恐らくこれ、前オーナーに弄られてそうですね…。いずれ修理に出したいですが修理代は16,200円だそうで、躊躇しがちです…。

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ご存知の方も多いかと思いますが、現在のサイバーショットはメモリースティックとSDカードのデュアル対応となっています。ただし、排他利用となるため同時に使うことはできません。メモリースティックとSDカードでは挿入する向きが逆になっています。

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バッテリーはあのRX100シリーズと同じNP-BX1が使えます。このバッテリーは結構汎用性が高いようで、大方の現行機種にて対応しています。定格は3.7V1,240mAhと、容量も申し分ないです。

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「MULTI」端子ですが、実態はmicro-BタイプのUSB端子です。主に充電に使います。ここまで見てますと、今までのソニーと比べてだいぶ変わったなあ…。10年前と比べるとウソのようです。10年前だとクレードル併用を想定した専用端子、メモリースティック専用、機種によって違う電池パックの種類とユーザーフレンドリーではなかったんですから…。

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セットアップを進めるとこのような画面が出ました。なるほど、アプリケーションはダウンロードが当たり前になっているんですね。なお、サイバーショットに必要なアプリケーションはこちらからダウンロードするようになっています。だから付属品にアプリケーションCD-ROMがなかったんですね…。

高画素のデジカメ導入が急務でしたが、これでなんとか次に繋げそうです。この機種はプログラム露出専用の上にフルオートシーン認識対応ですが、そのシーン認識がものすごく速いです。これなら気軽に動画と写真を撮るためのサード候補決定ですね。一刻も早くメイン候補のPowerShot G7 Xを手に入れたいですが…。

18メガピクセルカメラなので、Xperia Zシリーズと色々と撮り比べてみたいと思います。また、目玉のWi-Fi機能やNFC機能の活用なども後ほど報告します。

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ちなみにこれ、FIFA公認デジカメの1つだったそうです。ソニーはブラジル大会を最後にワールドカップオフィシャルスポンサーを降りてしまいましたから、今後はこのような表記を見ることがなくなりそうですね…。

■良いところ
・SDカードとメモリースティック対応なのでメディアで悩まずに済む
・きびきびとしたレスポンスでレリーズラグも少なく、自動シーン認識も瞬速
・USBから電源供給できるのでモバイル電源も使える
・ツァイスの眼ではないが、ミノルタのDNAを受け継いだGレンズを搭載している
・ワイド端が25mm、このサイズで高倍率ズーム対応なので嵩張らない

■微妙なところ
・モードダイヤルが微妙に固く、ボタンがキツキツで操作しにくい
・レスポンスが良すぎるので誤操作が頻発する
・メモリースティックは差しこみが不十分だと飛び出してしまうことがある
・価格相応なので画質もそれなり、屋内撮影がとにかく苦手の様子
・操作音がAF時と撮影時しか鳴らない

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