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2015年12月28日 (月)

筆者の選ぶクソケータイ・オブ・ザ・イヤー2015

筆者の選ぶケータイ・オブ・ザ・イヤー2015に輝いたのはGoogle純正のスマートフォン、Nexus 5Xでした。破綻なく堅実なスペックを求めたこと、キャリアモデルがY!mobileの独占を崩してNTTドコモでも販売されたこと、常に最新のAndroidに触れられる楽しみ、そして指紋センサーやUSB Type-C対応などOSレベルで標準対応した機能やインターフェイスを搭載していたことが決め手になりました。

さて、本家大元はどれがトップに輝いたのか、過去の結果から見てお分かりですね? それは後ほど発表したいと思います。一方で、今度は2015年に(店頭で)発売された中で最もイマイチだった端末を選出してみたいと思います。今まで、筆者の選ぶクソケータイ・オブ・ザ・イヤーは明らかに使用感の悪い端末ばかりが選出されてしまっていました。

・ケータイアップデートに時間がかかりすぎる上にどの機能を使おうにも苦痛というバグの山のREGZA Phone IS04/TSI04

薄くするのにこだわり過ぎてスマートフォンの基本を煮詰めることを怠った結果、暴走やタッチ不良を起こしてしまったMEDIAS X N-07D

ARROWS X F-10Dの失敗から何も学ばなかったうえ、日本製にこだわるドコモが面子を立てるべく国産LTEモデムチップ搭載を強制された結果、通信もパフォーマンスもガタガタになってしまったARROWS X F-02E

ところが、AQUOS CRYSTAL 305SHは端末そのものはきちんと使えるのに、音質がいいのか悪いのか分からないスピーカーとの抱き合わせ商法によりユーザーの評判を落とした新たな形のクソケータイとして評価され、筆者の選ぶクソケータイ・オブ・ザ・イヤー2014を勝ち取ってしまいました。

今年はどの端末がその不名誉に輝いてしまうでしょうか、いよいよクソケータイ・オブ・ザ・イヤー2015を発表したいと思います!

■大賞
LG Fx0 LGL25
(LGエレクトロニクスジャパン株式会社)
―Designed for "Gyiygs", but not designed for "Geeks".

Lgl25

なんと、史上初めてケータイ・オブ・ザ・イヤーとクソケータイ・オブ・ザ・イヤーに同じメーカーの端末が選出される椿事となってしまいましたw 本来は2014年に発表された端末でしたが、年末発表ということで今年の初めに発売されたものです。発売の経緯から一般消費者の眼に触れることなくひっそりと姿を消したことと時が経つにつれてどんどん空気と化していったほどの存在感の薄さ、そしてスマートフォン向けFirefox OSの開発終了で役目を終えてしまったことが決め手となりました。

[選評]
iPhoneやAndroidスマートフォンは高機能化および高性能化に伴い端末価格が高騰してしまいました。それに伴い、安価な端末で抜群なユーザーエクスペリエンスを追究すべく、ポストiPhoneまたはポストAndroidとなるプラットフォームを模索する動きも見られました。その中で、2014年にFirefox OSやサムスン電子が主導するTizen(タイゼン)がポストiPhone、ポストAndroid候補として浮上しました。

特に、サムスンはTizen端末の発売に前向きで、ドコモの欠番となってしまったSC-03FをTizenスマートフォンとして発売しようともくろんでいたほどです。結局、ドコモ側の市場判断によってSC-03Fの発売が水泡に帰すも、Tizenは現在、サムスンのGearシリーズや新興国向けに発売されたスマートフォン用のプラットフォームとして生き残っています。

一方、Firefox OSはHTML5の持つポテンシャルを最大限に秘めていたプラットフォームと言えます。元々、HTML5は様々なプラグインを置換すべく開発された経緯があり、これが普及すればプラグインが一切不要になるとまで言及されていたほどでした。このHTML5の持つ性格を生かして、Webアプリを動かそうとして考案されたのがFirefox OSのランタイム環境であるといえます。そのランタイム環境はFirefoxのレンダリングエンジン、Geckoそのものでした。

実は、KDDI株式会社は2013年の地点で早くもFirefox OS機の開発に意欲を示していました。それは、前述するWebアプリの開発やIoT連携システムを作りやすいことが決め手になりました。通常のアプリはC言語やJavaScriptに習熟していなければ開発が容易ならざるのに対し、Firefox OS用のアプリは比較的習得が容易なHTML言語で開発できたのです。

KDDIはこのFx0の売り込みにかなり力を入れていました。Geek(ギーク)層を意識して、デザインは内部の回路が透けて見えるスケルトン仕様となっており、アンテナやバッテリーまで透けて見えるようになっていました。プロダクトデザイナーにはX-RAYの開発に携わった実績のある世界的なデザインアーティスト、吉岡徳仁氏が起用されました。X-RAYを見かけたことがある方なら、吉岡氏のデザインだと一目でわかったはずでしょう。このデザインは、後述するFirefox OSの理念を示していました。ビスを金メッキしたりホームキーにFirefoxのロゴモチーフにもなっているキツネのシルエットをあしらうなど、ちょっとした遊び心もあるデザインになっていました。実際、この独創的なデザインにより2015年度のグッドデザイン賞を受賞していました。

チップセットはSnapdragon 400 MSM8926(Cortex-A7/1.20GHz×4)、RAM容量は1.5GB、内蔵ストレージ容量は16GBとなっていました。外部メモリーは64GBまでのmicroSDXCカード対応、4.7型HD解像度のIPS液晶をディスプレイとし、8メガピクセルカメラを搭載しており、フルハイビジョン動画の撮影も可能になっていました。この頃発売された端末としては珍しく電池パックが着脱可能で、容量もこのクラスでは平均的な2,370mAhとなっていました。このように、当時の同時期のスマートフォンと比べても遜色ないスペックを誇っていました。販路によっては透明な電池カバーが特典として貰えました。

Fx0専用に安価な料金プランを設けたり、専用サイトを設けて技術仕様を誰でも参照できるようにしたり、Fx0向けアクセサリーの開発支援用データを公開したりと、KDDI側が相当セールスに力を入れていたように見えますが…。

発売の地点で暗雲が立ち込めていました。

というのも、筆者の地元では取り扱いそのものがなかったためです。正確にいえば、販売店側が取り扱いを渋ってしまったのです。auの主要サービスに対応しない、アプリやゲームもiOSやAndroidと比べると圧倒的に少ないか全くない、そして消費者がスマートフォンに求める機能が全くない…これらないない尽くしで転売ヤー大喜びになること請け合いと判断して敢えて扱わないことにしてしまった販売店が続出したようです。

あくまでも、一般消費者はスマートフォンのプラットフォームを選ぶうえで既製のアプリがどれだけ使えるか、どのサービスに対応しているかを重視するので、からっきし対応できていないFx0は魅力がないと見えていたのでしょう。一応、Fx0は「なければ作れ」というGeekの伝統を地で行くモデルデザインになっていますが…。

当然、発売当初はユーザーの間で盛り上がっていたのもつかの間、Web上の特集記事や情報量が少なくなるにつれ、徐々に存在を忘れられてしまいました。一方で、モバイルマニア層はといえば…華麗にスルーしていました。ごくごく一部の層は珍しい端末だからと飛びついていたようですが、それでもすぐ飽きられてしまったようです。この地点で、マニア層からはFirefox OSが見限られていたことが伺えます。そして、一般消費者の認知度はといえば…限りなく0に近い悲惨な有り様でした。その後は草の根でハッカソンが繰り広げられているくらいでした。が…

後に、本丸であるMozillaより、2015年12月9日をもってスマートフォン向けのFirefox OSの開発を終了することが発表され、今後はIoT分野に注力される旨が発表されました。これにより、1年近く販売されてきたFx0の展開に事実上、終止符が打たれることになってしまいました。そうです、Firefox OSはモバイルOSとしてはAndroidやiOSの牙城を崩すことなく儚く散っていったのです。

Firefox OSの開発者の弁によれば、既存のモバイルOSは壁で囲まれた庭のようなもの(=クローズドプラットフォーム)であり、Firefox OSは多くの開発者の存在によって完全なオープン環境を実現しているとしていましたが、実際は想定していたライバル、Androidのほうもオープンソースによって開発されていたプラットフォームであることが伺えます。また、iOSとAndroidの双方ともカーネル単位でUNIX系という点で共通しており、iOSアプリ開発経験があれば容易くAndroidアプリも開発できるようになっていました。一方、Firefox OSは市場が確立される前に消えゆく運命をたどったため、(スマートフォン向けOSとしては)皮肉なことに壁で囲まれた庭のようなものになってしまいました。

今なお、大量のFx0が売れ残っているようで、auオンラインショップで今も容易く手に入ってしまいます。モノホンのGeekなら、カスタムROMを焼いてAndroidスマートフォンにするか、Windows Phoneにして運用すべきでしょう。

何しろ、KDDIがFirefox OSで何をやりたかったのかもいささか疑問に残ります。開発者向けスマートフォンならばNexusシリーズがありますから、それを一般に販売するだけでもよかったのではなかったでしょうか。Nexusシリーズは確かに防水でなかったり日本向け機能がなかったりしますが、それでもAndroid端末なので人気アプリも余裕で対応しているためFx0よりもよっぽどか売りやすかったりするのですが…。auでNexus 5Xを扱えなかったのはFx0をめぐるLGとの軋轢やほぼ同一スペックのisai vivid LGL32との競合を避けたかったことが背景にあったのでしょう。

続いて、幸いにも(?)次点にとどまった端末を紹介したいと思います。

[次点]

■ジャパンプレミアム賞
Apple iPhone 6s/iPhone 6s Plus
(Apple Japan合同会社)

―円安で上がりすぎた現金価格に契約者が阿鼻叫喚

Iphone_6s_family


iPhone 6sはインプレスが実施した読者が選ぶケータイ・オブ・ザ・イヤー2015のトップを勝ち取った端末。後述の理由でiPhone 6s Plusは5位にとどまってしまった。

Apple A8の非力さと1GBしかないRAMのやりくりによって生じたパフォーマンス低下を改善したApple A9においてやっとRAMが2GBに大容量化し、コプロセッサであるApple Mシリーズもチップセットに統合されることになった。また、ディスプレイの裏にフォースフィードバック機構の一種である3D Touchを採用。また、カメラは12メガピクセルに進化しており、やっとiPhoneでも4K動画が撮れるようになった。

しかし、円安が進んでいったことで端末価格は今までと比べるととんでもなく高くなってしまった。それでもNTTドコモはなんとか月々サポートの額に差をつけることでごまかすことができたが、他社では敢え無く10万オーバーの価格設定を余儀なくされてしまったため、いくら分割払いでの購入を望んでも割賦販売法の壁に立ちはだかり、一括で10万も出さなければ買えなくなったため泣く泣く諦めた契約者も少なくないことだろう。特に、大画面のiPhone 6s Plusではなおさらその傾向が目立ってしまった。

特に、F1層(20~34歳女性)にとってはスマートフォンといえば(周辺に配慮して)事実上これ一択しかない方も多く、16GBではキツキツすぎるので大容量の機種を望んでいる方が多いだけに、実質負担よりも現金価格の設定に配慮してもらいたかったものだ。

■青二才賞
UPQ Phone A01
(株式会社UPQ)
―拙速すぎたベンチャーの格安スマホ


Upq_phone_a01


カシオ計算機出身の女性が社長を務めるUPQ(アップキュー)DMM.makeの支援を受けて開発したSIMフリースマートフォンの第1号機。14,500円ながらLTEに対応していることが特徴。日本でデザインされたスマートフォンとして珍しく、デュアルSIMスロットを搭載している。いち早くAndroid 5.1を搭載してきたことでも話題になった。

しかし、EMS業者の手違いにより技適認証がまだの状態で出荷されたために全数回収する憂き目に遭い、購入者は認証済みの個体を受け取れるのを待つか返品するかを迫られてしまった。後には、スペック詐称問題も発覚してしまった。搭載されているMediaTek MT6735がCortex-A53/1.30GHz×4コアだったにもかかわらず、1.50GHz×4コアと宣伝してしまったのである。とはいえ、いずれもメーカー側が早急に対処してくれたことを忘れてはならない。

現在は販売終了となっており、後継機としてマイナーチェンジ版で定価が14,800円になったUPQ Phone A01Xが発売中なので、興味のある方は入手をお勧めしたい。本体ストレージが16GBに倍増されている上に、SIMフリースマホの入門にうってつけと思われるためである。

■企業問題賞
VAIO Phone VA-10J
(VAIO株式会社/日本通信株式会社)
―VAIOブランドを名乗るにはあまりにも分不相応

Va10j


Nexusシリーズを別とすれば、日本で初めてAndroid 5.0をインストールされた状態で出荷されたスマートフォン。Snapdragon 410 MSM8916、RAM2GB、ROM16GB、5.0型HD液晶、そして13メガピクセルカメラとツボを押さえたスペックが特徴。なお、開発・生産は広達電脳(クオンタ・コンピューター)に委託している。日本初のMVNOとして知られる日本通信株式会社と、ソニー株式会社からPC事業がスピンオフしたVAIO株式会社が共同で企画し、端末デザインやプリセットコンテンツを監修している。そのため、SIMフリー市場においてVAIO Phoneは大いに期待されていたのである。繰り返すが、期待「されていた」のだった。

しかし、それは悪い意味で裏切られることになってしまった。端末の作りこみは並だが、肝心の付随する回線の通信速度が尋常でなく遅かったことが指摘されている。それだけにとどまらず、パナソニックが海外市場で販売しているELUGA U2との同一性が発覚したが、VAIO、日本通信ともに一切それを認めなかった企業姿勢にも疑念を抱かざるをえない。なぜなら、ELUGA U2が日本円で3万円台だったのに対し、VAIO Phoneは51,000円と、ベースモデルよりも2万円も高く設定されていたからである。

■すれ違い賞
Samsung Galaxy Active neo SC-01H
(サムスン電子ジャパン株式会社)
―Galaxy Note 5を出さずにこれかよ?!


Sc01h


日本市場でのサムスンの迷走を象徴する端末。Galaxy S5 Active SC-02Gは耐衝撃を謳いながら、弾みでリアカバーが外れてしまうことがあったため、この機種で改良の末それを解決できたのだが…。多くのGalaxyユーザーがGalaxy Note 5を渇望していたにもかかわらずその願いを無残にも打ち砕く存在となってしまった。

この頃のサムスンは戦略の過ちが多すぎるように思う。エッジディスプレイが不評だったGalaxy Note Edgeの発売、不興を買ったメーカーを表に出さないマーケティング、戦略機であるはずのGalaxy S6/S6 Edgeの売れ行き不振などに加え、ニーズに合った機種をまともに出せていない。auでも、Galaxy Note 5の代わりになるかどうか怪しいGalaxy A8 SCV32を発売しているが、今後はどこに向かうのだろうか…。

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コメント

>>マグマ大佐殿
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

本来のGeek向けスマホはNexusシリーズであるべきですが、やはり「無ければ作れ」の精神はスマホには通用しなかったですね…。古くはX68000ユーザーの合言葉になってましたけど。

今年は様々な意味でモバイル業界変革の1年になりそうです。特に番ポがかなーり難しくなりそうですね。

明けましておめでとうございます。

お互いに良い年にしたいですね。

それにしてもFirefoxOSスマホが2015の端末だったなんて意外でした。

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