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2014年12月30日 (火)

筆者の選ぶクソケータイ・オブ・ザ・イヤー2014

本家大元からケータイ・オブ・ザ・イヤー2014が発表されました。結果は後ほど発表するとして、販路の問題から実機を目にすることができなかったものの、筆者としては華為技術のAscend Mate7が完全SIMフリー端末として3位にランクインしたのが予想外でした。また、筆者の選ぶケータイ・オブ・ザ・イヤー2014大賞のXperia Z3のうち、SO-01Gはかろうじてトップ5にランクできました。フィーチャーフォン賞を受賞したN-01Gは実際にフィーチャーフォンとして最上位にランクしていました。

今年発売された端末で最もイマイチだった機種を選定するクソケータイ・オブ・ザ・イヤー2014を発表したいと思います。今までの大賞は全て日本勢。勿論、これらは今も見直されることなく安定の低評価です。

2011年: FUJITSU/TOSHIBA REGZA PHONE IS04(TSI04)
2012年: NEC MEDIAS X N-07D
2013年: FUJITSU ARROWS X F-02E

果たして、今年はどの機種がその不名誉に輝いてしまうのでしょうか? 発表したいと思います。

■大賞: SHARP AQUOS CRYSTAL SoftBank 305SH (シャープ株式会社)
―羊頭狗肉のソフトバンク商法、ここに極まれり!

Sbm305sh

この機種がクソケータイ・オブ・ザ・イヤー2014に選出されてしまいました。今まではUX(ユーザーエクスペリエンス)が悪い機種がノミネートされる傾向にありましたが、今ではもはやiOSやAndroidも落ちることがほとんどなくなりました。むしろ、本機が大賞に選出された理由はズバリ、販売方法にありました。良くも悪くもソフトバンクが馬脚を現しているのです。

[選評]
ソフトバンクモバイル株式会社が同社の僕としてきたシャープ株式会社と社運をかけて買収したスプリント社と共同で開発した端末。位置付け的にはローエンド端末とされ、日本では2年間の継続契約を前提に24回払いにすることで実質負担が0円となるなど、ハイコストパフォーマンスである点をアピールしていました。端末スペックも人によっては物足りないと感じられるものの実用上申し分ないものでした。一部では日本向け機能の搭載をあえて見送ったことが賛美されていたことからもそれが伺い知れます。おサイフケータイにも対応せず、プラスチックのFeliCaカードを挟みこめるジャケットがオプションとして販売または配布されていました。

チップセットはクアルコムでは珍しく純粋なCortex-A7マイクロアーキテクチャによるSnapdragon 400 MSM8926(1.20GHz×4コア)、RAM1.5GB、ROM8GB(そのうち、約4GBがユーザーエリア)、ディスプレイはEDGEST技術からさらに踏み込んでフレームレス構造とした5.0型S-CG Silicon液晶(1,280×720pixel)搭載、通信方式はAXGPによるSoftBank 4GとFDD-LTEによるSoftBank 4G LTEの双方に対応したHYBRID 4G方式を採用と、一通りのツボは抑えてありました。また、UMTS網を使って従来よりも高音質な通話ができるHD Voice (3G)とVoLTEの双方にも、後日提供されるアップデートで対応されることになっており、まずは前者へ対応するためのアップデートが配信されました。

ただし、レンズ効果を狙ってディスプレイカバーにカット処理を施したアクリルを採用した点は硬度が低く傷つきに弱いことや加水分解により自然劣化しやすいことを嫌っているユーザーも少なくなく、賛否両論が目立ちます。もっともこれは粗悪品で起こりうることであって、実際はハードコーティングや劣化防止のために品質改良がなされているのでそんなに憂慮すべきではありません。今のアクリル樹脂は有機ガラスと言われるほど、ガラスの代替品として進化を遂げているからです。

一見して、これがクソケータイではないように見えるかもしれません。それもそのはず、本機がクソケータイに堕ちた理由はソフトバンクによる阿漕な販売戦略にありました。様々な意味でつっこみどころ満載です。詳しくは、こちらを参照してみてください。

Onyx_studio

[こんなスピーカーつけるんだったら、サイテーションXX/XXPとJBL 4312を付けてくれ!]
その最たるは、ハーマンカードンのBluetoothスピーカー、Onyx Studio(オニキススタジオ)がもれなく付属してくること。ソフトバンクモバイル側では「北米市場で300ドル相当で販売されている」とアピールされていましたが、実際はAmazon.co.jp諸経費も含めればたったの1万円強で手に入るものでした。なんと、上位機種のAQUOS CRYSTAL X SoftBank 402SHにもこれを抱き合わせる茶番をやってのけていました。

このOnyx Studio、毀誉褒貶がとても激しい製品で、「高音質=豊かな重低音」だと思い込んでいる人にとってはとても評判が高いですが、一方で今後のスマートフォンに必要不可欠な高音質伝送規格、apt-Xに対応していないことを知ったユーザーからはゴミ扱いされ、ナチュラルな音を好む人からは「低音と高音のバランスが不釣り合いで気持ち悪い」などのレビューも目立ちました。背面のmicroUSB端子はサービス専用端子で、外部入力端子も付いていないことからワイヤレス接続以外には使えませんでした。

極めつけは本体価格。1万円もしないスピーカーを付けているのに、現金価格は驚愕の54,480円。前述のAQUOS CRYSTAL Xの69,120円よりも15,000円ほどしか安くなっておらず割高感がぬぐえません。おそらく、ソフトバンクの算段ではスピーカーが300ドル、本機が240ドルで販売されていると見込んでこのような価格にしたでしょうが、いくらローエンド機とはいえこれは高すぎました。

以前からソフトバンクユーザーからは抱き合わせ販売が問題視されてきていましたが、これは悪い意味でその集大成となった端末になってしまいました。このような販売方法がなくなることを切に祈るばかりです。

■次点

殿様商売賞: iPhone 6 / iPhone 6 Plus (Apple Japan合同会社)
―とうとう馬脚を現し始めたトップリーダー

Iphone_6_family_2014


本家大元の「読者が選ぶケータイ・オブ・ザ・イヤー2014」をワンツーフィニッシュで制した端末。iPhoneシリーズで初めて曲面ガラスを採用し、iPhone 4以来採用してきたステンレスフレームの採用をやめて薄型化しつつ、iPhone 5以降のデザインと機能を承継してきた。今回から2つのサイズが用意され、画面と容量の双方で選択の幅が広がったといえるだろう。将来的にはVoLTEにも対応できる可能性がある。

ただし、その出来は筆者が「歴代最悪」と評したiPhone 4をも下回るものだった。64bit化で肥大化したiOS 8にCycloneデュアルコア1.4GHzのApple A8、1GBのRAMが耐えられるはずもなく、ひたすらにRAM容量の開放を余儀なくされ、その影響でかつてのAndroid端末を彷彿させるもっさりとした動作になってしまった。また、一部のロットでは本体に触れているだけで少し感電してしまうものもあった。更に、128GBモデルのほとんどでeMMCに致命的欠陥が見つかったことも話題になってしまった。一部では、カメラ周りが出っ張っている点もすこぶる不評だった。

鳴り物入りで開発された5.5型フルハイビジョン液晶のiPhone 6 Plusも熱烈なiPhoneファンとして知られる夏野剛から「老眼フォン」と揶揄されてしまうほど酷評されてしまった。現在はiOSの頻繁なアップデートでUXの面では持ち直しつつあるものの、相変わらずハードウェア面は問題だらけになっている。日本におけるスマートフォンの代名詞的存在がこの有り様では非常に情けないものがある。

コレジャナイ賞: SONY Xperia ZL2 SOL25 (ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社)
―スイーツ(笑)の悪夢再び

Sol25


人気機種と同じスペックでも、キャリアによるカスタマイズが入ると不格好になってしまういい例。Xperia UL SOL22の後継機になることを狙って開発されたが、Xperia Z2 SO-03Fの良さを受け継ぎつつ無難に仕上がっていた。キャリアアグリゲーション(CA)やWiMAX2+に対応しており、基本性能は悪くない。台湾でもほんの短い間ながら、Xperia Z2aとして発売されていたこともあった。

しかし、オールプラスチック製のボディを採用したため、「ランチパック」と揶揄されるほど質感のなくなったデザインは賛否両論だった。それでもなんだかんだ言われつつも売れ筋にはなっていた。やはり、auでもZ2そのままのデザインで出してほしかったという意見が多かったのだ。実際、ケータイ・オブ・ザ・イヤー2014でもXperiaシリーズで唯一ランク圏外になってしまった悲運の端末だった。

黄昏賞: SAMSUNG GALAXY S5 ACTIVE SC-02G (サムスン電子ジャパン株式会社)
―見えてる地雷、耐衝撃性能は見せかけだけ

Sc02g

一時、唯一のハイスペック機としてモバイラーから支持を受けたサムスン電子のGALAXYシリーズ落日の象徴。GALAXY S5 SC-04Fの耐衝撃版という触れ込みだが、落下させると裏蓋が外れてしまうという耐衝撃性能を売りにした端末にはあってはならない欠陥を抱えていた。ここは裏蓋をビス止めするなどすべきだっただろう。SGS5譲りの高性能だが、USB端子がUSB3.0からUSB2.0へスペックダウンされるなど、本家から劣化した点も少なくない。

販売面でも非常に旨みがなく、新規・機変では現金価格が93,312円、実質負担額が5万円台と、とんでもなく高く設定されていた。今では番ポに頼る販売施策をとっている。かといって、GALAXYシリーズは世界で最も売れているスマートフォンだが日本では「SMALL IN JAPAN」扱いされるほどブランド衰退が著しいので、誰が欲しがるのやら、それは神のみぞ知る…。

[筆者の選ぶクソタブレット・オブ・ザ・イヤー2014]
タブレットもスマートフォンと同じく成熟市場と化していきましたが、中には期待されたほどパフォーマンスが出なかったものもあります。昨年のクソタブレット・オブ・ザ・イヤーだったヤマダ電機のEveryPadは今年発売された新モデルでかなり使える普通のタブレットになってしまいました。果たして、今年のクソタブレット・オブ・ザ・イヤーはどれになってしまうでしょうか?

■大賞: Apple iPad mini 3 (Apple Japan合同会社)
―進化無き改良に終始

Ipad_mini3

まさか、大賞にこの手のトップリーダーが選出されるとは筆者も想像だにできませんでした。ちなみに大元のiPad Air 2タブレット・オブ・ザ・イヤー2014次点に輝いています。やはり今回もクソタブレット・オブ・ザ・イヤー2014に関しては次点を設けないことにしました。

[選評]
このiPad mini 3は、実態としてはiPad mini Retinaモデル、後のiPad mini 2のマイナーチェンジ版という位置づけで、mini 2との差異はApple Payに対応したことと、ホームボタンが指紋センサーTouch ID一体型になったことだけ。つまり、基本的なスペックはiPad mini 2とほとんど変わらず、Apple A7+M7とRAM1GBという代わり映えしないスペックになってしまいました。iPad Air 2がトリプルコアチップのApple A8X+M8と2GBのRAMを搭載したこととは対照的です。当然、ユーザーからの評判も芳しくなく、スペックに進歩が見られないまま肥大化したiOS8搭載となったことで、iPhone 6同様に処理にもたつきが生じるようになってしまいました。

Ipad_mini3a

元々、スティーヴ・ジョブズ氏はAppleの7型タブレットの発売に否定的でした。それを無視してまで現在のCEOのティム・クック氏がゴリ押しでiPad miniとして発売したのですが、初代はとんでもなく粗いXGA液晶搭載になり、2代目でやっとiPad Airと兄弟関係になるまでスペックの進化が見られたものの、それ以上にAndroid陣営のタブレットの進化はすさまじいものがありました。主に中国勢の主戦場になった、Cortex-A7クアッドコアを採用したチップを搭載した低価格機が台頭してきただけでなく、Nexus 7 (2013)が価格を超えたパフォーマンスを誇っていたのです。

つまり、スペック不相応に高価なiPad miniシリーズはスペック競争を経験することなくモデルチェンジを余儀なくされたほか、スペック競争や価格競争の結果、安価で高性能なAndroidタブレットに真っ向勝負を仕掛けなければならなかったのです。そしてジョブズ氏の予見通り、iPad mini 3よりもiPad Air 2を選ぶユーザーが増えてしまう結果となり、ついにAppleもiPad miniシリーズにとどめを差すことを余儀なくされてしまいました。なお、iPad miniシリーズは2015年を以て生産終了することが噂されています。

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コメント

>>マグマ大佐殿
(コメント時期の関係で)新年明けましておめでとうございます。
昨年も色々とありがとうございました。今年もよろしくお願いいたします。

Mate7はなんといっても、日本ではめったにお目にかかれないbig.LITTLE処理を採用したスマホですからね。興味があれば買いだと思います。

Mate7は何気に電車吊り広告見てもう少し安かったら試したいと思ってた端末でしたが、ケータイWatchでそんなランクだったのですね。

iPad miniが終わるの知らなかったw

今年も色々とありがとうございました。

来年も宜しくお付き合いのほど宜しくお願い致します。

>>たけぞ~さん
全くその通りですよ。おっしゃることが全てですね。
北米事業がうまくいっていないせいか、この頃は乱脈経営に手を染め始めたようです。

そのスピーカー、中古にも結構流れていて、某H/Oに何台か入っていたのを見たことがあります。
やっぱり評判が悪かったんですかねえ。かつては超高級オーディオの世界で幅を利かせていたハーマンカードンがこの有り様では泣けてきます。

このOnyx、最初はソフトバンクが今年春の乗り換えキャンペーンの特典の一つとして用意されたもので、かなりの数が残ってしまったはずです。
米国Amazonでは150ドルで売られ、ヤフオクでは落札最安値が6000円を切ってました。
実物はせいぜい1万円クラスのBluetoothスピーカーですね。
きっとアメリカで売れ行きの良くなかったものを値切って大量に仕入れたんじゃないでしょうかね。
ソフトバンクの得意な抱き合わせ販売に慣れてしまった販売店(キャリアショップも含む)では、付属であるはずのコレを『MNP予約特典』とか『今なら無料でプレゼント』とか言ってるところがありました。
もう『ソフトバンク』と聞くと最初に連想する単語は『詐欺』しか出てきませんよ。
まぁ親分があの人ですからね。

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