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2014年10月 2日 (木)

東通工三社祭前夜

Xperiaの話題が続きます。2014年10月1日、ソフトバンクモバイル株式会社よりソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社のスマートフォン、Xperia Z3 SoftBank 401SOを取り扱うことが発表されました。これで大手3社でXperiaを取り扱える環境が整うこととなりました。現金価格は69,120円と、他社よりも安めの設定になっています。

Softbank_401so


ソフトバンクはキャリアネームを変えながらも断続的にソニー製端末を扱っていました。歴史的経緯からどちらかといえばツーカーとの関係がやや濃厚で、デジタルホンではなくデジタルツーカー各社ツーカーセルラーツーカーホン関西に端末を納入していました。なお、それぞれが以下のような関係になっています。

ツーカー・TH261=デジタルツーカー・タイプSO
ツーカー・TH271=デジタルツーカー・タイプSO2
ツーカー・TH281=デジタルツーカー・タイプSO3
ツーカー・TH291=デジタルツーカー・タイプSO4=J-PHONE・J-SY01


J-PHONE時代に全国販売になったのは、1999年に発売されたJ-SY01が最初で最後でした。ソニーらしく「クルクル、ピッピッ」で有名なジョグダイヤルを搭載しています。実はツーカーのTH291、デジタルツーカーのタイプSO4の姉妹機で、実際、グッドデザイン賞を受賞したTH291と同じくデザインや大容量バッテリーを搭載したことによる電池持ちの良さが当時、主に高く評価されていました。iモードよりも先行してサービスしていたコンテンツサービス、スカイウォーカーにも標準対応しており当時の最先端を行く機種でした。しかし、ソニーはその後、徐々にドコモとIDO/DDIセルラー(後のau)に注力する方針となり、J-PHONEから遠ざかってしまいました。

それから5年。ソニーもSO503iやC406Sのリコールで懲りて不振の携帯電話事業を切り離し、同じくBtoB専業になるために携帯電話事業の合弁元を探していた世界的な通信設備メーカー、エリクソンと事業統合してソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズとなりました。一方のJ-PHONEも地域分社制をやめて全国画一化を図ったうえで母体の日本テレコムとの経営統合や当時の親会社だった英国ボーダフォンの意向による日本テレコム(現在のソフトバンクテレコム)の身売りを経験し、ついにボーダフォン日本法人となってしまいました。その経営再編により登記上、現在のソフトバンクモバイル株式会社の法人格は旧・日本テレコム株式会社のものを受け継いでいます。

その際、ソニー・エリクソンが海外でV800/Z800として発売していた端末をVodafone 802SEとして発売していました。ボーダフォン日本法人はJ-PHONE当時から次世代網として同じくPDC網を採用していたNTTドコモが欧州勢と開発していたW-CDMA方式を応用したUMTS網を採用する意向を決めており、ボーダフォンブランドになった当時はボーダフォングローバルスタンダード(VGS)としてV801SAやV801SHなどの端末の納入を受けていました。

しかし、既にCDMA 1x WINにより快適通信を実現していたauや、900iシリーズにより徐々にFOMAが普及していったドコモとは対照的に大きく水をあけられていました。そこでボーダフォンは国内各社のほか、世界各社から端末を調達して豊富なラインナップにしようとしましたが、Vodafone 702NKなど一部の例外を除き国産端末とあまりにも乖離した操作体系や対応するコンテンツサービスの少なさ、そして不具合の多さからクソケータイの烙印を捺される結果になってしまいました。なお、前述の702NKはNokia 6630として海外で発売されていたもので、日本におけるスマートフォンの先駆者の1つとなりました。

802SEもやはり、クソケータイの烙印を押された1台でした。デザインは秀逸だが不具合またはそう誤解される挙動が多かったのです。充電台にセットした際はあたかも台にちょこんと載っているように見える芸術的なデザインですが、実際に開いてみるとどうやって電話をかけるかわからないなど、日本の携帯ユーザーにとっては使いづらい端末でした。これによる禍根が原因なのか、ソニー・エリクソンはそれっきりボーダフォンへ戻ってくることはありませんでした。なお、この端末はソフトバンクモバイルのネットワーク整備により通話品質の低下が起こるとして、無償交換の対象となっていました。

あれから実に10年経ちます。ボーダフォン日本法人もソフトバンクに買収され、ソニー・エリクソンもエリクソンの資本撤退でソニーモバイルになりました。特に802SEの問題もあって、ソニーは二度とソフトバンクに戻ってこれないだろうと筆者は思っていました。しかし、Xperia Z2が発売中の折にXperia Z3がソフトバンクにも納入される旨を噂として聞いていました。そして、正式にソフトバンクへの納入が決定したわけです。

Softbank_401so2

[NFCマークが見えますがおサイフケータイが使えるのでご安心を]

ソフトバンクへの納入が決まった背景ですが、これは「話題のスマホ」と関係がありそうです。しかし、本当の理由はAQUOS CRYSTALシリーズと同じく、やはり将来的なスプリントへの調達を目指して水面下でソニーモバイルと交渉を重ねた結果が実を結んだ、とも言えます。北米市場ではAT&TT-Mobile USを中心にキャリアへ独自端末を納入していましたが、スプリントも一人負け状態を打開すべくXperia Z3の調達を目指したのでしょう。

(※)Xperia Z3は日米共同調達の対象ではありません。スプリントが採用しているCDMA2000方式には対応しないため、アメリカ放題などのCDMA2000を用いたローミングサービスには対応できないようです。

基本的な機能やスペックは先行して発表されたSO-01GSOL26とほとんど同じです。Zシリーズのオムニバランスデザインや、1枚のアルミプレートから削り出したシャーシは健在です。Xperia Z2にちょっと毛が生えた程度ですね。キャリア別の相違点として、VoLTE未対応のまま出荷、AXGPにも対応したHYBRID 4G LTEを通信方式として採用するなどがあります。

ソフトバンクはAndroidに力を入れたいとおっしゃっていたようですが、2013年発売の端末を中心にAndroid 4.4へのバージョンアップがおざなりにされているし、メーカーの顔触れがシャープ、富士通、京セラと冴えないし、発表会を取りやめにした真意がわからないし…で先行きが不透明そうに見えてしまいます。その中で日本では出せば必ず売れるソニーモバイルのXperiaを投入したことには一定の評価を与えたいですが、一方でサムスンやHTCを呼び戻し、LGを招いてラインナップを豪華にできたらなあ…という思いもあります。

あの「話題のスマホ」については日を改めて寸評をまとめてみたいと思っています。ソフトバンクはこれに頼ってなければ売る端末がほとんどないようなものですから…。

■参考
[ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社より]
Xperia Z3 SoftBank 401SOの製品情報
 

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コメント

>>パナ好きっこさん
確かに。それ以上に「モジュール契約」の異常な伸びはいかがなものかと思います。

それに、ソフトバンクのネットワークは設備メーカーがちょっとアレですからねえ…。

ソフトバンクで 売れているのは iPhoneと 3G携帯と シャープ4Gスマホだけかなぁ(;^_^A

けど ソフトバンク電波状態 相変わらず 悪い(−_−;)

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