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2014年2月

2014年2月13日 (木)

ヘッドホン界のセンモニ

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とうとう、世間で伝説のヘッドホンとして誉れ高いソニーのMDR-CD900STを買ってしまいました。定価18,000円(税別)でしたが、中古で4,000円程度だったのでつい…。思わぬところで筆者のヘッドホン選びの到達点といえる名機と出会ってしまったのです。発売されたのが1989年、一般販売が始まったのが1995年、そしてオリジナルたるMDR-CD900の発売は1986年ですから、いかにロングセラーなのかが伺えます。

なお、オリジナルたるMDR-CD900はその後、MDR-CD999MDR-Z900、ハイレゾ音源に対応したMDR-Z900HD、そして現在のMDR-Z1000へとつながっていきました。しかし、Z1000は定価が59,000円(税別)でCD900と比べて3倍に跳ね上がってしまったので、CD900の直系なのかといえば疑問が残ります。かなりこじつけっぽいですが、Z900HDの事実上の後継機はスマホユーザーからも高い評価を得ているMDR-1RMDR-1RMK2になるでしょうか(参照)。

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このMDR-CD900STは1986年発売のMDR-CD900(定価25,000円)よりはその廉価機のMDR-CD700(定価20,000円)に近いといえます。ドライバーユニットをそのままに低価格化を図ったもので、折りたたみ出来ないことやストレートケーブルを採用していることなどが共通点といえます。当時のCBSソニー、現在のソニー・ミュージックエンタテインメント(SMEJ)のレコーディングスタジオにおけるモニターヘッドホンとして開発されており、その音質が業界で評判になったことで一般販売が行われるようになったという生い立ちを持っています。なお、CD900は1992年にMDR-Z900(定価25,000円)が発売されたと同時に後継機のMDR-CD999(1988年発売、定価18,000円)とともに生産が中止されてしまいました。

写真はハウジングを拡大したところ。金属製で出来がいい部類ですね。型番の下に貼られた、当時のCDプレーヤーの名機CDP-555ESDなどでお目にかかれた独自フォントの「DIGITAL」がいい味出しています。

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業務用のため、直径6.3mmのステレオ標準ジャックのみ対応しています。筆者はオーディオを少しかじったことがありますが、一方で生活環境の変化によりミニジャック搭載機を使う局面が多くなっています。そのため、これを購入した某店で直径3.5mmのステレオミニプラグ変換アダプターも一緒に用意することが出来ました。これを装着すると…

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こんなにゴツくなりますw キャップ防水タイプのスマートフォンへこの状態で差し込んでみましたが一応大丈夫でした。しかし…ちょっと力を入れただけでバリっていってしまいそうです…。ここは、短めの延長ケーブルなどで対応したいと思います。iPhoneやキャップレスタイプのヘッドホン端子を搭載したスマートフォンへつっこむなら大丈夫だと思いますが。

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ちなみにこれがMDR-CD900STのプラグ。堅牢性重視でメタルボディかつ金メッキなしです。硬派ですね。

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ざっと試聴してみました。本当に30年ほど前の設計のヘッドホンなのか? と、思わず耳を疑ってしまいます。とにかく情報量たっぷりです。約30年前の設計ながら、この音では今でも通用する性能だと思いました。これは本当に伝説のヘッドホンと呼ぶにふさわしいポテンシャルを秘めています。

テレビにつないでソチオリンピック中継の音声を聴いてみると、あたかもその場にいるかのようで臨場感にあふれているのです。テレビのスピーカーからは聞こえてこない会場の空気までも感じ取られるほどでした。一方、このヘッドホンは入力ソースを激しく選り好みするようです。出力がショボいと最大音量でも本当に貧弱な音しか出ません。つまるところ、このヘッドホンをうまく鳴らすには出力ソースに相応の駆動力が求められます。

結論。
文句無しで我が家のリファレンスヘッドホンとなりました!

今までのリファレンス、ATH-PRO6よりも高いポテンシャルを秘めていたことがわかったのが決め手でしょう。ただし、PRO6には装着感の良さと定価10,000円(税別)を超えたモニター機にふさわしい高いコストパフォーマンスなど、なかなか捨てがたい魅力があります。

MDR-CD900STは元々業務用の製品。もし壊れたり経年劣化を起こしたりしたら自己修理できるだけのスキルを持っていなければ対処できないところもあります。粗雑に扱わない限り壊れることはないと思いますが。しかしながら、かつては幻のヘッドホン扱いされたこともありましたが、ネットや口コミで評判が広まった今では入手性もだいぶ良くなっています。興味を持たれた方は是非とも入手することをお勧めしたいです。

さて、これからはMDR-CD900STが基準になってしまうので、筆者のヘッドホン選びはかなり辛口にならざるをえませんね…。いつか、筆者のヘッドホン遍歴についてもこのblogで言及してみたいと思ってます。

■参考
・株式会社ソニー・ミュージックコミュニケーションズ(ヘッドホンの情報はこちら)
・HA-MX10

※株式会社JVCケンウッドが発売した、同様のコンセプトを持つヘッドホン。発表自体は日本ビクターとケンウッドが合併する前の2011年に行われた。こちらのほうがCD900STと比べるとやや入手性がよい。

2014年2月 8日 (土)

VAIOHAZARD

ソニー株式会社は2014年2月6日の中間決算発表で、日本産業パートナーズ株式会社(JIP)にVAIOブランドで知られるパーソナルコンピューター事業を分社化して譲渡すると発表しました。長年不振が続いているとささやかれていたソニーのパソコン事業でしたが、JIPが設立した新会社に事業承継する形で撤退することになりました。今後、ソニーのモバイル機器事業は特に日本でXperiaブランドの浸透が著しい、子会社のソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社が行っているスマートフォンやタブレット事業への集中する方針が決まっています。

2014年春モデルの発売を以てパソコンの開発を終了し、これらの生産終了を以てパソコン事業を終息させることになります。それまで発売された機種は当面はソニーが引き続きサポートを行うことになります。なお、新会社は日本産業パートナーズ株式会社が95%、ソニー株式会社が5%出資することになっています。また、主な拠点は長野県安曇野市にあるソニーイーエムシーエス株式会社長野テクノロジーサイトに置かれることになりました。

同時に、ソニーがコア事業と位置付けているテレビ事業(BRAVIA)がソニー株式会社100%出資の完全子会社として分社化されることも発表されました。4Kテレビ市場の成長を見込んだもので、同時に新興国対策を織り込んだ不退転の決断と言えます。

(ソニー株式会社より)
・PC事業の譲渡に関する意向確認書の締結について
・PC事業及びテレビ事業の変革について

ソニーは1997年からVAIOを展開していきましたが、業界にもたらした代表的な功績を挙げると以下のようなものになるでしょう。

PCG-505にて薄型モバイルノートを市場として確立させ、LaVie NX LBシリーズ、DynaBook SSシリーズ、Mebius PJシリーズなどのフォロワーを生んだ
・同じく、今まで黒や灰色が中心だったノートパソコンにおいてカラーバリエーションを豊富にするきっかけとなった
・バイオレットを基調としたカラーリングの機種を中心に揃えたことで、今まで白やアイボリーばかりだったデスクトップパソコンが(主にコンシューマー市場において)カラフルになるきっかけとなった
・早くからMPEGキャプチャーやIEEE1394端子、テレビチューナーを内蔵した機種をラインナップしており、今ではすっかり当たり前になってしまった動画のノンリニア編集環境パソコンテレビをいち早く実現していた
・MXシリーズにおいて音楽に特化した機種を発売し、権利関係という難題はあったものの音楽とパソコンの融合をいち早く実現していた
PCG-C1シリーズやVAIO Uシリーズなどの超小型パソコンを発表し、後のネットブックのコンセプトに大きな影響をもたらした

ここ最近のVAIOはかつてからの主要なユーザー層だったモバイラーを意識しすぎていたのか、全機種をUltrabookのアーキテクチャで開発していました。実はこれがVAIO低迷に拍車をかけたのではないかと筆者は分析しています。実際、2013年のVAIOでは、2012年以前と比べて大幅にラインナップをリストラしています。その後のラインナップはWindows 8のローンチとほぼ同じタイミングに開発された機種ばかりなのがわかります。Windows 8は今までのバージョンとは趣を変えて、Windows Phone 7以降で採用されたModern UI(Metro UI)によりタッチパネル対応を強化したOSとしてリリースされました。これがどういうわけか、ソニーにはパソコン事業再起のための好機としてとらえられていたようでした。

そのために、Windows 8のローンチからしばらくしてVAIO Zシリーズを、2012年度の終了とともに通常電圧版Core-i3/i5/i7を搭載するVAIO E/Sシリーズを販売終了し、Ultrabookとして発売していたVAIO Tシリーズを発展解消する形で2013年夏モデル以降は展開されることになりました。それ以前から展開していたVAIO TapシリーズVAIO Duoシリーズに加え、VAIO T15/T14シリーズがベースのVAIO Fitシリーズ、VAIO T13/T11シリーズがベースのVAIO Proシリーズの4シリーズに再編されることになりました。ボードPCのVAIO LシリーズもVAIO Tapシリーズに吸収される形で事実上消滅してしまいました。

しかし、スペックや可搬できることにこだわらない一般消費者にとって、この唐突ととれるVAIOの路線変更は到底受け入れがたいことでした。また、ハイエンド機を好むユーザーからはCore-i7 4700MQなどの標準電圧版のCPUを搭載したノートパソコンが出なくなったことからますます敬遠されてしまうことになりました。何を隠そう、筆者もクアッドコアCPUを搭載したパワーモバイル機、VAIO Sシリーズの後継機を切望していた1人でした。

こうして2013年秋冬モデルへとつながっていきましたが、部品調達の遅れにより主力に据えるはずだったVAIO Fit 14A/15Aの発売が延期される憂き目に遭い、商機を逸してしまいました。Windows 8初搭載モデルでもEMS業者へ受託していた生産が予定通りに進まずVAIO Tap 20やVAIO Eシリーズの一部機種で発売延期を起こした前科がありました。おそらく、低電圧版CPUや高精細液晶パネルの調達に支障をきたしていたのでしょう。

間もなくソニーとしては最後になるVAIOが発売されますが、筆者はどうも最近のラインナップが好きになれません。特に、デスクトップPCなのにUltrabook並みのスペックしかないVAIO Tap 20やタブレットPCのように使えるようにするために拡張性を犠牲にしてしまったVAIO Fit 15Aは首を傾げたくなるコンセプトです。筆者は未だに狭小ベゼルによりパワーモバイルPCとしては大画面の14.1型液晶を搭載したFMV-BIBLO MG75Xを愛用していますが、少なくともVAIOからはラインナップ見直しによる弊害でそれを代替するような機種が消え失せてしまいました。

ソニーのパソコン事業売却により、日本のパソコン業界は20年前の状態に逆戻りすることになってしまいました。具体的に言えば国民機はNECと富士通の2強で占められ、それを東芝やApple、外資系メーカーなどが後追いする構図になります。東芝は日本以上に海外で強いメーカーなので、国内事業はお小遣い稼ぎ感覚って印象ですかねえ…。なんとか、日本勢は半世紀にもわたるクライアントを抱えるNECや富士通をはじめ、日本初のPC/AT互換機のベストセラー、J-3100SS以来四半世紀にわたりノートパソコン市場で存在感を示している東芝、そして耐衝撃性能を武器にLet'snoteで根強い法人需要を抱えるパナソニックになんとか生き残ってもらいたいです。

最近、メイン機の買い替えが急務になっている筆者ですが、興味深い機種はFMV-LIFEBOOK AH77/Mですかねえ…。この頃クアッドコアのモバイルノートが少なくなったので、その代わりにと思っています。薄いし、フルハイビジョン液晶搭載だし、拡張性も高いですし、バッテリーもそこそこ持つのですが、どうもつや消しのパームレストが好きになれず…。元々AHシリーズは中型ノートですが、AH77/JAH77/Kではハイスペックを保ったまま薄型化を実現しています。AH77/KはUSBポートが5つもあったり、パームレストが経年劣化しにくい光沢仕上げだったりしたので、売り切れになってしまった際はすごく残念でした。まあ、AH77/KはHD液晶だったのが少し惜しかったですがねえ…。

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