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2013年12月23日 (月)

筆者の選ぶケータイ・オブ・ザ・イヤー2013外伝 (第6回)

筆者の選ぶケータイ・オブ・ザ・イヤー2013外伝
EPISODE VI: Android波瀾万丈

2008年にGoogleが発表し、2009年に日本上陸したAndroid。日本では一番長い歴史を誇ったWindows Phoneを差し置いて、iPhoneと並ぶ二大巨頭の一角となりました。2013年現在、スマートフォン向けプラットフォームとしては日本など一部の国を除いて世界トップシェアを誇るまでに成長しています。特に、お隣の韓国と中国はAndroid王国といわれるほどになっています。

なお、Androidのバージョンにはアルファベット順でお菓子のコードネームが振られていることで知られています。

Android 1.5 / Cupcake(カップケーキ)
Android 1.6 / Donut(ドーナッツ)
Android 2.0, 2.1 / Eclair(エクレア)
Android 2.2 / Froyo(フローズンヨーグルト)
Android 2.3 / Gingerbread(ジンジャーブレッド)
Android 3.0, 3.1, 3.2 / Honeycomb(ハニカム、シリアル食品)
Android 4.0 / Ice Cream Sandwich(アイスクリームサンドウィッチ、アイスモナカ)
Android 4.1, 4.2, 4.3 / Jelly Beans(ゼリービーンズ)
Android 4.4 / KitKat(キットカット)

(註)
・ジンジャーブレッドはヨーロッパで有名な生姜風味のケーキ。
・ハニカムは森永製菓の「スピン」みたいなもの。
・アイスクリームサンドウィッチはハーゲンダッツのクリスピーサンドがイメージに近い。
・ゼリービーンズは日本において春日井製菓株式会社が有名なメーカー(参考)。

2013年は日本におけるAndroid5年。Android元年から5年間、どのようにAndroidが進化していったかを振り返ってみましょう。

■Android元年: HTC Magic HT-03A (HTC Corporation)
―苦難のデビューだった日本初のAndroid端末

Ht03a


Androidユーザーの一般消費者はこの機種の存在をすっかり忘れてしまっているのではないでしょうか。それとも、全く知ってないのではないでしょうか。このHT-03Aこそ、知る人ぞ知る日本初のAndroid端末でした。当時、世界初のAndroid端末を開発して話題になっていたHTCが開発を担当し、HTC Magic をベースにした日本向けモデルとして発売していました。ユニークなのは付属品。後のLGのスマートフォン(特にL-05D/L-02E)のように電池パックがもう1つ付いていました。

筆者はこの機種が発売された当時に触れたことがありますが、iPhoneほどではないものの操作がサクサクだったのを覚えています。既にこの地点でGoogleの主なサービスにはほとんど対応しており、GmailやGoogle検索をはじめ、YouTubeやGoogleマップも使えていました。工場出荷時はAndroid 1.5だったためにプリインストールアプリぐらいしか使えませんでしたが、後にAndroid 1.6へのバージョンアップが提供され、アプリをインストールして使えるようになりました。

しかし、どうしても試作品という印象がぬぐえませんでした。この地点では発信、終話ボタンが付いていましたし、RAMは192MB、ROMは512MBしかありませんでした。チップセットも当時のフィーチャーフォンとほぼ同じスペックで、クアルコムのMSM7201A(528MHz)を採用と、ちょっと物足りないものでした。しかしながらアプリは必要最低限しか入っておらず、Root化も容易だったことから多くのユーザーはいかにして快適に使うか、頭をひねっていたものです。

Sbm001ht

結局、HTCはこのHT-03Aを最後にドコモへカムバックすることがありませんでした。一説によれば、今までの端末納入の実績をめぐって一悶着があって喧嘩別れになってしまったそうです。結局日本でAndroidが脚光を浴びるには、後述のXperia X10を待たねばなりませんでした。

一方、HTCは2010年にかつてよりWindows Phone端末でゆかりのあったソフトバンクモバイルにてHTC Desire SoftBank X06HT(II)を日本初のAndroid 2.1対応端末として、HTC Desire HD SoftBank 001HTを日本初のMSM8255搭載端末かつAndroid 2.2対応端末として発売していました。X06HT(II)はAndroid 2.2まで、001HTはAndroid 2.3までバージョンアップが提供されました。特に、001HTは当時としては大容量の768MBものRAMと1.5GBものROMを搭載しており、ユーザーからの評判も上々でしたが、これを最後にソフトバンクからも撤退してしまい、その後はauを中心に端末を納入することになりました。

■Android2年: Xperia X10 SO-01B
(ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社)
―当時より日本におけるAndroidスマートフォンの代名詞に

So01b

日本におけるAndroidスマートフォンの歴史は、この機種抜きには語ることができません。当時のソニー・エリクソン日本法人がNTTドコモ向けのフィーチャーフォン開発をSO906iで実質終了させ(最終モデルになったSO706iはN706iのバッジエンジニアリング品)、約2年ぶりにこの機種でドコモへ復活したのです。その間、ただサボっていたわけではありません。

実は、その間にドコモ携帯開発チームの大方が当時の本社、Sony Ericsson Mobile Communications ABにより再配属され、Xperiaシリーズ開発チームに加わることになったのです。当時はXperia X10を開発するにあたり、UIQスマートフォンの開発経験からタッチパネル操作のノウハウを有していましたが、日本側が主に携わったのはカメラや日本語入力機能でした。

So01b2

XperiaはExperience(経験)に由来する造語でしたが、その名にふさわしく良好なユーザーエクスペリエンスを提供できていました。ROMは1GB、RAMは384MBとHT-03Aに比べて倍になりましたし、当時のスマートフォンのフラッグシップ機で同様に採用されていたクロック1GHzのチップセット、Snapdragon QSD8250を搭載したことでサクサクな動作を実現していました。また、ソニーらしさを失うことなくAndroidの操作性を保っていたのも特徴です。そのソニーらしさは各機能にまで及んでいました。とりわけ、カメラ性能では当時のスマートフォンの追従を許しませんでした。8メガピクセルカメラの搭載により、当時のフィーチャーフォンと遜色ない画質の写真が撮れるようになっていました。

So01b3

度重なるソフト更新のたびに機能が進化していったのも印象的です。日本語入力機能POBoxがフリック入力に対応、spモードへ対応、エリアメール対応などでしたが、特筆すべきはマルチタッチへの対応でした。本来ハードウェア的にマルチタッチに対応せず、技術的にもマルチタッチが不可能とされていた中で、タッチされた2点を擬似的に認識してソフト側でマルチタッチとみなすようにしたウルトラCでした。

工場出荷時はAndroid 1.6でしたが2010年の年内にAndroid 2.1にバージョンアップすることが可能になり、これによりカメラ機能は大幅に進化してHD動画も撮影できるようになりました。その際にUIがAndroid準拠のものになりましたが、やはりXperiaらしさを失うことはありませんでした。この後、海外版のXperia X10がAndroid 2.3へバージョンアップできたことから多くのユーザーがさらなるバージョンアップへ期待を寄せることになりましたが、結局ドコモ側によりその期待はもろくも打ち砕かれることになってしまいました。その後、有志によりXperia X10として偽装させることでAndroid 2.3へバージョンアップさせる動きが見られました。

当時のスマートフォンとしては記録的な売れ行きを見せていたようで、5月中旬時点で約20万台、9月末地点で約45万台、最終的にはハーフミリオンを突破していました。しかし、スマートフォン周りのサービスは発展途上といえるもので、spモードの開始まではコンテンツの利用を控える向きが目立ち、それまでは端末の機能だけで完結させてしまうユーザーが多かったようでした。しかしながら、日本で初めてヒットしたAndroid端末となり、日本では「Androidスマートフォンと言えばXperia」といわれるほどの知名度を得ることができました。

■Android3年: GALAXY S II SC-02C / GALAXY S II LTE SC-03D
(Samsung Electronics Co., Ltd.)
―何もかもが当時のスマートフォンの最先端

Sc02c

2006年に未開の日本市場へ参入して以来、シェアは高くなかったものの主にソフトバンクに向けて独創的なフィーチャーフォンを納入してきたサムスン電子。2009年からドコモへも並行して参入し、その地点でソフトバンクモバイルを見限りました。そして2010年、Xperia人気でAndroidも市場として成り立ち始めた中、GALAXY S SC-02Bで本格的にドコモ向け端末の展開を進めることになりました。

Sc02b

SC-02Bは発売されるや否や、Xperiaと肩を並べる人気になりました。特に、16GBもの大容量メモリーを搭載していたことで、当時のスマートフォンユーザーが悩まされていたメモリー容量不足の問題とはよほどのことがない限り縁遠いものでした。後に、Android 2.3へバージョンアップされています。

SC-02CはGALAXY S IIベースながら本格的に日本市場に向けてローカライズされた機種でした。当時のAndroidはどうしても「プアマンズiPhone」と呼ばれていたきらいがあったのか、1.0GHzシングルコアチップ搭載でRAMが512MB、ROMが1GBしかないスマートフォンが多かった中で1.2GHzのデュアルコアチップ、Exynos 4210を採用、RAMは1GB、ROMは16GBとやはり当時のスマートフォンでは最先端といえるスペックを誇っていました。バッテリーも当時のスマートフォンとしては大容量な1,650mAhのものを採用。さらに、発売当初からモバイル電源としても使えるジャケットカバーが発売されるなど、とことんヘビーユーザーに訴求したスペックになっていました。

機能面でもカメラはフォトライト付きの8メガピクセルカメラに進化しフルハイビジョン動画が撮影可能に、ワンセグにシリーズで初めて対応、microUSB端子にHDMI出力が統合されたMHLを採用など、当時の最先端といえるものでした。このような先進的な設計により、2013年現在も使い続けているユーザーも少なくありません。

Sc03d

2011年秋冬モデルとしてLTEに対応したGALAXY S II LTE SC-03Dが発売となりました。画面が大型化してバッテリーも若干大容量化し、チップセットも1.5GHzのデュアルコアチップ、APQ8060採用と大元からの正常進化といえるものでした。ワンセグは利用できなくなったものの遂にNFCに対応となっています。この2機種とも、Android 4.0へのバージョンアップが2012年中に提供されました。

こうしてサムスン電子は日本市場で一定の成果を収め、2012年のGALAXY S III SC-06Dで絶頂を迎えました。しかし、その翌年のGALAXY S4 SC-04Eではツートップに選ばれるも、Xperia A SO-04Eに辛酸をなめられる結果となり、これ以降日本市場で勢いを失ってしまうことになりました。

■Android4年: AQUOS PHONE ZETA SH-02E(シャープ株式会社)
―窮鼠猫を噛む、日本メーカーの挑戦

Sh_02e


iPhoneや海外メーカーに肉薄されながら苦しい戦いを強いられてしまった日本メーカー。その中で、シャープはこの機種を60万台以上売り上げるヒットを記録することでその危機を切り抜けていました。その切り札はズバリ、多くのスマホユーザーが気にしていた電池の持ちでした。かつてよりエコ技など、フィーチャーフォンの節電テクニックをスマートフォンに反映させてきた同社でしたが、それをハードウェアの面で実現させていました。

Sh09d

その試金石として初代AQUOS PHONE ZETAとなったSH-09Dにおいて、今まで採用してきたモバイルASV液晶に代わり、S-CG Silicon液晶を姉妹機種になったAQUOS PHONE SERIE ISW16SH(SHI16)やAQUOS PHONE Xx SoftBank 106SHで採用していました。この段階では液晶上にメモリーを内蔵し、画面の書き換えが不要な時に駆動させないことで省電力化を実現していました。メインとなるはずだったSH-09Dは当時需要過多で調達に窮していたMSM8960を必要数確保できず、短期で販売終了になってしまいました。

しかし、SH-09Dそのものの評判は悪くなかったため、純粋にスペックアップを図る形でSH-02Eが開発されることになりました。まず、SH-09Dの反省からチップセットは比較的調達しやすいモデムなしのAPQ8064を採用しクアッドコアに進化。RAMは2GB、ROMは32GB、バッテリー容量は2,320mAhと純粋に前機種から大容量化が図られました。カメラも前機種の12メガピクセルカメラから新たに光学手ブレ補正に対応した16メガピクセルカメラへと進化が図られました。また、ソニックレシーバーを採用していました。

さて、SH-02Eの目玉といえばIGZO液晶をスマートフォンとして初採用したことです。IGZOとはインジウム(Indium)、ガリウム(Gallium)、亜鉛(Zinc)、酸素(Oxyde)の4元素からなる酸化半導体のことで、当時経営に窮していたシャープにとって希望の星とされた技術でした。当時、既にノートパソコンに提供されていたものです。リーク電流が少なく、S-CG Silicon液晶と比して稼働頻度が少なくなり、省電力化を実現できることも特徴とされていました。

Shl21

テレビコマーシャルでは「2日間電池が持つ」ことを強調していました。なお、IGZO液晶搭載ではありませんでしたが、S-CG Silicon液晶を搭載したAQUOS PHONE SERIE SHL21も「電池が長持ち」と同様のマーケティングをとっていました。こちらもau版のiPhone 5に苦戦を強いられながらも、比較的善戦していました。そして、後継機のSHL22で遂にIGZO液晶搭載になり、電池の持ちの良さが評価されSOL22と同様にAndroidの夏モデルとしては売れ筋になっています。

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