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2013年12月25日 (水)

筆者の選ぶケータイ・オブ・ザ・イヤー2013 (はじめに)

Merry Christmas, Mr. Lawrence.
―「戦場のメリークリスマス(1983)」より

きょうはクリスマス。そういえば、2013年といえば北野武(ビートたけし)の上記の名ゼリフで知られる「戦場のメリークリスマス」からちょうど30年の節目なんですね。今ではほぼピアノ演奏でしか聴けなくなってしまいましたが、坂本龍一作曲のメインテーマも、当時は画期的だったサンプリング技術を生かしてワイングラスを叩いた音をメインメロディに用いていたそうです。

さて本題。きのうをもちまして、本家大元のケータイ・オブ・ザ・イヤー2013の受け付けは締め切りました。いよいよ、こちらも毎年恒例の、筆者の独断と偏見(?!)に基づいて選出しておりますケータイ・オブ・ザ・イヤー2013を発表したいと思います。それにあたり、今年の携帯業界の動向について軽くおさらいしてみましょう。

※残りの「筆者の選ぶケータイ・オブ・ザ・イヤー2013外伝」に関しては、一通り終わったところで後日談的な内容でお送りしたいと思っています。

■自業自得との声も?! 日本勢が続々とスマートフォン市場から退場
まず、とても印象的だったのがこれ。かつてのフィーチャーフォンの雄、NECカシオとパナソニックがスマートフォン市場から撤退し、これで生き残った純粋な日本メーカーはシャープ、富士通、京セラのみになってしまいました。NECカシオとパナソニックは撤退寸前に今までの悪評を覆す素晴らしい機種を作っていたようでしたが、焼け石に水でした。

両社ともマルチキャリア展開に失敗したあまり、ドコモに頼りすぎていたことが敗因でした。NECカシオはSoftBank 101NやIS11NでNECとしての端末納入が途絶え、パナソニックに至ってはSoftBank 101P/102Pを最後にソフトバンクへスマートフォンを納入してもらえなくなったうえにauへは納入する伝手すらない状態でした。

■大きさの代償
今年は5.0型以上の大画面スマートフォン、ファブレットの発売が目立ちました。Android 4.0以前では不可能だったスマートフォンサイズでのフルハイビジョン表示が、Android 4.1で可能になった故のブレイクスルーでした。また、今年発売のスマートフォンで目立ったのが、2,000~3,000mAhもの大容量バッテリーを採用した機種でした。それと引き換えに犠牲にしたのは電池パックの着脱。今年発売になった機種の大方が電池内蔵型に変わりました。年末商戦モデルに至っては、GALAXY Note 3を除く全機種が電池内蔵型になっていました。

このように電池内蔵型のスマートフォンが増えてきたのは諸説ありますが、モバイル電源の普及と反比例して交換用バッテリーを買うユーザーが減ったこと、さらなるベゼルの狭小化やデザイン性重視のために電池パックもそれに合わせて設計する必要が生じたこと、バッテリーを大容量化させて着脱可能にすると開口部が広がるため防水性能を喪失しやすい…などが挙げられます。

■クアッドコアとLTEでより強まるクアルコム依存
ノートパソコンの世界では2010年からちらほらと登場し始めたクアッドコア機。スマートフォンも2013年からはクアッドコアが当たり前になってきました。それに輪をかけて日本国内ではLTE化に合わせ、どんどんクアルコム依存を強めていく傾向にありました。

その背景に筆者がKraitショックと呼んでいる、2012年のSnapdragon S4シリーズが見せた驚異的なパフォーマンスにあると筆者は思っています。KraitコアはARM社のCortex-A15アーキテクチャにきわめて似た構造をしているとされ、MSM8260A/MSM8660A/MSM8960デュアルコアなのにもかかわらずCortex-A9クアッドコアのCPUに引けを取らない性能を誇っていました。その年内にクアッドコアチップのAPQ8064を初搭載したOptimus Gが発売されたことで事態は急変。さらに圧巻のパフォーマンスを見せつけ、ST-エリクソンが事業停止、テキサスインスツルメンツがOMAP5を開発しながらも事業規模を大幅縮小…など、業界に与えた影響はとても大きいものでした。

また、LTEのエリア拡大とアンテナ周りやLTEモデムのルーティン改善により、筆者がクアルコム病と呼んでいるLTEからUMTS/CDMA網へのフォールバックとLTE復帰の際に生じるクセが起こりにくくなっていきました。昨年のLTE端末の多くではLTEロストが起こるとなかなかUMTSやCDMAから復帰できず、何分間も何時間も遅い3Gで通信せざるを得なかったため、多くのユーザーをいらいらさせてしまったものです。

最後までクアルコムに頼らず端末設計をしていた富士通はF-02Eの悪評に耐え切れず、とうとうミドルレンジ以下でしか採用していなかったSnapdragonなどのクアルコム製デバイスをフラッグシップ機でも採用する方針に転換。今までフォールバックからの復帰が早いとして国産LTEモデムチップにこだわっていましたが、このようなメリットももはやLTEネットワークとルーティンの進化によって優位性とはいえなくなっていったのです。

■ドコモでもiPhone発売、その影響は?
今年は2年近くも契約者の漸減にあえいでいたドコモがプライドを捨ててがむしゃらになったと騒がれた1年でした。まずは日本メーカーを斬り捨ててグローバル端末を推すツートップ戦略、その次がiPhone納入を決意したことでした。今までのドコモではまずあり得ないこのような経営戦略、その背景には1968年に無線呼び出しサービスを開始して以来、45年の歴史の中で未だかつてない大純減を経験した苦境がありました。

こうしてドコモ、au、ソフトバンクの3社でiPhone納入が決まり、とりわけドコモは今までの漸減傾向から見事に立ち直ることができました。それでもなお、意外なことにドコモではAndroid機も根強く支持される傾向があり、とりわけXperia Z1 SO-01Fと来年海外でXperia Z1Sとして発売予定の中で日本先行発売されたXperia Z1f SO-02Fが堅調な売れ行きを見せていました。なお、この際のドコモは夏モデルの反省から「おすすめモデル」として日本メーカー推薦に戻ったもののiPhone旋風とXperia人気で焼け石に水でした。特にARROWS NX F-01Fはもう…。

その他にも今年は良くも悪くも携帯業界を象徴する出来事がありましたが、これは後述します。

■ドコモの頭金問題
家電量販店で手続きする方にとってはほぼ無縁だと思われますが、いつもドコモショップで機種変更手続きをしている方にとっては切っても切れない問題です。割賦販売導入時の頭金は5,250円でしたが、2010年頃から徐々に値上がってしまいました。2010年からは5,775円、2011年からはスマートフォンのみ8,400円でしたが、今年に入り10,500円と急騰してしまいました。

そこで、代理店ではオプション加入で5,250円に抑える施策が導入されることになりましたが、半ば強制化されていました。筆者はXperia Aを購入する際にそれを知ったので、まさに寝耳に水でした。この頭金、どのような使われ方をしているかといえば代理店のお小遣い稼ぎとみる説が有力です。お小遣いにしてみれば割高感がぬぐえないですね…。

そこで、ドコモでは最近に入り巨額になった頭金を是正すべく上限を5,250円とすることになりました。つまり、頭金の金額を元に戻したのです。

■オプション強制加入問題
知らぬ間に不要なサービスに加入させられていた…これがオプション強制加入です。実は筆者、IS11Sを購入する際に経験しておりまして、いつの間にかセットアップ時に意外と厄介なMopitaアプリを入れられていたなんてことがありました。これ以降、筆者はスマートフォンなどを買う際に自分でできる設定は店員立ち会いの下で行うことにしました。SOL22購入時に嫌々ながらWi-Fi auを設定させられたときはもう…。

主に、auのiPhone販売で浮き彫りになった問題です。これは代理店の方針が問題で、KDDIはこうした売り方がまかり通っていたことに苛立ちを覚えていたようです。そのため、田中孝司代表取締役社長が直々に是正を求める声明を発表したほどでした。

■信用情報誤登録問題
本来あり得ない理由でブラックリスト入りしていた、という事態が発生してしまいました。ソフトバンクモバイルが誤って「事故(業界用語で滞納を意味)」を信用情報機関に登録してしまった事例が数万件発覚したのです。しかしながらこの問題、発覚から3ヶ月もたちますが現在もテレビでは取り上げられることがありません。この背景には、ソフトバンクが広告主としてテレビコマーシャルを大量に出稿することで、広告引き揚げを恐れてテレビ局がマスメディアとして遠慮がちになっていることがあります。

信用情報機関に「事故」が登録されたことで被る不都合はクレジットカードや各種ローンが組めなくなること、消費者金融で融資を受けられなくなること以外にも金融機関に就職できなくなることがあります。実際、住宅ローンが組めなかったので調べてみたらソフトバンクの未払い金が発覚した、なんてこともありました。なお、一部の毀損した信用情報は当事者の申告により修正されています。

一括払いなのに「信用情報機関へ個人情報を照会します」と案内された地点で違和感があった、という人もいました。実はそれにはからくりがあり、新規即解約を防ぐために3ヶ月以上契約を結んでいなければブラックリスト入りしてしまうのです。2010年より信用機関への情報登録が義務付けられたため、3か月以内に解約すると借金が絡むすべての取引が難しくなってしまうわけです。

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