« 今年も懲りず… | トップページ | 筆者の選ぶケータイ・オブ・ザ・イヤー2013外伝 (第3回) »

2013年12月15日 (日)

筆者の選ぶケータイ・オブ・ザ・イヤー2013外伝 (第2回)

筆者の選ぶケータイ・オブ・ザ・イヤー2013外伝
EPISODE II: ドコモの旧ツートップに訪れるラグナロク

2007年、携帯電話キャリアは販売奨励金(インセンティブ)をどう廃止するか、決めあぐねていました。その中でソフトバンクモバイルはボーダフォン時代から始めた端末の割賦斡旋販売と通信料割引を組み合わせたスーパーボーナスで、KDDI(au)は従来通りの販売方法をとるフルサポートコースと端末代金が高額になる代わりに専用プランで安く使えるシンプルコースの導入で対応していました。最後まで迷っていたのがドコモ。結局、ソフトバンクと同様の割賦斡旋販売を導入して利用料金を安く抑えるバリューコースと、auのフルサポートコースに相当するベーシックコースで応戦することになりました。

その中で、ドコモへ端末を納入していた各社は技術の粋を結集した端末で本気に打って出ました。特に、その中で伝説的な売れ行きを見せたのがN905i/N905iμP905iでした。しかしそれは結果的に両社の終わりの始まりでした…。

■FOMA N905i / N905iμ(日本電気株式会社)
―「Nの携帯」の転換点


筆者はN903iを手に入れたことでNユーザーに戻っていました。しかし、サーフブルーですのでジーンズのポケットに入れるごとに徐々に角の塗装が取れてしまったり、傷が付きやすかったり…と、主に外装面での不満が多かったですね。一方、機能的にはOMAP2430搭載だからなのか、当時のiモード携帯の中では比較的サクサクでしたし、NECが売りにしていたカメラもブレに強く、当時のCMOSカメラで起こりがちな「こんにゃく現象」も起こりにくかった点が印象的です。何より画像の読み込みがSH902iと比べてものすごく速かったですね!

ここで改めてNの再評価につながり、満を持して筆者のドコモメイン回線がSH902iへの変更から(手続き上)2年になる2007年12月にこの機種へ変更することになりました。初めてバリューコースで購入するにあたり様々な疑問を抱きながらの手続きになったため、それを一番解消しやすいとしてドコモショップにて手続きしていました。これがきっかけで、ドコモの携帯の新規および機種変更手続きは主にドコモショップで行うようになりました(最近の数少ない例外がF-05D)。

筆者の場合、ドコモショップで手続きしたほうが楽でした。ALADIN端末を操作する店員の説明を聞きながら、数回サインをするだけ。これでN905iを手にすることが出来ました。当時の定価で50,400円(+頭金5,250円)。24回払いで月々2,100円を端末代として徴収する、というものでした。この機種、売れ筋だったために手に入れるまで相当時間がかかったと思います。筆者は12月上旬に予約していましたが、手続きをしたのは12月中旬でした。

N905i

当時はまず、VGA液晶ならではのきれいな画面表示に驚かされました。明らかに文字がきれい! 905iシリーズではスケーラブルフォント採用によりはっきりくっきりとした文字表示が可能になっていました。さらに、1度に5つまでタブを開けるタブブラウザー機能も重宝しました。HSDPA対応もあいまって、本当に快適でした。待受画面からそのままネット検索が出来る機能にもとてもお世話になりました。カメラも当時の機種にしては画質がとても良好でした。後述するP905iと同じく5メガピクセルでしたが、表現性ではこちらのほうが上でしたね。地味にシャープ製端末の特権だったモバイルライト機能が付いていたのはうれしかったです。

しかし、売れすぎた分、粗が出来てしまった点も否めません。たとえば、外部接続コネクターとイヤホンマイク端子が隣接していて、ヘッドホンをつなぐときは相当気を使いました。それに全般的にレスポンスがもっさり気味で、結構マイナーな不具合が頻発していたようでした。そのため、ソフト更新も当時の機種では多めでした。また、外見上のアクセントになっているアルミパネルにも問題を抱えていました。外部から圧力がかかると大きく湾曲することがあったのです。実は筆者もこれが原因で外装交換に出す羽目に遭いました。明らかに未完成といえる出来だったのをNECも認めていたためか、後継機のN906iはほとんど変わらない外見ながら、あらゆる面でN905iよりも完成度を高めていました。

バリューコースに切り替えてからは茨の道を歩むことになりました。料金延滞が続くようになり、結局これを使ってから1年余りで料金滞納に伴い強制解約になってしまいました。ドコモのサブ回線もやはり同じく強制解約になり、これで筆者名義のドコモ回線はいったん消滅することになってしまいました。

N905imyu

一方、当時はありそうでなかった「薄型ハイスペック機」として発売されたのがN905iμになります。こちらはN905iからワンセグなど一部機能を削除し、カメラやスピーカーなど一部機能の性能が若干下がっています。電池パックはN904iと同じN16を採用していました。これにより、ハイスペックながら12.9mmもの薄さを実現していたのです。しかし、この機種もそこそこの成功を収めており、後にワンセグを搭載したN906iμを経て、N-02Aではついに当時のNECのフラッグシップモデル、N-01Aと形状以外はほぼ変わらない程度にまで進化していました。

N01a


しかし結果的に売れ行きではN905iμ系統のほうがNの主流になってしまいました。というのも、N906iの後継機になるN-01A系統が本来のNのフラッグシップの座を担うはずでしたが、上記のようなリボルバースタイル(NECではT-Styleと称していた)が受け入れられなかったことやタッチパネルを売りにしていたにもかかわらず操作できる機能の制約が嫌気されて売れなかったのです。結局、T-StyleはN-06A(N06A3)を最後に姿を消し、代わりに2軸ヒンジタイプのN-02Bが翌年のフラッグシップ機となりました。このように、社運を賭けて提唱したスタイルの浸透を見ないまま、NECは迷走することになってしまいました。

N02d

Nの携帯の主流になった薄型ハイスペック機は形を変えながら進化を続け、最終的にN-02Dがその集大成になりました。ちょうどスマホシフトの時期に発売されたタイミングの悪さもあり、在庫が払底するまで発売から1年を要してしまいました。なお、現在発売中のN-01Fは機能こそN-03D並みに劣化しているものの、デザインベースがN-02Dになっています。

続いては、905iシリーズで最も売れた機種について紹介します。

■VIERAケータイ FOMA P905i (パナソニック モバイルコミュニケーションズ株式会社)
―「Wオープン」がヒットの切り札になったが…

P905i


N905iよりもヒットしていたのがP905iでした。FOMAでは操作体系がNECと似たものに統一されたり、レスポンスのもっさりさが嫌気されたりでいまいち存在感を示すことが出来ずにいたパナソニックとしては会心の1台になりました。なんといっても大きな特徴はWオープン。当時、W44Sなどで既に採用されていましたが、ヒンジ部分が本体の外に突き出ているため、卑猥な愛称が付いてしまうほどネタ化されてしまっていました。しかし、P905iでは目立たない程度にヒンジと回転軸の小型化に成功し、W44Sから1年経ってようやく実用的なレベルのWオープンを実現させていました。

P905i_1seg

閉じている状態で本体を開くことで、画面端にある磁石がフックを引き寄せ、これにより安定した横開きスタイルを維持できていました。ワンセグや動画の視聴が快適になるだけでなく、横開き専用のゲームアプリを臨場感あふれる横画面で楽しめるようになっていました。このWオープンスタイルはモデルチェンジごとに徐々に進化していき、P906iでは回転軸の更なる小型化に成功、P-01Aでは逆ヒンジ化で更なる薄型化を実現、P-10Aで防水対応、P-01Bでは大画面とWオープンの両立に成功…という具合に進化していきました。

しかしこちらも完成度はお世辞にも高いとはいえませんでした。むしろ、完成度ではN905iよりも下です。ワンセグ以外の機能がいいとはいえなかったですね。動作はとてももっさりしているし、カメラは当時のCMOSセンサーの宿命だったこんにゃく現象がひどかったし(手ブレ補正を有効にしてもダメ)、ソフト更新がN905iに匹敵するほど多く細々としたマイナーなバグが多かったなど、完成度は低めでした。後継機で見違えるように完成度を高めていったのと対照的です。

後述するように2009年からモーションセンサーを内蔵した携帯電話が増えてきたこともあり、パナソニックは徐々にフィーチャーフォン市場で迷走し始めることになりました。パナソニックとしてはWオープンスタイルへの依存から脱却を試みていたようで、WオープンスタイルでなくともP-02AからモバイルPEAKSプロセッサーを搭載していた機種に対してもVIERAケータイを名乗れるようにしていました。なお、P-02Aに対しては三菱電機の携帯電話ユーザーの受け皿という役目も与えられていましたが、こちらはメインストリームであるP-01A系とは対照的に売れなかったようです。

結局、スライド型携帯としてのVIERAケータイは実験的にタッチパネルを採用したP-02Bで終焉を迎え、2軸ヒンジ型端末P-06Bがそれを受け継ぐことになります。タッチペンを付属するなど、タッチパネルを使って「写真をデコる」ことに重点を置いた機種でしたが、タッチパネル操作とキー操作が別UIである点など、明らかに未完成といえるものでした。パナソニックは何を血迷ったのか、このP-06BをベースにLUMIX PhoneとしてP-03CやP-05Cを送り出すことになりますが、相変わらずタッチパネルとキー操作の整合性が取れていないままでした。

P02c

VIERAケータイとして最後にWオープンスタイルを採用した機種はP-02Cになりました。実質的にP-10Aの後継機ですが、P-10Aと異なりいわゆるiモード2.0に対応するなど、細かい点でブラッシュアップが図られた手堅いつくりの機種でした。電池残量が少なくなると自動的にエコモードに移行する機能や、当時からパナソニックが提唱してきたECO NAVI機能が搭載されています。

P02c2

これが横開き状態のP-02Cです。結局、横開きスタイルはモーションセンサーを内蔵した端末の増加に伴い自然消滅する運命となりました。というのも、当時からモーションセンサーを標準搭載したスマートフォン(特にiPhone)が普及し始めてきたためでもあります。

VIERAケータイはP-06Bの後継機、P-04Cを最後に納入を終了しました。P-04CもP-06Bから改善した点もあったもののタッチパネルとキー操作のかみ合わないUIは相変わらずでした。その後、パナソニックはP-07Bに代表される低価格端末の開発に傾注することになりました。P-06CやP-01Eを経てP-01Fと、現在も細々とローエンドフィーチャーフォンを開発することで携帯電話事業に残ることになったのです。それでも、VIERAケータイで培ったモバイルディスプレイ技術は綿々と生かされています。

« 今年も懲りず… | トップページ | 筆者の選ぶケータイ・オブ・ザ・イヤー2013外伝 (第3回) »

NTT/ドコモ」カテゴリの記事

携帯・デジカメ」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1429845/54201341

この記事へのトラックバック一覧です: 筆者の選ぶケータイ・オブ・ザ・イヤー2013外伝 (第2回):

« 今年も懲りず… | トップページ | 筆者の選ぶケータイ・オブ・ザ・イヤー2013外伝 (第3回) »

Other Accounts

2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

最近のトラックバック

無料ブログはココログ