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2013年10月 8日 (火)

こんな統計で大丈夫か?

全社でiPhoneを扱えるようになった、2013年9月の携帯電話契約数統計がTCAから発表されました。(こちらも参照してください)

純増数でみればソフトバンクモバイルとauの2強体制が維持される結果になりました。一方でNTTドコモは前月比で7万契約弱もの純減と、1968年に開始したポケットベル(現在は廃局)にルーツを持つ45年もの移動体通信の歴史史上最悪の純減になってしまいました。

なお、以下が2013年9月末現在の契約数です。括弧内が前月比の純増数になります。
NTTドコモ:61,772,000契約(-66,800契約)
KDDI/沖縄セルラー電話(au):39,045,200契約(+232,700契約)
ソフトバンクモバイル:34,065,600契約(+270,700契約)
ウィルコム/ウィルコム沖縄:5,310,300契約(+41,500契約)

なお、各社の2013年9月分の番ポ(MNP)受入数の実績は以下の通りです。やはりこちらは番ポ開始当時から積極的だったauの圧勝でした。ドコモは半年以上も10万契約以上の深刻な転出超過が継続しており、この半年で全契約の1%以上が他社へ流出してしまった計算になります。

NTTドコモ:-133,100契約
KDDI/沖縄セルラー電話(au):+110,800契約
ソフトバンクモバイル:+22,700契約

さて、筆者の地元、東北ではどうかというと…やはりauの圧勝です。ちょうど、WINの展開が始まったあたりから続くau神話の健在ぶりがうかがえます。以下が東北地方での2013年9月の実績でした。エリアの都合上、ドコモ東北は新潟県を除外しています。

ドコモ東北:3,853,100契約(-8,800契約)
au東北:2,408,800契約(+13,200契約)
ソフトバンク東北:1,477,800契約(+5,600契約)
ウィルコム東北:266,900契約(+200契約)

この統計を見てみると、興味深いことが分かります。関東甲信(越)だけ全キャリアが純増しており、その他の地域はこの東北と同じ傾向でした。関東甲信(越)と関西のデータを比較してみるとよくわかると思います。

・関東甲信越地方(ドコモだけ新潟県も管区内)
株式会社NTTドコモ:27,207,900契約(+19,700契約)
KDDI株式会社:15,883,000契約(+123,400契約)
ソフトバンクモバイル株式会社:16,675,700契約(+204,600契約)
株式会社ウィルコム:2,987,300契約(+31,100契約)

・関西地方
ドコモ関西:9,099,100契約(-29,200契約)
au関西:6,909,400契約(+37,400契約)
ソフトバンク関西:5,078,300契約(+22,200契約)
ウィルコム関西:758,200契約(+3,200契約)

これでお分かりいただけたでしょうか?

これを踏まえて各社の純増減傾向をまとめてみるとこうなります。

・NTTドコモ
ドコモ中央のみ純増したものの、ドコモ関西をはじめとする地域各社の純減を補い切れなかった。

・au
全国で純増したが、関東甲信越地方以外ではソフトバンクモバイルをしのぐ健闘ぶりを示した。特に、東北と西日本では各地にてソフトバンクの倍以上の純増数を記録した。

・ソフトバンクモバイル
純増トップではあるものの関東甲信越地方以外では苦戦を強いられており、契約数でも3番手に甘んじている。関東甲信越地方だけで純増数の4分の3を占めている。

このような結果になった大きな要因はズバリ、iPhone 5s/5c発売を前後して行われたiPhone 5の在庫一掃セールが功を奏した結果と言えます。首都圏では率先してネットワークを強化したソフトバンクが強みを発揮しましたが、一方で他の地域では電波のつながりやすさからauを選ぶ傾向が強かったです。また、auではiPhone以外にも、プラチナバンド(Band 18)に対応したことで安定してつながるLTE端末をAndroid端末を中心に揃えたことで地方でも好評を博しています。発表当時はそのスペックから売れ行きが危惧されていたXperia UL(SOL22)やAQUOS PHONE SERIE(SHL22)もその前評判を打ち砕くほどおおむね良好な評判でした。その代わり、auが強力にプッシュしていたHTC J One(HTL22)が悲惨なことになっていますが。

NTTドコモはiPhone 5を扱っていなかったことはもちろん、9月のうちわずか10日間しかiPhoneを扱っていなかったために焼け石に水でした。これは、サービスのほとんどが2013年10月1日からの対応になったためで、それまで買い控えの動きが強まっていました。10月の実績によりどう転ぶかを見つめていく必要があります。更には、2年前のAndroid端末を快適性の悪さに耐えながら騙し騙し使ってきたユーザーが分割払い完了後、どう動くか。これも凝視していくべきです。こうしているうちに、端末のメモリー不足や安定性の悪さ、ご都合主義のサポートなど、様々な理由でドコモを離れている契約者が後を絶ちません。

なお、NTTドコモは10月10日に新機種発表会を控えています。これによってAndroidに留まるか、それともAndroidを見限りiPhoneへ流れるか、はたまた当時のドコモのAndroid端末の出来の悪さに嫌気して番ポで他社へ流出するか。まさに10月がドコモの山場と言えます。

更に9月の実績を掘り下げて分析してみたいですが、これは追記にて報告してみたいと思います。更に興味深いことが分かってきました。

(2013.10.08更新)
更なる結果の掘り下げについて更新しました。

[多角的に2013年9月の統計を見てみる]

2013年9月の統計を更に掘り下げて分析してみましょう。まずは、NTTドコモの通信方式別の純増減数。UMTS(FOMA)とLTE(Xi)の契約数統計は以下のとおりでした。

UMTS(FOMA):45,373,900契約(-625,800契約)
LTE(Xi):16,398,100契約(+559,000契約)
UMTSとLTEの純増減数合計:-66,800契約
UMTS契約/LTE契約の割合:73.5%/26.5%

御覧のとおり、FOMAの純減数とXiの純増数を足し合わせた結果がちょうど2013年9月の純減数と同じになりました。ドコモのみUMTS契約とLTE契約の統計を公開していますが、世間的には評判が悪いとされていたツートップはまさにこれまた評判の悪かったDoCoMo 2.0の意図した、movaからFOMAへの移行と同じ成果が出ています。つまり、FOMAからXi契約への移行が加速化している、ということです。9月で1,600万契約を突破し、全契約数に占めるXi回線数が4分の1を突破したので、その決定打と言える端末の存在は大きかったといえるでしょう。

次は、全契約に占めるプリペイド回線、通信モジュールの純増減数を見てみましょう。

■プリペイド回線
NTTドコモ:44,600契約(-26,100契約)
au:183,800契約(-1,600契約)
ソフトバンク:797,200契約(-9,300契約)

ドコモの純減の仕方が半端じゃないです。ドコモのプリペイド回線は事実上、PlayStation Vitaのデータ通信のためにあるようなもので、要のVitaのUMTS通信サービスが使われることなく自然解約になっていったためにこうなった、と解釈できなくもありません。実はドコモ純減のA級戦犯と言えるのがプリペイド回線ではないかと思います。

現在もauは「CDMAぷりペイド」、ソフトバンクは「プリモバイル」や「プリスマ」としてプリペイドサービスを続けていますが、ほぼキャリアショップでの販売になったためか漸減傾向が続いており、低調です。その中で、ソフトバンクはプリペイド回線を80万契約前後に維持しています。番ポ対策と言われた契約解除料(9,975円、2013年9月28日以降契約では20,790円)の発生を恐れて寝かせておかなければならない、という事情があるようです。

■通信モジュール契約
NTTドコモ:3,270,900契約(+8,500契約)
au:2,328,700契約(+3,600契約)
ソフトバンク:3,340,600契約(+66,700契約)

通信モジュール契約とはデータ通信端末のほか、自販機のテレメトリングサービス(いわゆる遠隔監視)、テレマティクスサービス(自動車向け情報配信サービス)、そして写真立てなど、通話機能を持たない通信機器に対するサービス契約のことです。統計を見てわかるとおり、ソフトバンクの純増数が突出して高いです。

最大の要因として、キャンペーンによる番ポ(MNP)利用者の集客が挙げられます。もちろんこれは筆者のように、純粋に機種変更を繰り返しながら長く回線を使っている契約者にとっては無縁です。まず、番ポがどう使われているかについて説明することにしましょう。

番ポは本来の目的である快適な通信を求めるため電話番号を変えずにキャリア変更すること以外にも、安くお気に入りの機種を手にしたりキャッシュバック特典を受けたりするための「手段」としても使われています。そのため、キャリア各社は番ポで転入する契約者に対する非常に手厚い販売優遇策を打ち出しています。それが、現金価格の値下げだったりしますが…。

ソフトバンクショップやソフトバンク製品を扱う電器店では通信モジュール契約をいわゆる副商材として抱き合わせて新規契約させることで、通常は一括数万もする端末を番ポ新規一括0円にしてしまうマジックを成し遂げているところも少なくなりません。これはiPhoneやiPadでも同じ。その副商材として使われるのがズバリ…

みご…、いや、みまもりケータイシリーズ
みご…、いや、みまもりGPSシリーズ
つながらないポータブルWi-Fi
邪神…、いや、写真立て


などなど。みご…いや、みまもりケータイ以外はほとんど通信モジュール契約扱いになります。これらの契約は基本使用料0円または利用料の値下げにより安く維持することができますが、一方で寝かせ前提の回線だとか、解約すると高額な解約金が生じる、使ってしまうと料金が青天井になる場合がある…など、副商材の割にはかなりエグいです。

売り文句はあるにはありますが、個人で使う分にはごみ同然の商品ばかりだったりします。どういうことかというと…

・みまもりケータイは他社の相当品よりも防水等級が低いので水没しやすい(=防滴なので防水ではない)
・みまもりGPSシリーズは防水等級が低いうえ、番ポにも使えない
・ポータブルWi-Fiは4Gエリア圏外ではULTRA SPEEDの速度しか出ない
・写真立ては粗悪な品質の液晶搭載で画質が悪く実用に堪えない


と、まさに誰得の極致とも言えるレベル。実際、筆者の知人もiPad Retinaモデル(32GB)のセルラー版(LTEモデム内蔵機種)をポータブルWi-Fiとセット契約したものの、そのポータブルWi-Fiが使い物にならずに1年を待たずして解約した、と語っていました。

みまもりケータイシリーズは他社の相当品(キッズケータイ、mamorino、Mi-Look)と比べてもボタン数が少なすぎて、電話機としても非常に使い勝手が悪いです。知らない人は電源を入れる段階でつまずくほどです。こんなのをiPhoneやスマートフォンとの抱き合わせ契約で目先の純増数アップを狙っているのでは、とソフトバンクは指摘されています。ちなみに、ソフトバンクの純増分のうち、およそ4分の1を占めているのがこの通信モジュール契約だったりします。

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コメント

>>パナ好きっこさん
同時に発表された4.3型HD液晶のXperia Z1 f(Amami)がSO-02Fとしてお勧め機種になってました。

しかし、サムスン以外の全機種で電池内蔵って、機変をためらわせてしまいますね…。

今日 ドコモが 2013年冬モデルの発表したんですけど また
やっちゃってます┐(´д`)┌

スリートップに XPERIA Z1が 入っていませんでした((((;゜Д゜)))
端末価格 89040円です(´д`|||)
FとSHが 70560円でした(゜∇^d)!!

ドコモ 一番 売れ筋のXPERIA Z1の端末価格 凄く高い(´д`|||)

>>たけぞ~さん
これから追記しようと思っていたことそのまんまだw この「特約」の話は良く聞きます。

それと…ソフトバンクはSIMの種類が多彩過ぎてドコモやauのような使い方ができないようになっています。これもヒントですね。
(あまりにも生々しい事実が判明したので、現時点ではここまでにしておきます。)

ソフトバンクの契約数や新規は実際に使われてる回線数よりかなり多いでしょうね。
今までもiPhoneの『MNP一括0円』ではみまもりやGPSや楯の新規契約が条件のところがありました。
店舗によっては3つのうちから2つを新規契約させるところも。
MNPを一つ獲得で新規が3回線です。
そりゃ勢いがあるように見えますよね。

面白かったのはこのみまもりやGPSの使い方や使用料をソフトバンクショップの店員が全然知らないってことでした。
『まさかそんなことを聞かれるとは思わなかった』って言ってました。
基本使用料は0円だから使わずに『寝かせておいて下さい』が前提の商品だからです。
そんな商品ならいっそ回線付きの禿社長の像にでもしちゃえば?と店員に提案しておきました( ̄∀ ̄;)
詐欺師にはとてもありがたい像になるでしょう。

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