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2013年9月 9日 (月)

15年でモードチェンジ

Iphone5w
[写真はiPhone 5のホワイト]

ご存知の方も多いかと思われますが、NTTドコモからもiPhoneが発売される、という憶測が飛び交っています。まだ決定していない事項なのに既成事実として専門メディアはもちろん、一般メディアからも報じられています。以前から同様の報道を続けてきた日経もさぞかしドコモにiPhoneを発売してほしかったのだろうと思われます。その度に、飛ばし記事を書いてはドコモを動揺させる…の繰り返しでした。

なお、新型iPhoneは日本時間の2013年9月11日に発表され、日本国内では2013年9月20日に全国各地のApple Storeや納入予定のキャリアの携帯ショップや家電店で発売されます。関係者筋や口コミによれば、今年発表される新型iPhoneはiPhone 5の後継機であるiPhone 5Sと廉価版のiPhone 5Cであるといわれています。

実はiPhoneが売れまくっているのは世界的に見ても日本と北米市場だけで、アジア圏やヨーロッパ、新興国市場ではコストパフォーマンスの良さからAndroidが、発展途上国では安価なために未だS60をプラットフォームとするSymbian OSが人気です。前者の市場ではAndroidスマートフォンがクアッドコアやらフルハイビジョンディスプレイやらで最新のiPhoneを凌駕するスペックになってしまったためにコストパフォーマンスの悪さが嫌気され、後者では高価なために富裕層でなければなかなか所有できないことが嫌気されて最新機種であるiPhone 5は販売が伸び悩んでいます。そのためのテコ入れとしてApple側もNTTドコモへ歩み寄り、売れ筋不在だったドコモもAppleを頼みの綱としたために利害関係が一致した…と考えるのが自然でしょう。

なぜ、このようなことになったのでしょうか、そして仮にドコモから発売が決まったらどうなるか。筆者なりに解説してみようと思います。とにかく、9月11日の発表を楽しみにしてみましょう。その結果次第では、筆者がとある事情で3年間twitter上で自ら封印してきた「iPhone」の文字をTL上に解禁することになりそうです。

※かなりの長文になりますので、読みたい方は展開してください。スマートフォンやフィーチャーフォンから読んでいる方はそのまま続きが読めます。

■5年で変化した携帯電話市場
まず、緩やかにフィーチャーフォンからスマートフォンへと流れが変わっていったこと。日本でも、2008年のiPhone 3Gの発売以前からWindows Mobile(現:Windows Phone)やS60がそれぞれ小規模ながら一定の市場を持っていましたが、発売以後は見事にiPhoneが席巻し、この時期から日本では「スマートフォンといえばiPhone」のイメージが定着していました。

そしてAndroid元年の2009年。NTTドコモがHT-03Aを発売し、Androidも日本デビューを果たしました。しかし、しばらくは好事家のためのガジェットというイメージが強かったですが、Xperia(SO-01B)やGALAXY S(SC-02B)に代表される人気機種の台頭やキャリアによるスマートフォン販売の優遇もあって徐々にAndroidも普及していきました。とりわけ日本メーカーも一山当てようと参入したことは契約者にとっては「自分の好きなメーカーのスマートフォンが使える!」という点でプラスに働いたようです。それがどうなったかは後述します。

ソニーモバイルがNTTドコモへの端末納入を休止している間、ドコモの端末開発チームをXperia開発チームの一部へ振り分けたり、シャープがau向けフィーチャーフォンの開発をSH005とSH006で事実上休止し、SH011まで両機種の焼き直しで何とか切り抜けるなど、Androidスマートフォンへ開発リソースを集中するための工夫をしていたメーカーもありました。また、スマートフォンに主に使われるクアルコムのSnapdragonを調達しやすくするために富士通が東芝の、NECがカシオと日立の携帯電話事業を譲り受けて端末の開発に乗り出していました。このようにして開発、販売とも携帯電話市場の主流はフィーチャーフォンからスマートフォンへ大きくシフトしていきました、が…。

■フィーチャーフォンの開発難
一方で、携帯電話市場の主力がスマートフォンになったことでフィーチャーフォンをめぐる環境はさらに難しいものになっています。具体的に言うと、ハードウェアとソフトウェアの両方の調達に支障をきたして開発を断念せざるを得なくなってしまっています。特に、NTTドコモとauはプラットフォームの問題で高機能なフィーチャーフォンを開発しにくくなっています。

・NTTドコモの事情
特に富士通とシャープの例が取り沙汰されています。なぜなら、両社とも経営難が取り沙汰されているルネサス エレクトロニクスのSH-Mobileをアプリケーションプロセッサーとして採用していたからです。そのSH-Mobileシリーズも、経営リソースの選択と集中により携帯電話向けチップとしての開発中止が噂されています。さらに、オペレータパックを動作させるためのSymbian OSもディベロッパーがノキアに買収されオープンソース化されていたものの、その後、ノキアがWindows Phoneに力を入れるためコンサルティング会社のアクセンチュアに移管されクローズドソース化されるなど不安定な様相を呈しています。

オペレータパックは基本的にOSとの組み合わせが密であって、チップセット採用における制約は緩いほうでしたが、ルネサスと歩調を合わせてチップセットを開発したことが皮肉にも裏目に出てしまいました。そのため、シャープと富士通は今後、スマートフォン専業にならざるを得なくなってしまっています。実際、2013年秋冬モデルでは富士通とシャープは以上の事情からフィーチャーフォンの納入を断念することになる見込みです。

・auの事情
auの場合はもっとひどいです。KCPシリーズは常にチップセットの保守品化でプラットフォームがメインストリームから外れていく、ということの繰り返しでした。KCPはKDDIとクアルコムが密に関わっており、ハードウェアレベルまで両社が細かく策定していたプラットフォームとして知られています。それぞれ、プラットフォームとチップセットは以下のように対応していました。

KCP:MSM6550(2005-09年、S002が最終機種)
KCP+:MSM7500/7500A(2008-11年、SH011が最終機種)
KCP 3.x:QSD8650(2010-12年、K011が最終機種)

つまり、いくらソフトウェアが流用可能でも決められたデバイスが供給不可能になった地点でプラットフォームの延命をあきらめるしかなくなります。

筆者は実は、KCP 3.xはチップセットをQSD8650(65nm)のシュリンク版であるMSM8655(45nm)に変更することで継続して展開できると思っていました。しかし、ほぼ同じと思いきや回路上では事実上作り直されており、さらにたちが悪いことに各種ミドルウェアはQSD8650の基で動作するよう最適化されています。道理でMSM8655の流用が利かなくなっているわけです。MSM8655を採用すれば、もっとサクサクになってもっと電池の持ちが良くなっていただろうに…。しかし、auへ納入しているメーカーのほとんどは2012年のKCP 3.x機の開発に応じず、結局KCP 3.xの改良はその地点で放棄されることになりました。

KCP 3.xですが、興味深いことにBREW Mobie Platformも包含しています。なんらかの理由でKCP3.xの見通しが不透明になった時の保険としてBREW MPだけ採用したフィーチャーフォンを開発しよう、という算段だったのかもしれません。実際、現在もauで発売しているフィーチャーフォンはBREW MPとQSC6075を採用した、LISMOに対応しない、ワンセグも視聴しかできない必要最低限のスペックのものばかりです。

こうしたこともあり、フィーチャーフォンの開発はソフトウェア、ハードウェアの両方で限界が近づいています。それもあってドコモはフィーチャーフォンの代わりとしてiPhoneを販売せざるを得なくなったのではないかと筆者は思います。

■iPhone不在で独り負け
これが一番大きいじゃないでしょうか。iPhoneが日本でヒットした要因はモデルチェンジを繰り返しても操作体系がほぼ不変なこと、相対的なユーザー数が多いために身近に操作に詳しい人がいれば安心感がある、手の小さな人の多い日本人女性にとってはちょうどいいサイズ…などでしょう。また、相対的にユーザーの満足度が高く、「次もiPhoneに乗り換えたい」という人も多いほどです。それもそのはず、iPhoneの動作するiOSはバージョンアップと同時に不具合修正が可能な上、ある程度古い世代へもフォローされるため、「同じ機種を長く使えること」も相当の安心感があるはずです。

特に、エンターテインメント関係は全部入りといっても過言ではありません。音楽、ゲーム、動画のすべてが本体標準搭載の機能(アプリ)だけで購入できてしまいます。更に、キャリア決済を使わずともiTunes Cardを用いたプリペイド決済も可能な点もあり、携帯代を浮かすためキャリア決済を使わないiPhoneユーザーもいるほどです。実際、日本のコンテンツ業界は有料コンテンツをiPhone/iPad向けに優先して供給していますから、コンテンツ周りのバックアップはとても強力です。

これだけ魅力的ならば、料金も魅力的です。分割払いで買うならば、16GBモデルはキャリアからの料金割引を受ければ、実質0円で使えてしまいますし、パケット定額料も同時期のスマートフォンに比べて安価なプランを採用しています。そのために、どんなにハイスペックな機種がAndroidにあっても敢えてiPhoneを選ぶ契約者が多いのでしょう。

これに対し、NTTドコモは夏商戦において2012年にスマートフォンへの月々サポートの大幅増額、2013年にツートップ戦略によるXperia A(SO-04E)GALAXY S IV(SC-04E)の優遇販売を行っていました。しかしそれも焼け石に水で、これがiPhone納入を決断することになった大きなきっかけになりました。日本市場ではどうしてもAndroid一本では戦えなかったことをドコモが自ら確証した形です。

■相次ぐ国内メーカーの挫折
昨年の2012年に入り、NECとパナソニックの携帯電話事業の危機が伝えられました。そして2013年に各社が動き出しました。パナソニックはなんとか新旧分離で携帯子会社を存続させ、NECのほうは2013年7月31日をもってスマートフォンの開発を終了し、今後はタブレットとフィーチャーフォンに集中する方針が伝えられました。しかし、その両社とも時既に遅し。ツートップ戦略から外され、自力で這い上がって売らなければなりませんでした。

パナソニックはELUGA X(P-02E)のヒットもあってか、ELUGA P(P-03E)のデモ機を家電量販店に置いてもらえましたし、ドコモショップには専用のコーナーを設けて必死で「スマチェン!」を合言葉に販促を行っていました。対するNECはMEDIAS X(N-06E)のデモ機の展示を家電量販店に断られ、ドコモショップでなければそれができなかったため、事実上のドブ板選挙状態でした。パナソニックは辛うじて数万台売ったのに対し、NECは汚名返上、名誉挽回に至らずパナソニックの後塵さえ拝してしまう結果となりました。どちらも端末自体の評判はとても高く、後述する悪評を見事に覆せたはずなのですが…。

さて、ツートップから外されたメーカーのうち、自力で這い上がっていけたメーカーは富士通、シャープ、LGエレクトロニクスの3社。特に富士通は発熱とバッテリー消費の多さで酷評されていたARROWS X(F-02E)以前で見られた自社モデムへのこだわりを断ち切るべく、ようやくフラッグシップ機であるARROWS NX(F-06E)へSnapdragon 600(APQ8064T)を採用したことが功を奏しています。シャープは従来から幅広い層に応えるべく7型タブレット(SH-08E)、フラッグシップ機種(SH-06E)、小型機種(SH-07E)と3つのサイズの機種を用意できたことで多くの契約者の繋ぎ止めに成功しました。LGエレクトロニクスはOptimus G pro(L-04E)同様にいまいち際立たなかったものの、同社らしく手堅く不具合の少ないOptimus it(L-05E)で一定の人気を得ることに成功していました。

■モデルデザインの甘さ
NTTドコモと端末メーカーの双方とも、Androidを甘く見過ぎていました。たとえば、Android端末が市場として成立し始めた当時はROMが1GB、RAMが512MBの機種ばかりでしたが、これではプリセットアプリをインストールしたらすぐにメモリー容量不足に陥ることは目に見えていました。なぜなら、Android 2.3はおよそ600MBもOSデータやカーネルに費やさなければならなかったので、その残りといえばわずか300MB強。この問題はとても深刻で、スマートフォン向けのゲームが脚光を浴び始めた2012年になると「まともにゲームすらできない」という不満の声が上がるようになりました。

それで、メモリー不足に対する八つ当たりとして、当時はマーケットのマイアプリへ登録されたプリセットアプリへ星1つを付けるレビュアーが目立ったものです。中には愉快犯で「root取って消した」と言いながら星5つを付けた悪ふざけまで現れた始末です。当時のAndroidユーザーの多くが、数か月で我慢しきれず、番ポでドコモから他社へメモリー容量に余裕のあるiPhoneを求めて流出したのもうなずけます。

※現在はGoogle+へ登録したユーザーのみがレビューできるようになっているので、今までより公平なレビューになっている…はずです。

その反省からか、2011年冬商戦以降は(当時にしては)8~16GBもの大容量メモリーを搭載した機種が目立ち始めましたが、今度はデュアルコアやLTE対応でバッテリーがすぐ干上がるようになった機種が目立ち、またもや2012年夏商戦の課題としてバッテリー容量の大容量化がささやかれるようになりました。しかし…。とりわけF-10DとN-07Dの出来の悪さが目立ちました。ARROWS X(F-10D)は日本初のクアッドコアチップ搭載と野心に満ちたものの、結局飼い馴らせないままじゃじゃ馬に、MEDIAS X(N-07D)メーカーの士気が下がっていた中でやっつけ仕事で放り出された産廃に成り下がってしまったのです。

富士通はこれを受けて、基板設計や熱対策を一から見直したARROWS V(F-04E)を発売し、生産台数の少なさから2013年新学期商戦で型落ちするほど調子を取り戻しましたが前述の通りF-02Eは相変わらずの低評価と、F-06Eの発売まで評価が一定しませんでした。一方のNECは評判がそこそこ良くなってもなおMEDIAS U(N-02E)のONE PIECEモデルやMEDIAS X(N-04E)が今でも売れ残るなど、やはりN-07Dの残した禍根が契約者の間に根深く残る結果になりました。

長文になりましたが、これを踏まえてドコモでiPhoneを発売するとどうなるかを分析してみようと思います。

Iphone5k

[写真はiPhone 5の黒]

■番ポ(MNP)はどこが制する?
結果から言うと、満遍なく3社のパイの取り合いになるでしょう。といっても、ドコモがやや優勢になるぐらいです。2008年のiPhone 3G上陸以来、「ドコモのネットワークでiPhoneを使いたい」という願望にかられていたはずです。その点で、まずソフトバンクへ納入が決定したと知りがっかりした人もさぞかし多かろうと思います。その結果、どうなったかはソフトバンクの現状からお察しください、というところでしょう。ある面では良くなっていますが、ある面では悪くなっている、とだけ申しておきます。

まず、番ポでドコモから他社に転出してiPhoneにするユーザーのほとんどはAndroid 4.0以前でROM1GBの端末を使ってきたユーザーか、F-10DやN-07Dを不具合に耐えながら騙し騙し使っていた契約者でしょう。「メモリー容量が足りない」、「パフォーマンスが悪い」以外に「ドコモアプリにうんざりしたこと」を主な理由として挙げるはずです。皮肉にも、諸悪の根源とよくいわれているのがPalette UIspモードメールアプリ。前者は立ち上げまで待受設定で時間がかかり、立ち上がってもなおドロワーやホームの表示がかくつくなど、出来の悪いランチャーの典型例です。後者はただのメールアプリなのに単体で15MB、データも含めると無尽蔵に容量が増えていくスパゲティプログラムの典型例でした。auのEメールアプリですら、アプリとデータの合計で15MBしか容量を食いません。

一方、他社からドコモへ転入するユーザーのほとんどは、「ドコモのXiでiPhoneを使いたい」ことを番ポの動機として挙げると思われます。ソフトバンクから転入する人はそんなにいないと思われます。いたとしてもソフトバンク商法と粗末なサポートに懲りて番ポ転出したい、というくらいでしょうか。特にauではスティーヴ・ジョブズが開発に直接携わった最後のiPhoneで、シリーズ最高傑作とされるiPhone 4Sから使ってきたユーザーはもちろん、LTEに対応したiPhone 5ユーザーでも番ポ転入したい契約者がいることは間違いありません。なぜなら、iPhone 5で対応しているLTEの周波数帯がBand 1のみで地方都市を中心に未だにLTEの快適さを体験できずにいるユーザーが多いことと、CDMA2000の通信速度がiPhoneユーザーやスマートフォンユーザーの増大で、特にトラフィックが増大する夕方~夜間は実用に堪えないほど遅くなってしまうからです。資金繰りの問題でauのiPhone 4S/5しかネットワークとつなぐ手段を持たないユーザーにとってはとにかくそれが苦行にしかならないのです。

iPhoneがソフトバンクとauのそれぞれで納入が決まったことを受けて番ポでドコモから転出した人も多かろうと思われます。意外にも彼らの多くがドコモでiPhone発売が決まったら番ポでドコモに戻りたいというのです。飛ばし記事とは言え、「ドコモ、iPhone発売か」の記事に、かつてドコモの契約者だったiPhoneユーザーはさぞかし衝撃を受けたろうと思います。

■ユーザー層による棲み分け
日本人にとって「流行り」、「お洒落」とみなされているiPhoneですが、実はそんなにハイスペックなわけではありません。というのも、現行のiPhone 5で見てみますと、Android機でいえばMSM8960搭載機種とほぼ同じスペックしかないわけです。その上、仮に本体だけで使うことを前提にするとワンセグなし、おサイフケータイなし、赤外線通信なし、防水にも対応しない…と、ないない尽くしなわけです。もちろん、これらがすべてひっくり返る要素もあるわけですが。

ドコモがどんな層にiPhoneを売っていくかも重要になります。このことを考えると重要なのはとりわけスペックに関心がない層。今までデザインで選んで散々大損をしてきたAndroidユーザーや出来るだけ小型のスマートフォンが欲しい層、フィーチャーフォンから初めてスマートフォンに乗り換えたい層にとっては、評判も動作も安定しているiPhoneのほうが格段と選ばせやすいわけです。つまり、ドコモ側でもこうした層を中心に繋ぎ止めを図るためにきちんとiPhoneへ機変した際の優遇策を練らなければならないわけです。そのために、筆者は是非ともドコモにはXiパケ・ホーダイライト(月額4,935円、月々3GBまでLTE)を基にした安価なパケット定額制で勝負してほしいと思っています。

だからといって、Android機へのフォローをお粗末にしてはなりません。なぜなら、全部入りのスマートフォンが欲しい人にとっては事実上Androidしか選択肢がないからです。そのためにドコモはAndroidを主力のプラットフォームとして選定したはずですから。2013年第2四半期のスマートフォン販売シェアのうち、iPhoneが占めているのはauで約6割、ソフトバンクモバイルで約9割ということです。ドコモでは「500万台が目標ならスマートフォン販売シェアの3割はイケる」と関係者が算段しているため、残りの7割をどのようにしてAndroidのために守るかが課題となりますがこれを次に述べようと思います。

■Androidは生き残れるか?
結論から申し上げましょう。日本でもAndroidは生き残れると。その代わり、滅びゆく存在になりうるのはフィーチャーフォンになります。なぜなら、前述の通り枯れたデバイスとソフトで開発されており、いずれは技術革新から取り残されて開発の続行が不可能になっていくためです。この頃はフィーチャーフォンとスマートフォンの2台持ちだけでなく、iPhoneとAndroidの2台持ちも目立つようになりました。このようなユーザーは、iPhoneとAndroidの良さを互いに認めながら、どのように使い分けるかがベストかを探っています。市場でも、どのようにしてAndroidとiPhoneの2台持ちをすべきかが積極的に議論される機会が出来ることでしょう。そして、その議論の中でフィーチャーフォンはやがて埋没した存在になり、忘れ去られていくことになります。

Androidはシングルコアのローエンド機からマルチコアのハイエンド機まで、両極端をカバーできる稀有なモバイル向けプラットフォームです。そのうち、日本メーカーは特にスペック競争の激しいハイエンド機種のラインナップ拡充に努めてきました。モデム統合型Snapdragonを買い負けて短期で生産終了になる憂き目にあったりしましたが、その教訓からモデムなしチップ搭載機種の拡充を図ったことでなんとかスペックの底上げもできた上に、今年の日本で発売されたAndroid機の多くが安定した供給を実現できるようになりました。この後もAndroid機はLTEモデム統合型クアッドコアチップ、Snapdragon 800(MSM8974)搭載機種の発売などめまぐるしい進化を続けていきますが、こうなることでOSバージョンアップなどのフォローが非常に重要になっていきます。

iPhoneからAndroidへ戻ろうとして躊躇している層も相当数いるのも事実です。確かにiPhoneは動作も安定していて操作も単純明快でわかりやすく、エンターテインメントも全方位でカバーできる素晴らしい端末です。しかし、問題としては自由度の低さがあります。そもそも、iPhoneはiOS単体では競争相手がおらず、プラットフォーム同士の競合はありながらもiPhone独自の進化を遂げてきたガラパゴス的な土壌にあります。特に、ホーム画面や日本語入力機能が自由に選べない点を不満に挙げる方が多いと思います。そういったことに不満を抱いた方は迷わずAndroidとの使い分けを検討しましょう。Androidならメーカーごとにホーム画面に個性が出ますし、日本語入力として憧れのATOKを選択することもできます。これにより、どのメーカーが最善かを吟味できるうまみはあると思います。

海外市場という強力な後ろ盾を持つ多国籍企業であるサムスンやLG、ソニーモバイルは確実に生き残れるでしょう。HTCや華為技術、モトローラも辛うじて生き残れます。問題は日本メーカーで、市場が狭いうえにキャリアという後ろ盾も重要です。これを考えますと、富士通(子会社の富士通モバイル含む)、シャープ、京セラだけが生き残れると結論付けられます。富士通はドコモにとって電電ファミリーとしての、京セラはKDDIの母体企業という関係、そしてシャープはソフトバンクの孫社長にとっては起業の機会を与えた恩師としての長い付き合いがそれぞれあります。これらがあったからこそ、生き残ることができたということもできます。ただし、富士通に関しては今まで出してきた端末の不評が災いして、大幅にそのシェアを縮小させているのがとても気になりましたが、ARROWS NX(F-06E)が10万台以上売り上げていたあたりはぎりぎり合格点、というところでしょうか。

■販売、サポート体制はどうなる?
ここが皆さんの一番気になるところでしょう。まず、サポート体制から話しますと、完全にAppleへ丸投げする形になります。つまり、ドコモはほとんどアフターサービスに口出しできず、キャリアショップでもトラブルに対するアドバイスや故障の際の代機の貸出ぐらいしかできなくなります。他社と同じくApple Careへの加入を勧めることになりそうです。故障の際は運が良ければ部分修理で帰ってきますが、大抵は本体交換になることをを覚悟しておいてください。基本はAppleへ故障機を宅配便で配送して受け付ける形になります。

また、販売方法は普通のスマートフォンと同じになりますが、ソフトバンクモバイルのケースもあり分割払いを希望の場合は審査がより厳格になることが想定されます。これによっては、いくら分割払いを希望しても一括での機種代金の精算を求められることもあります。そういった事態に備えてクレジットカードを用意できる人は用意してしまったほうがいいです。

料金プランは今のドコモのプランと変わらないものを採用すると思います。また、Xiパケ・ホーダイやXiパケ・ホーダイライトを引き続き適用できると思われます。ただし…問題があります。それはAPNの問題です。そこが不透明なのです。mopera Uやspモードが利用できるようになるとは思いますが、mopera Uはモバイラー御用達のために設定方法が広く知られています。問題はspモードでしょうか。iPhone専用APNになるか、spモードでAPNを共用するかのどちらかになるはずです。

しばらくのうちはキャリア独自サービスが利用不可になっているので、メール利用希望者へはドコモメール(またはspモードメール)を利用できるようになるまでmopera Uで付与されたメールアドレスを、dマーケットの対応開始まではiTunesやApp Store上でアプリやコンテンツの提供になるとされます。

もし、ドコモから発売が決まるとこれで3社ともiPhoneを発売できる準備が整ったことになります。ドコモユーザーは秋冬モデルとiPhoneを天秤にかけながら慎重に悩む契約者と、今すぐにでもiPhoneに乗り換えたい契約者に二分化されていると思うので、既存のドコモユーザーの動きはそんなに予想以上にラディカルにはならないと筆者は思っています。むしろ、他社からの番ポでどれだけドコモへカムバックするか。筆者はむしろこれに注目したいですね。

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