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2012年6月

2012年6月19日 (火)

勝ち組と負け組

一人負けとからかわれてしまったドコモ。番ポの実績でもここ数ヶ月は転出超過状態。「DoCoMo 2.0」時代(2007年)を彷彿させます。多くのドコモ契約者からは端末の値下げよりiPhoneの発売を望む声が多いです。実際、iPhoneの納入を見送り苦戦するドコモを尻目に、auとソフトバンクは急速にiPhone旋風に乗って成功しています。

どうして最大手のドコモが取り残されてしまったのか。ずばり、完璧を求める日本人の気質が悪い意味で現れてしまったからです。実はドコモ、端末の無線機としての特性に最もシビアなキャリアと言われています。これは、2010年に発売されたiPhone 4で起こった問題抜きには物語れません。

iPhone 4シリーズはキャビネットが2枚の強化ガラス(Gorilla Glass)で構成されています。そのため、アンテナを兼ねたステンレスフレームでそれを囲って固定する仕組みになっていました。発売直後こそ大ヒットにはなりましたが、このような構造ゆえ「素手で持つと携帯の電波が受信しにくくなる」問題が噴出したのです(4Sではほとんど解消されています)。

実はドコモがiPhoneの納入をためらっているのは、このように無線機としての特性が不安定だから通信品質の確保がしにくいから、というのが大きいと思います。一時はiPhoneのために「miniドコモUIMカード」を開発したほどiPhoneの呼び込みに積極的でしたが、現在はほとんど冷めています。

一方で、Appleの定めるノルマを遵守すると電電御三家時代からの付き合いになるNECや富士通を裏切ることになるジレンマも抱えています。つまり、ドコモは日本メーカー保護のためにも敢えてiPhoneなしで勝負に出たとも言えます。

とは言え、キャリアが端末開発に口出ししてくる時代はスマホシフトで終わったと見なせるでしょう。後ほど、キャリアとメーカーの関係について述べたいです。

2012年6月14日 (木)

白夜は終わるのか

このところ、ノキアの斜陽が止まりません。今まで世界シェアトップを維持していたのがサムスン電子に抜かれてしまい世界2位に、その上に黒字経営だったものの2011年度は赤字に転落と厳しくなっています。筆者もこのモバイルの雄の没落を看過できません。

何故ノキアは落ちぶれてしまったのか。一般にはよく「Android機を出さなかったから」と分析されていますが、それは理由にはなりません。実際は、ノキアの売りだったSymbian OSとS60を切り捨て、将来的にWindows携帯に置き換える経営判断が大きな原因と考えます。

iPhoneとAndroidフィーバーの最中でも、Symbian機のシェアは2011年に入っても20%前後と高水準で、世界的に根強い人気があります。しかも、ノキアが完全撤退した日本でもS60スマートフォンは自由度の高いカスタマイズ性から、未だにごくごく一部のマニアから熱烈な支持を受けています。わざわざ最新機種を輸入して買って使う日本のファンもいるほどです。

しかし、ノキアはどういうわけか根強いS60スマートフォンの需要に応える道よりも、シェアの低いWindows携帯の底打ちに挑戦する道を選んでしまったのです。世界中からはもちろん、「遅すぎた」と落胆の声しか出てきませんでした。Windows携帯は売れず、シェアも売上高も低迷。結果、ノキアは5万人いる従業員のうちの2割にあたる1万人の人員削減を余儀なくされました。

移動体通信設備事業に専念して業績回復に成功したエリクソンと、携帯電話端末事業が主体で市場の変化により著しく財務体質を毀損したノキア。北欧発祥の携帯メーカーの明暗が分かれる結果になりました。

2012年6月 8日 (金)

ソーシャルゲームショック (後編)

ようやっと更新です。なぜソーシャルゲームが氾濫することになったか。これは開発費の安さと利益率の高さから多くの業者が大手、中小問わず参入してきたためです。

参考までに、ゲームソフト1本あたりの開発費はPS3で1億程度、PSPやWiiで5,000万円前後、DSは1,000万円程度だそうです。それに対し、ソーシャルゲームは1作あたり500万円をきるぐらいで済みます。

パッケージ販売がいらないことも参入を容易にしました。パッケージ販売では数千本単位で初回生産をする必要があり、それが在庫になるとリピート発注がない限りさばくことが難しくなります。一方でソーシャルゲームはコンテンツが終わらない限り何度でもアクセスして遊べる利点があります。

コンプガチャなどの有料ダウンロードコンテンツによる利益率の高さ。これも大きな理由です。簡単に言えば、海老で鯛を釣るようなもの。無料でできるのはお試し的な色彩が濃く、有利に進めるにはどうしても金が掛かるようになっています。無料だけで有利に進めた人が珍しいくらいです。

ゲームエンジンの開発がいらないこと。普通のゲームソフトはエンジンの開発・導入に多額の費用が掛かっているのが定石です。その一方で、ソーシャルゲームのエンジンはプラットフォーム事業者で統一されているため、仕様書さえ理解すればどのコンテンツメーカーでも制作可能というお手軽さ。開発費の安さもそれが決め手のようです。

このような事情でソーシャルゲームが隆盛を極めた一方、日本のゲーム業界は海外へ大きく水を開けられることになりました。それは次回。

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